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うのの さあら
2020年9月3日 15:06
なにかの作法のように丁寧に静かに服を着せられるショーツが太腿の間を滑りブラのホックが止まり肩紐を合わせブラウスのボタンがひとつ、またひとつ留められるスカートがスルリと腰まで上がりヒダのひとつひとつまで整えられるさっきまでの嬌声と水音が嘘のように衣ずれの音だけが耳に響く一枚、一枚と着せられる間にひとつ、ひとつと私は幼子に戻されるような思いがしたその鮮
2020年8月6日 22:44
こんな夢を見た。気が付くと僕は片田舎の本屋の看板だった。老人は曲がった腰で重々しげに毎日シャッターを上げては閉め、店先のワゴンを出してはしまい。変わらぬ日々を送っていた。時に子供が絵本をねだり、少年は少し早い性の目覚めを後ろめたそうに覗き、OLが旅の予定をみつけあて、主婦は今日の夕飯を探し当て、サラリーマンは小さなロマンを抱きしめながらそこで過ごしていた。しかし、誰もが知っていたであろうそ
2020年7月11日 14:50
N「自分の中に悪魔と天使がいて、そいつらがささやきかけてくる、、、というような事ってのは誰にでも起こる事かと思います。チャネリングとかね、そんな難しい話じゃなくて。ダイエット中だけどこれ食べたい、、、」悪魔「食べちゃえよぉ~おいしぜぇ~」天使「ダメよ、ちゃんと目標立てたもの、知ってる、あなたはここで食べちゃうような子じゃないわ」N「とかなんとかいうやつね、これはそんな、だれにでもある、
2020年7月8日 13:52
ガラスの向こうに見えたのは母だったみた事もないひと昔前のクラシカルワンピースに身を包み明るい色の傘を差したそれは母だった胸騒ぎのようなものを覚えてかけつけようとした私の足を雨が阻むいつもより細く儚く見えた母の腕が乙女のように小さく手を振った向こうには彼がいたそれはまぎれもない彼だったスーパーの袋に家族四人の食材をパンパンにして運んでいる逞しいいつもの母の
2020年5月30日 23:10
ジジという猫を飼っていたジジはクロネコじゃないし私の名前はキキじゃない私は魔女でもないし少女でもないほうきで空を飛ばないしパン屋に居候もしやしないそれでも猫の名前はジジ喋らない猫だけど名前はジジ段ボールにそう書いてあったのだから仕方ないこちらキキじゃない美代子はただ毎日息を吸って吐いている今日は誰かと話をしたろうか水を飲もうとして乾いた唇