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スペインの美しい町できのこ狩りーAlcalá del Júcar

こんにちは!

今日の話は盛り沢山です。
きのこから野生動物、洞窟、イニエスタの話まで、、ある休日のお話。

タイトルにもある通り、先日9月の終わり頃にきのこ狩りに行ってきました。

きのこ狩りなんていつぶりだろう、、思い出せないくらい昔に一回経験したくらいかなと思います。

スペイン人の彼は毎年この時期きのこ狩りに行くようです。まだ付き合う前、去年もこの時期にきのこ狩り行こう!と誘われました。(風邪気味だったのでその時は断念)

去年行けなかったので、何事も経験!精神の私はきのこ狩り行く気満々の彼に着いて行きました。

その日は朝の7時30分くらいに家を出てアリカンテから隣の州カスティージャ・ラマンチャ(Castilla-La Mancha)へ車で向かいました。(今回も山が大好きな愛犬と一緒に!)

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目的地はアルカラ・デル・フカール(Alcalá del Júcar)という町で、カスティージャ・ラマンチャ州で一番人口の多いアルバセーテ(Albacete)の近くです。車で1時間半ちょっとかかります。
(アルバセーテはマドリッドからアリカンテに向かう鉄道AVEでも通過する都市です)

向かってる途中彼に、「これから行く場所はすごく素敵な町だから絶対気に入ると思う!」と言われました。
その時はきのこ狩りに行くという情報だけでどこに向かってるのかも良く分かってなかったので、それを聞いてワクワクしました。

カスティージャ・ラマンチャ州に入ると山も多くあるバレンシア州から景色は一変し、平らな土地が一面ずっと続きます。途中ワイン用の葡萄畑とワイナリー、またピスタチオの木がたくさん生えているのも見ました。

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(こういう広々と開けた土地を見るといつも北海道みたい...!と思ってしまう。そんな場所がスペインにはたくさんあります。)

この記事のヘッダー写真もマドリッド発の鉄道から撮ったカスティージャ・ラマンチャ州の典型的な景色です。


●きのこ狩りスポットへ●

さて、目的地のAlcalá del Júcarに着きました。
着いた瞬間その町のすごい景色にテンションが上がりましたが、町は後にしてまずはきのこ狩り。町の脇に川が通っていて、その周辺が収穫スポットになっています。

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この岩山は実は全て洞窟になっています。昔洞窟として使われていて、この町の一部は今も洞窟として残っています。

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なんとも面白い形状の岩山、というか洞窟に目を奪われながらその脇の細い道を車で通って行きます。

すると目の前の岩肌に威厳のある動物を発見!!

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あれはCabra Montesaだよ、と彼に教えてもらいました。日本語に直訳すると、山のヤギ。

調べたら日本語名はスペインアイベックス、イベリア半島に生息する野生のヤギだそうです。その辺で飼われてるヤギとは違って見た目は結構ワイルドで、鹿に近いように見えました。立派な角が特徴です。

そしてさらにその後、集団のCabra Montesaに遭遇しました!

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岩の木陰に隠れて涼んでいます。
合計6匹いて、中には小ヤギも2匹いました。

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普段見られない野生の動物に遭遇してとっても興奮しました。日本の都会に住んでたらこんな経験できません...!(写真だと小さいんですが動画では動いてる様子が撮影できました!載せられなくて残念。。)

そうして着いたきのこ狩りスポット。
この林の中にある木の根元を見ていきます。

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●きのこ狩りスタート●

早速散策して木の根元を見ていると、どうやら私達より先に他の誰かが来ていた様子。。
きのこが採られた跡が多々見つかりました。なんかしょぼい小さいきのこしか残ってなさそう、、

遅かったか!!と悔やむ彼。。前日夜遅くまで仕事だったので普段来る時よりちょっと遅めに家を出ました。いつもだったらもっとたくさん見つかるようです。

でもしばらくすると、手をつけられてない立派なきのこ達を彼が見つけました。

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めっちゃ生えてる!とテンション上がって持ってきた袋にすかさず収穫。

ちなみに、先ほど地図で紹介したアルバセーテはナバハ(Navaja)と呼ばれるポケットナイフが名産品で、お土産屋さんでも売られているのをよく見ます。彼もきのこ用のナバハを持っていて、それを使って採取しました。

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きのこの刺繍が入ったケースがかわいい!採れたきのこの汚れを取るのにミニブラシも付いています。コンパクトに収納できてとても便利です。
ただし、普段持ち歩いてたら凶器とみなされ警察に捕まるらしいので注意して下さい(笑)

その後、場所を変えてさらに奥の方を散策しました。そこは他の人にまだ手がつけられていなかったようで、わんさかきのこが見つかりました。

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正直なところ、私はそんなにきのこが好きじゃないので最初はそこまで乗り気じゃなかったんですよね。笑
でも見つかれば見つかるほど楽しくなってきて夢中になっていました。森の中を歩き回って気づけば腕には切り傷もたくさん。笑  周りにはトゲ付きの草がたくさんあって、それをかき分けながら探索してました。

私は日本で都会育ちだしかすり傷で痛むのもなんだか嫌だったけど、収穫していて、自然のサイクルで切り株や木の根元に菌ができてそこに生えてくるきのこっておもしろいなあと思いました。それと最初にこれを食べようと思った人すごい。毒キノコだってあるのに。

そういえば、毒キノコはこれ。
なんだか見るからに怪しいですね。

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森の中では野生のブラックベリーも見つけました。いろいろなものが山や森に自然に生えてておもしろいです。

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「きのこ狩り意外と楽しいね!」と彼に言うと、
「でしょ!山にはいろんな楽しみがあって海よりも全然おもしろいんだよ。」と言われました。

たしかに山のおもしろさをその日新たに感じました。初めて見る動物にも会えたし!
自然っていいな〜と改めて感じました。

さて、持ってきた袋いっぱいにきのこを収穫して満足したので町に戻ります。

●Alcalá del Júcar 町歩き●

町に戻ってバルで一息ついてから、町の頂上にあるお城に行ってみることにしました。

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この町は山(洞窟)に沿ってできた坂の多い小さな町です。アリカンテの一画にも頂上のお城に繋がる坂にできた旧市街がありますが、この町は、手前の橋の下に川が流れていて、とても穏やかな雰囲気です。さらにお城の左サイドは洞窟からなる崖のようになっていて、独特な景観となっています。

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実はここアルカラ・デル・フカールはスペインの中でも最も美しい町の1つとして知られていて、観光名所となっています。
しかし、日本人には全く知られていませんね!

平面上に見ると町のふもと(橋)から頂上のお城まで徒歩4分とGoogleマップで出てきました。でも実際は坂を登っていくので、15分ほど歩きます。

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Castillo(お城)のサインを目印に坂や階段をどんどん登っていきます。小道を登っていく感じが雰囲気あって楽しいです。途中の景色はこんな感じ。

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着いた頂上、お城はこちらです。

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残念ながら、その日お城は閉まっていました。コロナだからか夏が過ぎたからかはわかりません。(スペインでは夏の観光シーズンしか開かないバルやレストランなども多いです。)
この城はレコンキスタの後に建てられた城だそうで、キリスト教様式の城になります。アリカンテや他のスペインの町の城の多くはアラブ人が建てたのでアラブ様式です。正直私はパッと見ではキリスト教様式との見分けがつきませんでした。

●洞窟の町●

城まで登ってくる途中、他にも目立った看板を目にしました。それは洞窟博物館の看板です。中には特徴的なバルもあってドリンクチケット付きで入場料3€、安いし犬も入場可能だったので入ってみました。

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(Cuevas del Diablo=悪魔の洞窟。ネーミングは怖いけど中は面白いです。洞窟タウンならではのユニークな観光スポット)


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中は文字通り洞窟になっていて、古い昔に使われていたミシンや陶器、農具、各国の紙幣や昔の切手などいろんなものが展示されていました。

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中は思っていたよりも広くて、バルのスペースにステージもありました。その日は閑散としていましたが夏は多くの観光客で賑わうのでしょうね。展示品もオーナーの趣味なのかアンティークでおもしろいものがたくさんありました。また、洞窟なので少しひんやりとしています。夏は涼しく快適な温度で、逆に冬は暖かく過ごせます。

バルではこの地方で有名なベルモットというフレーバードワインをいただきました。

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赤と白両方とも試してみましたが、とても甘くて私はそこまで好きではなかったです...!デザートワインのような甘さでしたが、彼曰くこれは食前酒だそうで、イタリア発祥のお酒だそうです。

この洞窟バルにはテラスもあります。外から見るとそこは崖の上にできたような唯一のバルになっています。美しい川が見れてとてもいい景色です。

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(外側から見たテラス。Diabloの文字が見えます。どうやってここに作ったのか不思議...)

実はここにはこれまで様々な有名人も訪れていて、この洞窟のオーナーとの写真がたくさん飾られていました。中にはこの有名選手も!

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ピンクのTシャツを着ているのはかつてバルサで活躍し、現在はヴィッセル神戸でプレーしているイニエスタ選手です。
イニエスタの写真は若い頃のも含めて4.5枚くらいありました。それだけ昔からたくさん訪れてるのですね。サイン入りのユニフォームが飾られているのも見ました。(写真左はオーナー。ながーい髭がユニークすぎるw)

なぜイニエスタがこんな小さな町によく訪れていたのかというと、実は出身地がこのすぐ近くだからなのです。私はせっかく近くにいるのなら行ってみたい!と言ってイニエスタの故郷にも連れてってもらいました。

●イニエスタの故郷●

故郷の町の名前は、フエンテアルビージャ(Fuentealbilla)と言います。

行ってみると、とっても小さな町でした。この小さな町から、スーパースターのイニエスタが誕生したのだからさぞかしイニエスタを売りに看板やグッズなど目立ったものがあるのだろうと思っていたら、そんなものは特になく、小さい銅像とちょっと大きなイニエスタの家があるだけでした笑

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こちらがイニエスタの家です。
イニエスタの名前がどーんと書いてあります。その隣には背番号8番も。全部シャッター閉まってたので誰も住んでいない様子。ネットではサッカーチームのために貸し出ししてるとか出てきました。

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門にナイキのボールとシューズのマークも。その上には手でボールを掲げている装飾もありました。立派な家だけどあれだけのスーパースターにしては少し控えめな印象です。

イニエスタはこんな小さい町で小さい頃サッカーしてたのか〜と、来れてひと満足したので、そろそろ家に帰ることにしました。

ちなみに、この周辺ではワインの製造が盛んで、イニエスタも自身のワインをプロデュースしています。そのワイナリーもこの地域にあるようです。このワイナリーは結構目立った感じかもしれないですね。

日本でもイニエスタが造るワインが買えますよ。私もワインが好きなので一度飲んでみたいな。


●きのこ料理●

家に帰って早速採ってきたきのこを机いっぱいに広げました。超大量。笑

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一つ一つ生え際をカットして、きれいにしました。大きいきのこは虫が付いてないかもチェック。(多すぎてめちゃくちゃ時間かかったw)

大量だったので、友達や親戚にもおすそわけして、残りは袋に小分けして冷凍保存です。

きのこのニンニクピリ辛炒めやきのこリゾット、グラタンなど作って自然の味覚を楽しんでいます。(リゾットは料理人の彼作)

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私はもともとそんなに好んできのこを食べないんですが、自分で採ってきたものだとなんだかおいしく感じます。

魚介も苦手だけど、こっちにきて魚介のパエリアも少しずつ食べれるようになりました。好き嫌いがだんだん減っていく。。

どこで作られたか分からないスーパー食料よりも家庭菜園や自然の中で採れたものを使って料理して食べるのは楽しいな〜と最近思います。

田舎だからか畑で採れたものなど自家製のもので物々交換やおすそわけがよくあって嬉しいしほっこりです。


それでは、長くなったので今日はこの辺で、、
また次回。

Hasta luego!

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