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せやま南天
2022年6月17日 11:42
「深山くんさ、彫刻のモデルになってくれない?」一ノ瀬沙和から言われたのは、夕刻の水飲み場だった。彼女の後ろで、空は水色からオレンジ色のグラデーションを描いている。僕の首からは、拭い切れなかった水道水と、頭の毛穴から溢れた汗とが一緒になって、透明で大きな粒を作り、コンクリートに落ちて行く。からかわれているのだと思った。彫刻のモデルって、雑誌に載るような、筋肉の陰影がたっ