その後、爪はどうなったのか【比較写真あり・素の自爪をロングにして二年越えレポート】
ふとしたことから自爪を素の状態のままでロングに保つことにして、二年が過ぎた。
巷で「育爪」と呼ばれる方法に似ているが、そのお手入れの側面は元々自分がしてきたこととあまり変わらないので、長さだけ自分の好みに従い、一般に育爪で推奨されるよりも爪を長めに保って観察してきた。
これは、その実体験のレポートである。
なぜ、そんな実験をスタートしたかの経緯など、過去の関連記事は、
★「素爪をロングにして新境地・日常生活からの価値ある発見」(2021年8月)
★「素爪ロングをアレンジ【そのまま生かすファッション部発足】」(2022年9月)
これらを含めたライフスタイルの記事全般は、
☆マガジン「そのまま生かすファッション部」☆
に収録している。
素の爪をロングに保ってみての、結論
結論から言うと、今も長めの爪にはしているが、一時期試してみたよりは「節度のある長さ」に落ち着いている。
かつての私の標準の長さと比べれば(その頃はかなり短めに整えていたので)長いという程度で、ネイル業界での「ロング」というほどの本当のロングではない。
なぜ、そのくらいに落ち着いたかというと、やはり気をつけていても事故が起きるから。
ネイルエナメルなど人工の材料で補強しているわけではないので、ぶつかりどころが悪いと折れることがあった。なにせ自爪なので、そうなるとケガとして危険である。
あと、ネイルベッド(ピンク色の部分)を伸ばすということに育爪を通して期待している人もいると思うが、私の場合はさほど伸びない、が結論。
本当に始めの頃、「お、ハイポニキウムが爪の裏側から見えやすくなってきたぞ」と思う変化はあったが、それ以上はさっぱり。
生まれつきネイルベッドが長い(そして爪切りでパチンパチン爪を切るなど日常的に楽な扱いをしている)家族の爪を見ていると、生まれつきってあるよなと、複雑な気持ちになったのだった。
二年経過後の比較写真
ここで、★「素爪をロングにして新境地・日常生活からの価値ある発見」(2021年8月)の記事に載せていた写真と、二年後の現在の写真とを比較のために掲載する。明かりの関係で色味は少々異なるが、似た背景でそれぞれ撮影した。オイル等も何も塗っていない状態の爪である条件も同じだ。
★2023年8月↓
★2023年9月↓
★2021年8月↓
★2023年9月↓
……うん。二年間の、爪を育てることを意識した、決して短く整えない年月を経ても、私の爪はほとんど変わっていないことがおわかりいただけるのではないだろうか。特にネイルベッド(爪のピンク色部分)の成長は、前述の通り、これだけの期間をかけても期待したほどの効果とは言えない。
爪全体も、整え方をやや変えているだけで、大体同じ様子に見える。
ちなみに、最後の写真の血色が少々悪いのは急に冷え込んできて、寒かったためだ(二年前の方の撮影時期は、夏)。
爪がどのように折れるかという体験を振り返る
それはともかく、特に語りたいのは「爪がどのように折れるか」ということを人生で初めて繰り返し経験したことだ。
私の場合、二年を通して四回くらいは折っていて、そのうち三回は白い部分が欠けたり、きれいにカットしたみたいになったりというだけで済んだが、一度はネイルベッド(ピンク色の部分)にかかる折れ方をしたため出血した。あと一度ほど、内出血したこともあったかもしれない。
保湿を怠ることはなかったので爪自体はしなやかな状態であっても、長さが長いと、指の先端をうっかりぶつけてしまったときに「ピシッ」と横方向にひびが入って、折れてしまうことがあるのだと初めて知った。
いずれも、ぶつけた衝撃は爪への縦方向の力だったのだが、折れるのは横方向に折れるのである。
旅行先での思いがけない爪の事故【夜中の怪】
出血を伴わなかった折れ方のうち一回は、寒冷地での泊りがけの旅行中の出来事であった。
宿泊先は私の住んでいる地域では考えられないほどにガンガンに強い暖房がきいていて、乾燥の度合いが桁違いだった。外では雪も降っていた。
そんな中、夜中にトイレに起きた私は、使い慣れない水を流すレバーに手をかけたとき、手がつるっとすべって爪ごと指をぶつけてしまった。
すると、爪の先の白い部分が折れてしまったのだ。
このときは位置的に出血はしなかったが、そのままにしていては危ない形になっていたので、「どうしよう、普段使っている爪やすりは持ってきてないよ」と思いつつ、ポーチに携帯用のとても小さな爪やすりが入っていたのを思い出した。おそらく使い捨てのもので、よくわからないけど昔、家族が「使う?」と言って渡してくれたものだ。とにかく簡易的なものだった。
同じ部屋で眠っている妹と母を起こさないよう、私は洗面所からもれる光を頼りに荷物置き場へ行き、静かにポーチからそれを出し、トイレ兼洗面所でしょしょしょしょしょ……と、小さな小さな使いづらいやすりで爪を研ぎ続けた。
なにせ、本当に小さいものなので、折れた一本の爪だけを整えるにもだいぶ時間がかかる。やすりの質的に、削れ具合も悪い。しかし今は、これに頼るしかない。
強すぎる暖房に汗をかきつつ、ひと仕事終えて外に出ると……思いがけない光景に思わず足を止めた。
妹と母が、暗い部屋で無言でそれぞれベッドから半身を起こし、黙ったままアイコンタクトを取っていた。
その異様な雰囲気に、思わず「どうしたの?」と声をかけると、二人は私が急に体調でも悪くなったのかもしれないと懸念したらしい。
声には出さず、「何かが起きている」と感じ取った二人は、同時にむくっと起きてアイコンタクトを取りつつ、私の様子(洗面所の中で何をしているかわからないが、なかなか戻ってこない)を固唾を飲んで見守っていたというわけだ。
え……、二人とも寝てると思って黙って作業してたけど、トイレのレバーにぶつけて爪が折れたんだよ。だから、昔もらった携帯用の小さいヤスリで何とか危なくない程度まで削ってただけ。これが削りづらくてさぁ、と明るく報告すると、二人は一斉に安堵して溜息をついたのであった。
夜中に、何か望ましくない理由で起き、洗面所にこもって奇行を……? と、同行者にいたずらに不安を生じさせてしまった事件であった。
これは振り返っても、寒冷地ならではの暖房と空気乾燥が影響していたので(どの宿に泊まっても同じくらい強い暖房で乾燥していた)、もしあの地域で暮らすとしたら、素の自爪を長くすることなど危険でしかないだろう、と私は自分の体験からしみじみ思った。
今もまあまあ長めに爪を保っているわけ
そんなこんなで、「長い爪の不便さ」をそこそこ経験しつつも、今でもまあまあ長めの爪を保っている理由は、
1. 爪をやすりで整える回数が少なくて済む(たぶん私は爪が伸びるのが早い気がするし、爪がわりと丈夫なので削るのも大変)
2. 短めに保つ習慣に戻すと、かなり短く整えたくなってしまう
という主に二つだ。
さすがに、短くしすぎない範囲内でこの二年間色々な爪の長さや形を試してみたのだが、それでわかったことは、私の爪の生え方の場合、「完全に短くする(指先よりも爪の先端が下に位置するくらい。一般にはこれだと深爪だが、私のネイルベッドがそれよりさらに下にあるので、爪の先端の白い部分も指先の内側にくる)」という選択以外、どの長さにしても「爪が伸びているという不快感や、それによる不便さ」はあまり変わらないのだ。
かなり思い切りロングにしても、育爪で推奨されるような爪の先の白い部分が2、3ミリの長さにしても、同じ。どちらも私には同程度にうっとうしい。
感覚として本当にすっきりできるのは、指先より内側の長さ、もしくは指先と同程度の位置に整えたときのみ。それでも、白い部分がちゃんと残るのが私の爪の初期設定だからだ。
自分のすっきり感や指先の使いやすさを優先するなら、その位置に揃えるしかないのだし、そうしないのなら、ある程度長くしてたって同じだ。
それで今のところ、先に述べた二つの理由を採用して、ある程度長めの爪を何となく維持している。
最後に、自分の好み
こんな私は、長い爪をきれいに整えている人や、ネイルを施している人の爪を見るのも楽しくて好きだが、実は深爪に見えるほど爪を短くしている人の手も、とても好きである。
あくまで今回の一連の爪の話は、私にとっては「実験」だったのであり、自分の爪がどう変化するのか、しないのか、見てみたかっただけだ。
色々な手があり、ライフスタイルがある。そのどれもが美しい。
これにて爪の話はTHE END、かな?
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