夢の出来事の継続と、とまどい【ついたてを外したあなたは】

昔から、ひとつの人生を生きているという感じがちっともしない。同時進行で複数の現実を見ている感覚は、私にはなじみ深いものだ。これはことさら「スピリチュアル」と呼ばれる分野に関わる前から、そうだった。

自分を個人と定義しようとしても、「どの個人?」との問いが自然に浮かび上がってくるような、そんな素地がある。様々な現実、様々な人生を同時に垣間見、体験するとはそういうことだ。

起き抜けに、あえて言語化するならば「これはどの自分、どの現実だっけ?」という感覚を伴い、しばし「この特定の現実」にフォーカスが合うまで軽く混乱することも、たまにはある。
もっと多くあるのが「さっきまで経験していた夢の現実から、自分の気持ちをこちら(起きてからの現実)に切り替えるのが難しい」ということで、際立って印象的な夢や、「継続している夢の出来事」の後などがそうだ。

継続している夢の出来事

継続している夢の出来事とは、起きてから体験しているこの人生と同様に、ある夢のある体験が続いていて、その夢を見る度に続きが進行している状態だ。
つまり、その特定の夢の中で私には「出来事の記憶」があり、その夢の中で以前あったことを思い出すこともできる。ただし、それはその世界の中での出来事であって「起きている間の今の私の人生」とは関係がない。

これでもし、登場人物などの設定が大幅に異なっていれば、映画を見ているようなもので混乱の原因にならないかもしれない。実際、そのように別設定で進行している夢もある。
私がとまどうのは、今「知っている人たち」が登場人物としてかぶってくるタイプの「継続している夢」の方だ。

この(私が起きてる間に経験している)人生においては知り合い程度で特別親しくない人が、あちらでは自分にとって近しい人として登場していることがある。その関わりは、「こちらの現実での今の私」が想像したり希望したりしているとはあまり思えない内容であることもある。

あなたの夢の中でもおそらく、現在親しい・親しくないに関わらず、あなたの知っている人、顔だけ認識している著名人などが思いがけない役割を担って登場する体験があるだろう。
それについては、過去に◇「似た人変換について【夢・非物質次元の体験を理解する】」(2021年7月7日)という記事で、非物質次元での経験の特性とあわせて、そうした夢の現象をどう理解すればよいか解説した。

だから、解釈という面では、私自身の継続している夢の中で「今知っている人たち」が出てこようとも、私は意識内での現象の特性を理解し受け入れることができる。

ただ、私のとまどいのポイントとなるのは、前述の通り「出来事が継続していること」だ。単発のイメージではない。
つまり、その世界内で「こういうことがあったなぁ」と思い出すことができる、私の積み重ねている記憶が「起きた後の現実では、ある人たちとの関係において見当違いになる」。

繰り返すが、ややこしいことに複数の現実をまたがっての知り合いがこの現実にもいるのだ。
さっき紹介した過去記事「似た人変換」の原理で言えば、私が出会ったのは同一人物のイメージを持っているだけの異なる存在である可能性もあるが、自分の中では同一人物と認識する感覚を伴う場合もあって断定できない。

これをいわゆる「過去世・未来世(私に言わせれば同時生、同時進行している別の現実のこと)」の知り合いとの現世での巡り合い……と解釈することも可能だろうし、仮にそうであっても、あるいはそうではなく単に私の夢の「映像化フィルター」の問題だとしても、継続する体験では特にとまどいが生じやすい。

そのとまどいを、心当たりがない人にも伝わるよう、これから書いてみるのだが……。
(このトピックは、私のnoteの中では古い記事にも関わらず、なぜか一貫して売れ続けている人気記事、
「白く光って見える人。運命の人と、純粋な恋愛について。」
と共通の要素を含んでいる。)

私が体験している「あなた」が何通りもあると……

ある人が現在私の人生に登場していて、なおかつ継続する夢の出来事にも登場していると、その人とのこの人生上での関わりと、夢で見ている別の現実での関わりと、複数ある別々の歴史に混乱してしまう。

区別はつけられるのだが、感覚的な仕分けの難しさがある。
特に、別の現実ではとても親しい間柄の人だった場合に、これが起こる。

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