飛騨俊吾

いい風景に出会ったとき、それを借景したいがため物語を書き始めます。ストーリーが先ではな…

飛騨俊吾

いい風景に出会ったとき、それを借景したいがため物語を書き始めます。ストーリーが先ではないなあ…。 ◇文学賞受賞歴 ・「エンジェルボール」第6回 広島本大賞 ・「小夏と麦の物語」第16回 酒飲み書店員大賞

記事一覧

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 最終話

〝柊さん  いろいろ考えた末に今こうして便箋に向かっています。ですが、どう書き出せばいい…

飛騨俊吾
21時間前
8

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 12

 しめやかに告別式が執り行われる中、柊は考えていた。  結局、自分は椰哉子から繋がりを断…

飛騨俊吾
1日前
9

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 11

5  数日後、柊は品川に向かう山手線の中で中吊り広告を見て衝撃を受けた。 〝堀川文学賞作家…

飛騨俊吾
2日前
9

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 10

4  そして迎えた堀川文学賞授賞式の朝。 「よし、減量成功!」  体重計に乗るとぴったり五…

飛騨俊吾
3日前
9

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 9

 麻布十番のバーを出た柊は七月の夜の匂いを吸い込みながら、暗闇坂から狐坂とゆっくり歩いて…

飛騨俊吾
3日前
12

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 8

※ ※ ※  村上と別れた柊は赤レンガ通りでタクシーを拾って、麻布十番で降りた。  酒を…

飛騨俊吾
4日前
13

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 7

3 「それじゃあ、敷島椰哉子先生の堀川文学賞受賞に乾杯!!」 「お、乾杯!」  混雑する店…

飛騨俊吾
5日前
10

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 6

※ ※ ※  タクシーを降りて南麻布のマンションに帰った柊は、集合ポストを確認してからエ…

飛騨俊吾
5日前
7

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 5

 二宮駅から上野東京ライン上りの最終電車に乗った。  これは悪夢ではないのかと自分に問い…

飛騨俊吾
6日前
7

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 4

2  午前一時前。二橋の交差点から仙台坂に入ったタクシーの中で、柊はスマートフォンに残る…

飛騨俊吾
6日前
6

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 3

 高層ビルが日比谷通りに長い影を落とす午後六時半過ぎ、柊は港区三田の日本黎明出版社に戻っ…

飛騨俊吾
7日前
8

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 2

 JR熱海駅に降り立つとすっかり雲が消え、夏空が広がっていた。  柊は駅前広場の日常的な…

飛騨俊吾
7日前
9

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 1

1  となりの有栖川宮記念公園の森から不如帰の啼く声が聞こえるのは決まって午前三時過ぎの…

飛騨俊吾
8日前
10

【短編小説】 素敵な雨のはずなのに 最終話

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