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映画/風景写真/プロ野球 ライター志望の20代男。青森県民。 主に米アカデミー賞の…

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映画/風景写真/プロ野球 ライター志望の20代男。青森県民。 主に米アカデミー賞の分析や予想、 映画のレビューなどを書いています。 インスタで風景写真も載せています。(s94_photos)

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第95回アカデミー賞予想【前編】変わる、アカデミー賞。

2020年9月9日。 アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、2024年度、つまり来年の第96回アカデミー賞から、作品賞の選考において、新たな基準を設けることを発表しました。 詳しくは長くなるので割愛しますが、例えば、『主役または重要な助演俳優に、少なくとも1人、アジア系やラテン系、黒人などの人種または民族的マイノリティーを起用しなければならない』『出演俳優の3割は、女性・少数派の人種/民族、LGBTQ、障がい者のうちの2つのグループの俳優でなければならない』『作品

    • 【映画】無意識に怪物を探すあなたが怪物なのかもしれない。『怪物』レビュー

      "この映画で無意識に怪物を探そうとしている観客のあなたが、一番の怪物なのかもしれない" かねてよりお互いをリスペクトしていたという、『万引き家族』の是枝裕和監督×『花束みたいな恋をした』の脚本・坂元裕二が初めてタッグを組んだ作品。第76回カンヌ国際映画祭にて、脚本賞とベスト・クィア賞を受賞。 【大きな湖のある静かな街の小学校で起きた“事件”。息子がいじめられていると学校に訴えるシングルマザー。生徒への暴言・暴行を告発された若手教師。マニュアル通りの対応で乗り切ろうとする小

      • 【映画】どん底一家のいざこざが多元宇宙を駆け巡る感動物語に。『エブエブ』レビュー

        箸が転ぶだけで笑うことはあっても、まさか岩が転がるだけで泣くことになるなんて。 【ディルドでぶん殴る、お尻の穴に長い棒を挿れる、おばあちゃんがお漏らし、鼻くそ食べる、嘔吐、フルチンの男が下半身丸出しで闘う...。 下ネタだらけのこんなカオスの果てに、シンプルな感動物語が待っている。バカバカしくも壮大な多元宇宙の闘いの原点は、どの家庭にもきっとある、些細な親子喧嘩だったー。】 第95回アカデミー賞で作品賞/監督賞、ミシェル・ヨーがアジア人初の主演女優賞、キー・ホイ・クァンが

        • 第95回アカデミー賞予想【後編】主要6部門の行方と全部門受賞予想

          【第95回アカデミー賞 展望と考察・後編】 「主要6部門の行方と全23部門受賞予想」 執筆:@s94_movies ここ数年で最も受賞予想が難しい、 第95回アカデミー賞。 まずは主要6部門の予想と展望を 2つに分けて載せてみました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆監督賞 まずは最も予想がし易かった部門から。 作品賞大本命『 #エブリシングエブリウェアオールアットワンス 』で独特の世界観を作り上げたダニエル・クワンとダニエル・シャイナー

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          【映画】安易な復讐劇ではない。性被害の残酷なリアルを描く『プロミシング・ヤング・ウーマン』

          カフェで働く元医大生のカサンドラ・トーマス (キャシー)。彼女は“ある理由”から、バーで飲んだくれたフリをしては、自らをお持ち帰りしようとする男どもを"制裁"していた。 そんな中、かつて同じ大学で同級生だったライアンという男と再会し、意気投合する。これを期に"制裁"をやめようとするキャシーだったが...。 この映画のタイトルは、実際に起きたある事件が基になっている。 それは2015年に米国・スタンフォード大学で起きた性暴力事件。 大学構内で開かれたパーティーに参加してい

          【映画】安易な復讐劇ではない。性被害の残酷なリアルを描く『プロミシング・ヤング・ウーマン』

          【Oscars】 A.ライズボローの急浮上ノミネートをアカデミー賞が調査

          今年のアカデミー賞のノミネート発表で 一番のサプライズは、 『To Leslie』という作品で、 宝くじに高額当選→散財して落ちぶれていく女性を演じ、 主演女優賞にノミネートされたイギリスの大ベテラン、 アンドレア・ライズボロー。 アカデミー賞におけるノミネーションは、 ゴールデングローブ賞などの大型映画賞から、 アメリカのあちこちで開催される 比較的小規模な批評家賞までの、 様々な"前哨戦"の結果によって、 おおよそ候補者の顔触れは予想できるものでした。 しかしアンドレ

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          【映画】"歳を取ると若返る"はおまけ要素。1人の男の生涯を静かに辿る『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

          「辛いことがあっても、人との別れがあっても、生きるのが苦しくても、人はなぜ生きていかなければならないのか?」 そんな問いに説得力を持って答えられる映画があるとしたら、この『ベンジャミン・バトン』だと思う。 みんな大好きデヴィッド・フィンチャーが描くのは、歳をとるごとに若返っていく男の、文字通り"数奇な人生"。なのにファンタジー感はまるでない、リアリティのある濃厚な人間ドラマ。 ヒロインのケイト・ブランシェットを始め、これが映画デビュー作のマハーシャラ・アリにタラジ・P・ヘ

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          【Oscars】映画愛vs多様性!第95回アカデミー賞の展望と裏側を紐解く

          1月11日、アメリカ・ロサンゼルスで第80回ゴールデン・グローブ賞授賞式が行われた。 スティーブン・スピルバーグ監督が自身の幼少時代を基に描いた、映画監督を志す青年の成長物語『フェイブルマンズ』がドラマ部門、 アイルランドの孤島を舞台に、親友から突如絶縁を言い渡された理由をひたすら追い続ける中年男性の姿をシュールに描き出した『イニシェリン島の精霊』がコメディ/ミュージカル部門で、それぞれ作品賞を受賞した。 『フェイブルマンズ』は、「ROMA/ローマ」(2018)、「ベルフ

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          【映画】障がい者を一切美化せずに描き切った『コーダ あいのうた』

          海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。(映画.comより抜粋) きっと、観た人全員が幸せにな

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          【Oscars】出演俳優が後にオスカーを獲得しまくっている映画を知っていますか?

          今回のアカデミー賞主演女優賞の座は、『スペンサー ダイアナの決意』で故・ダイアナ妃を演じたクリステン・スチュワートで間違いない、はずでした。つい最近までは。 盤石と思われた彼女のオスカー獲得に暗雲が立ち込めたのは、今年の1月9日に行われたゴールデン・グローブ賞。オスカーに向けてまずは手堅く1つ、と思われていたドラマ部門主演女優賞で、まさかの受賞ならずという結果に終わったのです。 代わって受賞したのは、ほとんどノーマークだった『愛すべき夫妻の秘密』のニコール・キッドマン。そ

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          【映画】"声"と"聲"の姿を真正面から描いた傑作映画『聲の形』

          “君に、生きるのを手伝ってほしいー。” 小学6年生の石田将也は、転校してきた聴覚障害を持つ西宮硝子に好奇心を持ち、いじめを行ってしまう。それが原因でやがて硝子は転校してしまい、一転して将也は周囲からいじめられる状態に陥る。 その後、将也は自分のした行為への罰として誰とも接さない孤独な学生生活を選び、人に心を開く・人と目を合わす事さえ止め、暗く陰鬱とした日々を過ごしていた。希望など無く、ただ過去の贖罪のために生きていた将也は、やがて、硝子と5年ぶりに再会するが...。 これ

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          【Oscars】多様性の波はどこまで?第94回アカデミー賞主要6部門ノミネート徹底予想‼︎

          今年から作品賞候補が10作品に固定された、 米アカデミー賞。 "その年、最も優れた映画を決める賞"だった映画の祭典『アカデミー賞』は、ここ数年でその姿が大きく変わりつつある。 『Oscars So White』での白人"優遇"問題。 『#MeToo #TimesUp』での相次いだ性犯罪告発。 再来年の第96回から適用される、 『❶主要な出演者に黒人やアジア人などの人種/民族的マイノリティを少なくとも1人、 ❷主役以外の出演者と製作スタッフ、配給会社やマーケティングの幹部

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