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知らない街の誰かの物語

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2駅でさっと読み終えて、7駅分引き摺ってしまう。 夜眠りにつく前に読んで、朝まで眠れなくなるような物語を集めました。 これは、あなたの知らない誰かの物語。 *こちらは全て僕では…
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#友人

遠くまで行く君に

遠くまで行く君に

物心ついた時から、いわゆる『女性らしい』部分が私には欠如してた。

例えば、目を大きくすることに必死になることだとか、前髪が揃っていないだけで落ち込むこととか。
感度の高い空気読み観測器みたいなのが、その人たちの中には内製されていてその場のヒエラルキーにあった立ち回りが身についている感じとか。小さい頃から自分の益になりそうな人を見つける嗅覚だけは鋭くて、上目遣いとか距離の詰め方とかを駆使して自分の

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最愛の友人が明日、結婚する

最愛の友人が明日、結婚する

なにか1つ法律が追加できるのなら
「〇〇歳になっても、1人だったら結婚しよう」
なんて気軽に口にする男を裁ける法がほしい。

そう言って、残していたコーヒーを啜った彼女は明日、結婚する。

飽き性の彼女と夢半ばのアーティスト

大阪駅の中央南口を出てすぐのところには路上アーティストの集まる場所があった。毎日のごとく夢みるアーティストの卵がその場所を訪れては数ヶ月もしないうちに消えていった。
あの夜

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