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龍神物語⑥:巫女と白龍
白龍はそのまま都へと飛んでいった。
突然現われた白龍に都に住む人々は驚愕した。
「な、なんだ!龍が現われたぞ!」
「おそろしや・・・おそろしや!」
白龍は人々が慌てふためく中
体内から伊左衛門と惣兵衛の亡骸を吐き出した。
ひゃああああー!
吐き出された二人の亡骸をみて
人々は恐怖におののき、三々五々と逃げ出した。
白龍はそのまま飛び去って行った。
タカの村では村人たちが
亡くなった人たち
『龍と私と彼女の話 最終話』
私たちは諏訪湖の観光を楽しむことにした。
昨日のオーガニックカフェも良かったけど
今日は遊覧船に乗ってみたりと
思う存分、諏訪湖の良さを満喫した。
夜。
食事も終わり
またもや朱金と一緒に三人(?)で温泉に入り
身体をほぐしていた。
朱金は氣持ちよさそうに露天風呂で泳ぐ。
こらこら、温泉で泳いじゃいけないんですよ~。
なんて、龍は関係ないか(笑)
「はぁ~・・・・
いよいよ明日は東京へ
『龍と私と彼女の話 その14』
秋宮と春宮はそんなに離れていなかった。
こちらの社殿は秋宮よりも1年早く着工したのだけど
宮大工の意向がふんだんに取り入れられた社殿の作りは
秋宮と変わらず美しく荘厳で
見応えもバツグンだった。
「ここの注連縄も大きくて立派だね~!」
私は感嘆の声をもらした。
「秋宮もそうだけど、春宮も出雲大社の注連縄と
同じ作り方になってるらしいわよ」
さすが、沙織はそういう事情には詳しい。
そして
『龍と私と彼女の話 その13』
目が覚めるとまだ薄暗く日の出前の時間のようだった。
沙織はまだ寝ている。
どうしよう。
起こして一緒に温泉に入りにいこうか?
と思ったけど
そのまま寝かせておこう。
私はそっと部屋を出て
まだ誰も入っていない露天風呂に
ひとり優雅に浸っていた。
昨日のことが
まるで夢のように感じられる。
いや、夢じゃないのはわかってるけど
まさか私にこんなことが起きるなんて
一ヶ月前には想像もしていなかった。
『龍と私と彼女の話 その12』
沙織の言葉はさらに続いた。
「もうあなたは、あなたの好きなように
生きていって欲しいのです。
水の神としてこの地に残るよりも
あなたの生れた龍の国へ行く方が良いのではありませんか?」
龍は沙織の言葉の意味をくみ取ったようだ。
やがて
『私の命はもう尽きかけている。
もうこの地に留まる力すら残ってはいない。
龍の国へ帰ろう。
そしてもう一度、そのままの私で生きることにしよう。』
「そうして
『龍と私と彼女の話 その11』
本殿の裏に回ると
私たちは道の無い山を登り始めた。
落ち葉に足を取られて
滑って転びそうになりながらも
なんとか登っている。
20分ほど登っただろうか。
結構上に来たと思ったけど
振り返ると最初の地点から
そんなに離れてはいない。
「ふぅ~、ねぇ、まだ登るのかな」
私は日頃の運動不足が祟ってか
息を切らしながら、沙織に聞いた。
沙織は山の上を見ながら
「うーん。たぶんもうすぐだと思う。
『龍と私と彼女の話 その10』
スマホで調べてみると
M神社はすぐに見つけられた。
しかもそんなに遠くない。
私たちは準備してあったお供え物を
もう一度確認してM神社へ向った。
いよいよだわ。
いったい何が始まるんだろう。
ちょっと怖い氣もする.
でも沙織とふたりならきっと上手く行く!
「そうは言うけどね」
沙織は私の氣合いに水を差すように言った。
「え?何?何か問題でもあるの?」
私は不安になって聞いてみた。
『龍と私と彼女の話 その9』
「お疲れ様でーす」
「お先に失礼しまーす」
会社の仕事を定時に終えて
私と沙織はそのまま真っ直ぐ自宅に戻り
2泊3日の旅の支度を整えて合流した。
いよいよ連休に入った。
明日から2泊3日の予定で
諏訪湖へ行くのだ。
いったいどんな出来事が起きるのか
まったく想像も付かないけど
きっと何とかなるんじゃないか。
そんな氣もしている。
なんたって、沙織が一緒にいるからね!
「ちょっとちょっと!
『龍と私の彼女の話 その8』
「琴音、これからロープウェイに乗るわよ」
沙織はいったん駐車場へ戻り
車に荷物を置いて
ロープウェイ乗り場へ向った。
たしかこの山の上には箱根元宮神社があるって言ってたっけ。
でもなんで?
「さっき、芦ノ湖で龍神さまがやってきて
ちょっと頼まれごとをしたんだけど
そのために上の神さまにお伺いしたいことがあるのよ」
そういえば九頭龍神社本宮へ向うとき
芦ノ湖の主が来たって言ってたよね。
いった
『私と龍と彼女の話 その7』
『よく来たな。
己の使命を受け入れたその覚悟。
しかと見届けたぞ』
私はどう答えていいかわからず
ただ唖然と龍を見つめた。
あれはやっぱり夢じゃなかったんだ。
私、龍が視えるようになっちゃったんだ。
「琴音。
ここから先は私が話をしていくけど
分からないことがあったり質問したいことがあるときは
琴音から聞いてみたらいいよ」
「う、うん。お願い」
「龍さん。おいでくださりありがとうございます