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KIZUNAWA

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#別れ

【小説】KIZUNAWA②          溢れ出た涙の理由

【小説】KIZUNAWA②          溢れ出た涙の理由

 楠太陽(くすのきたいよう)はスタジアムまでの送迎バスの中にいた。本来サッカー部の彼は駅伝部の応援スタッフとして最終中継所まで走って来た同級生の雅人を迎え入れ、襷を引き継いだ航平のジャージや私物を集めてゴールまで運ぶのが仕事だった。
雅人は、区間新記録をたたき出し、襷を繋ぎ終えた安堵感からか隣の席で静かな寝息を立てている。
太陽は雅人に自分のジャージを掛けると車窓から見えるスタジアムに目をやった

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【小説】KIZUNAWA③        誓いの葬列

【小説】KIZUNAWA③        誓いの葬列

誓いの葬列

 翌日の日曜日、太陽は練習に向かう途中、茉梨子の家に寄った。「心配かけてごめんね」茉梨子の母親は恐縮して言った。
「昨日から部屋に閉じ籠ってしまい、ご飯も食べないのよ」本当に心配している様子だ。
(今、家の前にいる)
太陽はM・ラインを送ったが既読にはならない。
(飯ぐらい食べないと駄目だぞ)
既読にはならない。
(また帰りに寄るから)
やはり既読にはならない。
太陽は茉梨子の母親

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【小説】KIZUNAWA④        繋げ俺たちの絆輪

【小説】KIZUNAWA④        繋げ俺たちの絆輪

 翌日の告別式は駅伝部とサッカー部、同級生は公休扱いで出席が許された。昌福寺住職の読経後、鎌田先輩の若い死に対して説教が述べられた。川島は今日も立っていられなかった。
 進行役の方が低くて静かな声でゆっくりと語り掛けた。
「最後のお別れです。どうか故人に持って行って頂きたい物がありましたら棺にお納め下さい。特にお手持ちのない方は、お配りいたしました生花を故人にお納め下さい」
航平の思い出の品が次々

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