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『ロバート・ツルッパゲとの対話』

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写真家ワタナベアニさんの著書『ロバート・ツルッパゲとの対話』の感想を編んだマガジンです。 『ロバートとベートーヴェンとの対話』を運営するサークルがピックアップしております。担当は… もっと読む
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#エッセイ

「自分じゃなければ」を積み重ねよう

実に斬新です。 ↓が文庫ランキング3位に入る店はここだけでしょう。私も2年前に単行本を青山ブックセンターで購入し、2回読みました。公のために必要な名著に光を当て、なおかつ利益を生み出せる点が素晴らしい。数字が正義ではありませんが、それでも商売は売ってナンボです。 総合年間ランキング4位、ビジネス書ランキング2位の↓も、青山ブックセンターで存在を知り、衝動買いしました。私が定点観測している大型書店ではいい場所に置かれていません。こういう本を見出し、紹介し、ロングセラーにして

「知らんけど」と「ロバート」の教え

元々は関西弁だったんですね。 私は「知らんけど」に冷たい響きを感じます。責任は取れないよ、何かあっても俺のせいにするなよ、と。でも関西の人にとっては、そこまで重いニュアンスを伝える語彙ではないのかもしれない。 私が「知らんけど」について考えるきっかけになったのは、2年前に発売されたこちらの本。帯の表紙側に「君たちに足りないのは哲学だよ。知らんけど」とだけ書かれていたのです。 もちろんその前から言葉自体は知っていました。会話や文章の中で用いることもあったはず。でも↑を青山

考えること、と書くことについて。

どこかが弱っているとき、つまりふだんの生活からいったん立ち止まらざるを得なくなったとき、ぐるぐると人生について考えてしまう。 5ヶ月前、足首を骨折したときも、そう。 めぐりめぐって行き着いたのが、このnoteでした。 自分の考えていることを、何からどう文章にしていいかわからず打ちのめされたけど、気付けば4か月近くも続いていました。 昨日は一日中、寝たり起きたりしながら、図書館で借りていた『ロバート・ツルッパゲとの対話』(ワタナベアニ著)を、結局一気に読み終えてしまった。

コーヒーと本と私の仕事。

私の職場は、たぶん皆さまのお近くにもあるだろう、コーヒー屋です。 ただの職場、というには簡単すぎるかも。 私の生活、さらには人格にまでに関わる居場所と言ってもいいくらい。 今朝起きて、ベッドの横に置いてずいぶん前からちびちび読んでいる『ちょっと本屋に行ってくる』(藤田雅史著)の続きを開く。 そこに、ゲラチェックをする場所として登場していて、その内容にうれしくなりました。 たとえばこのnoteの中でも、なんとなく読ませていただいた記事の中に、思いがけず登場すると、にんまり

くま読書 ロバート・ツルッパゲとの対話

ワタナベアニさんを知ったきっかけはおそらく幡野さん経由だったと思う。 国内外で活躍を続ける写真家・アートディレクターのワタナベアニ氏による初著書。海外と国内とを行き来する著者による、この国の「哲学」について。「自分がしたいことを考えず、与えられたことだけをこなして自分を騙してしまう。これが哲学の不在です」と、著者はそう語ります。私達はいま、自分に正直に生きているでしょうか。“大人の幼稚さを通過して、もう一度純粋な子どもの目を取り戻"したい、そんなあなたへこの本を贈ります。哲

読書感想文:ロバート・ツルッパゲとの対話(再読)

本当は3月に読んだ。 思ったことを書きたかったけど言葉が追いつかず。 そして先日もう一度読み返して、ようやく追いついた。と思いたい。 ** 初読のときは、自分の浅さだったり頭の使ってなさを徹底的に思い知らされて、イタタターーーってなったけど、2回目読んだらむしろその刺され具合が心地良くなって、もっと言ってくれ!!ってなる。 そんな、ドMになれる本(だと勝手に思っています)。 自分の思考や世界に対する認識、自分が持つ哲学をこれでもかってぐらい徹底的に言語化されている

どくしょ

職場近くの広場にて 読みかけの太宰の「斜陽」からの ワタナベアニの「ロバート・ツルッパゲとの対話」 酒を呑みながら一気に二冊を通読 まったく毛色が違うモノを摂取することはちゃんぽんと言うべきか ミックスピザと言うべきか 檸檬堂を呑みながら読んでいたせいもあるが 斜陽でドン底に叩き落された後のロバート・ツルッパゲは心地が良い 一人きりなのに大声で笑わせてもらった 心のヒダのような部分をくすぐられるかのような くすぐったさと痒い所と掻くような爽快感を味わう内に あっという間に日が

雨の中のバラ☂️

今日は久しぶりの雨で、私は外に出るのが億劫でしたが、バラにとってはきっと恵みの雨だなぁと思いました。最近バラが水不足になっていたから。 今日はさすがに散歩の人も花見の人もほとんどいませんでした。 鳩が私に近づいてきました!この辺りの鳩や雀はまったく逃げません。 私が敵じゃないとわかっているのかな。 今日は、ワタナベアニさんの『ロバート・ツルッパゲとの対話』を読み始めました!面白くて、メモを取りながらズンズン読んでいます。途中まで読んで、「それにしてもロバート・ツルッパゲさ

今朝もバラは綺麗だった🌹

今日もテレワークだったので、朝公園に散歩に行きました。朝の公園はさわやかでいいな、と思っていたのですが、今日はどこかの団体さんが大騒ぎして歌っていて、異様な雰囲気が漂っていました。私は写真だけ撮って静かに後ずさりして帰ってきました。 今日休憩中にTwitterを見ていたら、マリナ油森さんがワタナベアニさんのnoteをシェアされていたので、読んでみようと思って読みました。 note本文からの引用です↓ 『ロバート・ツルッパゲとの対話』では、自分が自分として振る舞う以外の問

Zoomのエチュード

サークル『教養のエチュードしよう』のメンバーとZoomのエチュード(※語呂を合わせて「ズーム―のエチュード」と読んでみてください)してみました。 いつもnoteやtwitterでやりとりしているメンバーの顔が画面に並び、それを見てみんなの顔がほころんでいく。その様子を見るのはとても楽しい体験でした。それぞれの近況やnoteの感想を顔を見て、声で伝え合う。「素敵だなぁ」と思ったのは、みんな相手の言葉に耳を傾ける人で。「ああ、だから人の文章が読める人たちなんだ」と改めて感心しま

それでも声が届かない人に気がついた

このところ以前と比べて格段に読書量が増えた。 書籍だけではなくネットの記事やエッセイにも目を通すことが多くなった。 半分くらいは仕事にも活かそうと選んでいる医療関係の本だが、生きていくうえで力を与えてくれたり背中を押してくれそうな本も積極的に手にとるようになった。 ☆急に具合が悪くなる   宮野真生子 磯野真穂 著 ☆だから僕は、ググらない。   浅生鴨 著 ☆ロバート・ツルッパゲとの対話   ワタナベアニ 著 ☆なんで僕に聞くんだろう。   幡野広志 著 どれも考

「止まった時計」であること

ワタナベアニさんのこのつぶやきをみた直後、私は慌てて友人にLINEをした。 「こないだご馳走してもらったから、お礼に贈らせて欲しいの。仕事忙しいだろうけど、これ読んで欲しいんだ。」そう綴った。 了承を得て住所を聞き、私は「支払いを確定する」ボタンを押した。 ■□ 2020年2月17日 突然LINE通知のアラームが鳴り、「仕事が終わったらそのまま笠松競馬場へ行く」とその友人から連絡があった。 「え?明日?」 「2月は減産で連休になったんだ。1人で行動できる連休は、今年

「マニュアル」についての諸相

「マニュアル」という言葉で,読者は何を連想するだろうか。 (1) 作業の手順書 (2) 接客のための決まりごと (3) 取り扱い説明書 (1) では,「マニュアル通りにやりなさい」とよく言われるだろうし,(2) では,逆に「マニュアル通りではだめだ」と言ったりする。(3) では,「マニュアルがないからわからない」ということがよくある。 (1) と(2) は似たようなものである。(2) は接客の手順書なのだから。しかし,手順書は接客とは限らないので分けておいた。 ロバート

机の上でスタンバイ

机の上が散らかっている。 本が1,2,3,4……8冊置かれている。ノートが1冊と情報カードというメモに使うカードが一束。エアコンのリモコン、iPad、色鉛筆、財布、あと石鹸。綿棒、便箋。いろいろなものが置かれたまま放置されている。帰ってきたら財布を机に置き、本を読んだあとそのまま置き、そんなことを繰り返した結果、この有様である。もはや筆記作業に適した空間はなく「置き場」としての机だ。 その中でも「ロバート・ツルッパゲとの対話」という本が目を引く。外国の、おじいさんというほ