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『ロバート・ツルッパゲとの対話』

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写真家ワタナベアニさんの著書『ロバート・ツルッパゲとの対話』の感想を編んだマガジンです。 『ロバートとベートーヴェンとの対話』を運営するサークルがピックアップしております。担当は…
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#読書感想文

本当の哲学をはじめよう

「哲学」って何だろう。 と仕入れた知識の断片を、見本市みたいに並べて披歴するのが「哲学」ではない。 哲学はもっとシンプルで、かんたんな問いから始まる。 これに尽きる。 『ロバート・ツルッパゲとの対話』は、哲学の本である。 これを書いたのはワタナベアニさんという方であり、以下「アニさん」と勝手に親しみを込めて書く。 一度だけしかお会いしたことがない方だけど、「ワタナベさん」だとなんとなく違和感があるので、下の名前で呼ばせていただく。 アニさんは写真家であり、哲学者

「知らんけど」と「ロバート」の教え

元々は関西弁だったんですね。 私は「知らんけど」に冷たい響きを感じます。責任は取れないよ、何かあっても俺のせいにするなよ、と。でも関西の人にとっては、そこまで重いニュアンスを伝える語彙ではないのかもしれない。 私が「知らんけど」について考えるきっかけになったのは、2年前に発売されたこちらの本。帯の表紙側に「君たちに足りないのは哲学だよ。知らんけど」とだけ書かれていたのです。 もちろんその前から言葉自体は知っていました。会話や文章の中で用いることもあったはず。でも↑を青山

耳が痛いけど大切なこと | 『ロバート・ツルッパゲとの対話』

写真家の幡野広志さんが『ロバート・ツルッパゲとの対話』をおすすめされていたので気になって読んでみた。幡野さんいわくこの本を読めば、人との距離感のとり方を学べるのだとか。 下記に印象に残った部分と感想を書いていますが、幡野さんが言っていたことと全然関係ないところを抜粋してます。印象に残った部分がたくさんあって、拾いきれないので今回は2箇所だけ。 大勢の声に紛れていると、自分が必要とされる価値がゼロに近くなる考えるって正直めんどくさい。考えるのが嫌になり、一旦逃避するなんてこ

2020年の3冊

私が2020年に新たに読んだ本の3選です。いろいろ大変だった2020年の読書録として残しておきます。 今年は外出自粛の影響もあり、たくさん本を読んだような気がしていましたが、振り返ってみると新たに読んだ本はそれほど多くありませんでした。むしろ過去に読んだことがあり、気に入っている本を再読することがたびたびありました。先が見通しにくく不安な状況が続く中で、これまでの愛読書を振り返り、何かしら支えになるようなものを見出したかったのかもしれません。そんな中で、今年新たに読んだ本の

くま読書 ロバート・ツルッパゲとの対話

ワタナベアニさんを知ったきっかけはおそらく幡野さん経由だったと思う。 国内外で活躍を続ける写真家・アートディレクターのワタナベアニ氏による初著書。海外と国内とを行き来する著者による、この国の「哲学」について。「自分がしたいことを考えず、与えられたことだけをこなして自分を騙してしまう。これが哲学の不在です」と、著者はそう語ります。私達はいま、自分に正直に生きているでしょうか。“大人の幼稚さを通過して、もう一度純粋な子どもの目を取り戻"したい、そんなあなたへこの本を贈ります。哲

干し柿の段ボール

ワタナベアニさんの本を読んだ。 「買うまで何の本か分からない」本に出会ったのは久しぶりだ。 単行本は、基本的には「何が書いてあるか」「誰が書いているか」で購買を決めるからだ。 私は、小説の感覚で手にした。 ツルッパゲがフィクションだと思っていたからだ。 しかしながら、ワタナベアニさんのこれまで見てきた景色や経験が書かれた、随筆のような感じもした。 ワタナベアニさんの言葉に、背筋がピン、となる。 印象に残っているのは、干し柿のエピソードだ。 私も、友達に「干し柿の段

読書メモ 「ロバート・ツルッパゲとの対話」 ワタナベアニ

【1.概要】27の章に分けられており、それぞれに題名がついています。 その題名に章の最初は少し沿ったり沿わなかったりしながら、アニさんが考えている事やロバートとの対話をを自分の人生の経験を交えながら語ってくれます。 たまによくわからない度 ⭐️⭐️⭐️⭐️ ロバートさんがいると思っていた度 ⭐️⭐️⭐️ 読んでいて少し笑ってしまう度 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 【2.詳細】アニさんの考え方、生きる上での美学、哲学といった、生きる上で大切にしていることや考えていることがまと

読書感想文:ロバート・ツルッパゲとの対話(再読)

本当は3月に読んだ。 思ったことを書きたかったけど言葉が追いつかず。 そして先日もう一度読み返して、ようやく追いついた。と思いたい。 ** 初読のときは、自分の浅さだったり頭の使ってなさを徹底的に思い知らされて、イタタターーーってなったけど、2回目読んだらむしろその刺され具合が心地良くなって、もっと言ってくれ!!ってなる。 そんな、ドMになれる本(だと勝手に思っています)。 自分の思考や世界に対する認識、自分が持つ哲学をこれでもかってぐらい徹底的に言語化されている

ロバート・ツルッパゲとの対話 読了!

思うことが多方面からあるので勝手に箇条書きに書きます。 ・まず第一にこの本が思春期にあれば、自分を見失わずに済んだかもしれない! ・前書き1、2新切り口! ・言い方が悪いので言い直すと言って、更に毒舌になるってーーうすらバカどもってーーー🤣🤣🤣 ・「自分が勧めたくない品物を勧める気持ちの悪さ」に正直になってその場を辞める=魂を売らない価値観最高! ・無知の恥ずかしさ、共感!  ・裸の王様 これいつも世の中を見ていて気になることの一つ。 ブランド物にせよ、高額なもの