sh_ok

岩手→東京。仙台。社会人歴10年目に入った編集職です。日常の出来事や読書などの記録。

sh_ok

岩手→東京。仙台。社会人歴10年目に入った編集職です。日常の出来事や読書などの記録。

最近の記事

終幕と終幕のはざまに

今季、特に気に入った連続ドラマがTBSの金曜22時ドラマ『最愛』と、フジ系列の月曜22時ドラマ『アバランチ』の2作。一昨日の12月17日(金)に『最愛』が完結し、『アバランチ』はあす12月20日(月)に完結する。 『最愛』は吉高由里子主演のラブサスペンス。物語の複雑さと深みもいいが、とにかく俳優陣の演技がすさまじかった。『最愛』の名の通り、主要登場人物たちはそれぞれが最も愛するもののために全力で生きていた。演技に込められた感情が、毎回画面からあふれ出るようだった。 完結の

    • それでも人生は続くのだから

      最近、時薬という言葉についてよく考える。同じ意味で日にち薬という言葉もあるらしい。いずれの言葉も、過去に経験したことが時間の経過によって癒されることを意味している。 時間をかけることによって解決したり、何かが良い方向に向かったりすることは、きっと想像以上にたくさんあるんだろう。 人生は有限だが、限られた時間を生きるなかでも、急ぎ過ぎないことが大事な局面も確かにあるのだと感じる。 ここ半年ほどの間に、それまで年単位で抱えてきたいくつかの心の荷物が、それぞれ収まるべきところ

      • おかえりモネ、東日本大震災から始まってコロナ禍に至る物語という意味では、くどうれいんさんの『氷柱の声』を思い出すところがある。現代劇だからこその現実描写だなと感心する一方、リアリティとかどうでもいいから登場人物全員さっさと幸せになってくれ、という感情も抑えがたくなんとも複雑……。

        • 仕事から帰宅して、録画していた今朝放送の「おかえりモネ」を視聴。この物語、本当にあと15分×2回で終わるのだろうか。なんならあと2か月くらい必要な気がするのだけれど……。語りたいことや、ほかの視聴者の感想を聞きたいことが多すぎる。ラスト2話、しっかり見届けたい。

        • 終幕と終幕のはざまに

        • それでも人生は続くのだから

        • おかえりモネ、東日本大震災から始まってコロナ禍に至る物語という意味では、くどうれいんさんの『氷柱の声』を思い出すところがある。現代劇だからこその現実描写だなと感心する一方、リアリティとかどうでもいいから登場人物全員さっさと幸せになってくれ、という感情も抑えがたくなんとも複雑……。

        • 仕事から帰宅して、録画していた今朝放送の「おかえりモネ」を視聴。この物語、本当にあと15分×2回で終わるのだろうか。なんならあと2か月くらい必要な気がするのだけれど……。語りたいことや、ほかの視聴者の感想を聞きたいことが多すぎる。ラスト2話、しっかり見届けたい。

          備忘録:半年ぶりのオフラインの酒席

          先週の土曜夜は、友人たちと対面でお酒を酌み交わした。直接会っての飲み会は、ざっと半年ぶりくらいだろうか。お酒を飲みながら親しい人たちの話を聞くのはやはり楽しい。まじめな話も笑い話も取り混ぜて様々な話題が飛び交い、あっという間に時間が過ぎた。 1次会でひとしきり盛り上がったあと、参加者の大半と別れ、友人と2人で2次会に流れた。少し前に彼から「君は自分のことをあまり話さない」と指摘され、確かにそれはその通りかもしれないなと思った。 付き合いもそれなりに長くなり、お互いに信頼関

          備忘録:半年ぶりのオフラインの酒席

          ダリアとゴッホ展と原田マハ

          上野の東京都美術館で開催中のゴッホ展を見学に行こうと思い立ったものの、冷静に考えてみると自分はゴッホについてほとんど何も知らないことに気付いた。知識として覚えているのは、「ひまわり」などの主な代表作と、生前は世間的にあまり認められず道半ばで夭折したことくらいだろうか。 ところで数日前に上野東照宮を参拝したところ、敷地内のぼたん苑ではダリアの特別祭典が開催中だった。気まぐれに見学してみたところ、花々が事前の想像以上に彩り鮮やかでびっくりしてしまった。 ダリアをあしらった限定

          ダリアとゴッホ展と原田マハ

          多様性の時代だからこそ、誰かの靴を履いてみる/『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

          周回遅れもいいところかもしれないが、『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ)を読み終えた。この本が刊行されたのは2019年6月。当時から話題になっていたのは知っていたものの、私が購入したのは発売から1年後の昨年夏。そこからさらに1年以上積読にしてしまっていた。最近この本が文庫化され、さらに続編も出版されていることに気付き、遅ればせながらページをめくった。 読み始めたらとにかく面白く読みやすく、あっという間に読了した。そしてこの本の中に、最近あれこれ考

          多様性の時代だからこそ、誰かの靴を履いてみる/『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

          ここ1か月ほど、どうにも本調子じゃないな……と思いながら原因がわからず困っていた。昨日と今日ではっきり原因が分かった。欠けていたのは青空と日光と風。気持ちのいい青空の下、本を読んだりただ歩いたり川風を感じたり。ただそれだけでたいぶ回復した。やっぱり青空はいい。

          ここ1か月ほど、どうにも本調子じゃないな……と思いながら原因がわからず困っていた。昨日と今日ではっきり原因が分かった。欠けていたのは青空と日光と風。気持ちのいい青空の下、本を読んだりただ歩いたり川風を感じたり。ただそれだけでたいぶ回復した。やっぱり青空はいい。

          現代人なんだから、話し合おう/谷口菜津子『今夜すきやきだよ』

          飲食を題材にした漫画を読むのが大好きなので、それらしい漫画を書店で見かけると、つい購入してしまいがちだ。『今夜すきやきだよ』(谷口菜津子)はタイトルに惹かれて購入した。タイトルと表紙から、漠然と自炊&宅飲み漫画かなーと想像していたが、実際に読んでみたら想像とはだいぶ違う内容だった。 しかし、最近考えていたことと近いテーマが扱われていて、不思議な縁を感じてしまった。 対照的なアラサー女性2人による共同生活『今夜すきやきだよ』はアラサーの女性2人の共同生活を描く。料理をはじめ

          現代人なんだから、話し合おう/谷口菜津子『今夜すきやきだよ』

          新たな時代の家族のかたち/『#家族募集します』

          TBSの金曜ドラマ『#家族募集します』がとても素晴らしい、素敵で面白い、という話をします。 今週は週明け早々、メンタルをガリガリ削られる事案が続けて起こり、ストレスが一気に最高潮に達してしまった。 なんとか対処し、ストレスを解消するための個人的なルーティーンをこなし、一息つけた。しかし依然として、追加で一発いいパンチをもらえばダウンしそうな状態だったため、お気に入りのフィクションに触れてメンタルを落ち着けようとした。 とはいえ、触れることでメンタルに負荷がかかるような作

          新たな時代の家族のかたち/『#家族募集します』

          手紙に託す大切な人への想い/小川糸『ツバキ文具店』

          小説や漫画、ドラマに映画。親しい人や信頼する人がおすすめしてくれた作品には、できる限り触れてみるようにしている。そうした人たちがお気に入りとして推薦してくれる作品は、好みの違いはあれど面白い可能性が高いし、もし自分の好みに合う作品に出合えたなら幸せなことだ。 『ツバキ文具店』(小川糸)は年上の読書家がおすすめしてくれた小説。購入してしばらく積んでいたが、ふと読み始めたところ、物語世界が心地よくあっという間に読み終えてしまった。小川糸さんの作品は初めて読んだが、とてもよかった

          手紙に託す大切な人への想い/小川糸『ツバキ文具店』

          文章がここへ連れてきた

          本業も副業も、同郷の仲間との有志活動も、やっていることはすべて編集・ライター。ほとんど毎日のように、誰かに取材したり、自ら原稿を書いたり、誰かが書いてくれた原稿を読ませてもらったりしている。基本的には楽しい毎日だが、自宅や喫茶店で原稿作業をしていると、休憩時などにふと「どうしてこうなった?」との思いが頭をよぎることがある。 これはネガティブな感情ではなく、「自分の人生、全然予想していなかった方向に転がっていってるな」というおかしさから来ている。ようやく10年目に入った社会人

          文章がここへ連れてきた

          それなりに悪くない生活なんじゃないか

          少し前、noteから「6か月連続更新おめでとう!」というようなバッジをもらった。noteを定期的に触り始めたのが今年の3月だから、確かに気付けば半年近くが経っていることになる。この半年間は公私ともにそれなりに密度の濃い時間だったが、それでもあっという間に感じる。 必要がありアカウントを作ったのが昨年の暮れ。それから年明けにかけていくつか記事を書いてみたものの、正直自分にはあまりなじまないかなと思っていた。転機は今年の春先の転居。新たな環境でしばらく暮らすうちに、心身の調子や

          それなりに悪くない生活なんじゃないか

          「命を救う」職業人たちの誇りと執念/『TOKYO MER 走る緊急救命室』

          今季もいくつかのドラマを追いかけている。毎週楽しみに視聴していた大河ドラマ『青天を衝け!』は東京五輪に伴いお休みしているものの、それでも日曜の夜が毎週待ち遠しい。日曜劇場『TOKYO MER 走る緊急救命室』がとても面白いからだ。 「すべての命を救う」機動部隊的な救命医療チーム東京都知事・赤塚(演:石田ゆり子)の特命を受けて設立された救命医療チーム「TOKYO MER」。その使命は事故や事件、災害の現場にオペ室を備えた車両「ERカー」で急行し、その場で緊急手術を行うことで1

          「命を救う」職業人たちの誇りと執念/『TOKYO MER 走る緊急救命室』

          幸せを受け取るためにも、少しでも元気に/水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』

          素敵な漫画に出会った。水凪トリ著『しあわせは食べて寝て待て』。書店で偶然手に取った。いままさにこんな物語が読みたかった、という本だった。 日常の薬膳料理を巡る物語主人公の麦巻さとこは38歳の独身女性。一般企業でバリバリ働いていたが、「一生付き合わなければいけない病気」になってしまう。休職を経て一時は復帰したものの思うように仕事をこなせず、職場での軋轢もあり退職。体調と相談しつつ、週に4日間だけパートとして小さな会社で働いている。 転職に伴って収入が落ちたことから節約のため

          幸せを受け取るためにも、少しでも元気に/水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』

          人生がマイボールになっているか/くどうれいん『氷柱の声』

          盛岡在住の歌人・作家のくどうれいんさんの初小説『氷柱の声』を先週末に読み終えた。何か感想を書こうと思いつつ、まとまらないままに1週間が過ぎてしまった。読了後の余韻が去らないうちに、まとまらないなりに何か残しておきたい。読書感想文というよりは、この本を読んで自分の中からあふれ出してきたことを、備忘のために記録しておく。 東日本大震災後の10年間物語は東日本大震災の直後から始まる。主人公は、岩手県内陸の盛岡に暮らす高校生の伊智花。『氷柱の声』は岩手県出身の伊智花の視点から、震災

          人生がマイボールになっているか/くどうれいん『氷柱の声』