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Jリーグの通訳が通訳以上の存在になるために出来る仕事術

こんにちは。
Jリーグでポルトガル語通訳として活動する事もある平安山(へんざん)です。

今回はJリーグの通訳が通訳以上に活躍するために私が実際にやっている戦略をご紹介したいと思います。
語学力を上げる事やボール拾い等雑務も頑張る事や人間性なども勿論スーパー ウルトラ グレート大事なのですが、簡単に思い付く事だけでなく、ここではチームに貢献して自分もどう活躍していくのかの戦略的なノウハウを具体的にご紹介したいと思います。

実際に年俸が数百万円上がるオファーも頂いたノウハウなので今回は近いうちに有料にさせてください。


●クラブの未来のための資料を作ってコーチ陣から一目置かれる

僕はサッカー指導者出身という事もあって、海外の資料を翻訳してクラブに提供しています。

サッカーの実力自体はプロに及ばないので、短絡的に「プレーが上手い=良い指導者」という色々省いた計算でいくと僕はまだまだ発展途上の指導者です。

プレー面だけで言うと元日本代表選手だった様な指導者達には及びませんが、それでも通訳を務める僕の語学力は多くの選手より一日の長があります。

また、語学が出来る選手であった場合でもパソコンは苦手だったり、そもそも学術的な事にはあまり興味を持てません。

そんな時に僕が語学力を活かして他の指導者に貢献しようとしている事は、海外クラブなど海外の資料や情報を日本語に翻訳して日本人指導者に提供する事

これは他の指導者陣からもなかなか評判は悪くないと感じます。
僕は通訳であってもう指導はしていないのにも関わらず、です。

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(写真:ポルトガルサッカー協会がポルトガル国内向けに出している年代別育成目標指針)

このポルトガルの資料はネットで探せばポルトガル協会が公開しているので誰でもアクセス出来ますが、普通の日本人はそもそも読めないし探しません。

この資料は現在日本で流行っている"プレーモデル"の作成に役立てるために僕が翻訳し、知人の指導者に参考にしていただきました。

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また、過去に南米クラブにお世話になっていたので、その時の経験や知識を講演会として還元しています。

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これは実際に海外クラブにいないと難しいかも知れませんが、例えばYouTubeなどからグアルディオラ監督のインタビュー動画などを探して翻訳すれば、それもチームの指導者達への貢献になります。

JリーグのTOPクラスの指導者にとって、平安山の指導論は興味ないかも知れませんが、グアルディオラ監督の指導論なら興味あるのではないでしょうか。笑

戦術系でなくても、戦術のモチベーション上げるために依頼された翻訳がこの動画。

ラージョ・パジェカーノのパコ・ハメス監督が選手を奮い立たせるためのミーティングです。

他の指導者や育成部長などと話して、欲しい資料のリクエストを聞いたりして資料を作っていけば、指導者への貢献も出来ますし、あなた自身にも指導者の道も開くかも知れません。



●フロント向けにも貢献する方法

通訳の語学力はフロントにも活かせます。

僕は将来的にGMや社長になりたいので、幅広い知識と経験が必要で、その意味ではサッカー部門だけでなくフロントにも関わる様にしています。

実質的なフロントとしての能力はどうしても実際のフロント業務を長年している方に及ばないのかも知れませんが、ここでも語学力があれば海外の情報を持ってこれるという点で貢献出来ます。

例えばブラジルのコリンチャンスは、試合の時のトイレやグッズ売り場、フード売り場に試合状況を流すテレビを設置した事で、ハーフタイム以外にも席を離れ易くなっており、ハーフタイムのあの混雑を緩和しています。

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フード売り場やグッズ売り場が混雑していて買う気が無くなったお客様がいるとクラブの収益としてもダメージですが、時間を分散させればある程度緩和になります。
また、仮にハーフタイムに並んで買うとしても、ただ並んでいるだけなのとテレビで暇つぶしがあるのとでも心理的負荷が変わってきます。

試合後にテレビを見ながらグッズ売り場の滞留時間を増やす事もよりグッズ販売を促進する要因になります。

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例えば「ECバイーアはVIPルームでLiveをしてサッカー好き以外も来やすくしている、子供を預けられるゾーンがあるのでお子様を連れて来易い、コリンチャンスには風呂に入りながら試合観戦出来る席がある、アヴァイーは商談エリアがある」こういったアイデアやデータはJリーグの経験あるフロントもなかなか手に入れられないので、存在感を発揮出来るでしょう。

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画像:キッズスペースの一部

スタジアムVIPルーム内Live

海外のニュースなどから面白そう、役立ちそうな記事があったら分かり易く要点だけ絞って提出してみる、など良いかも知れませんね。

直接提出するのが億劫な場合は、Twitterやインスタにちょろっと投稿してみるのを続けているとフロントの方もその内目にする機会が出てくるので、そこから話を広げられるかも知れません。



●広報やマーケティングに貢献するには?

海外の情報を取ってくるという点では同じですが、具体的には?という所で僕のやり方をご紹介します。

ズバリ、海外クラブのSNS活用法を紹介する事です。

実際にSNSマーケティングとかはある程度の知識と経験がないと出来ませんし、素人が失敗して炎上しても良くないですが、こういった紹介だけなら海外クラブのSNS見るだけですので簡単です。

僕の記事は公開する用なのでもう少しまとめてありますが、社内の仲間に紹介するだけなら全然軽いまとめ方でも大丈夫ではないでしょうか。



●ブログを作って売上に貢献するには?

広報やマーケティングに関わりますが、クラブの外国語版アカウントを作ったり、チケットの買い方など訳したブログ作っておけば検索された時に外国人サポーターに便利じゃないですか?と掛け合ってみても良いのではないでしょうか。
外国人からすると検索した時にチケットや場所を説明したブログが1つあるのかどうかだけでも相当スタジアムへ行くかどうかのハードルの高さは変わってくるはずです。

サポーターの満足度を上げるために、応援歌の外国語バージョンを作るのも面白いですね。




●首脳陣に貢献する

僕はそもそも強化部なので、語学には関係ない給料や契約・選手・成績に関するデータ作成や管理の仕事もしています。

しかしここでは"通訳として"どう貢献するかという話をしましょう。

クラブにも寄りますが、ビザの取得や在留期間更新、家の手続き、航空券の手配、選手獲得などなどは通訳と強化部とで協力して仕事を進めていくのではないでしょうか?

その協力していく仕事の割合を、通訳が少し多めに請け負うと、強化部を楽にしてあげる事が出来ます。

強化部がクラブの首脳なので、ここをサポート出来ると結局は色々自分も楽になります。
また、強化部の仕事を覚えていければ将来的に強化部に入閣できる可能性も出てきますね。

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僕はFC琉球での通訳1年目の頃はブラジル人のビザの手続きの難しい書面や契約書が関わるミスが許されない所は強化部に任せて、その時に必要な通訳や入国管理局までの送迎を僕が担当する形でした。
1年目でどんな書類が必要かも分からないので、強化部に言われた書類のリストを翻訳してブラジル人に持って来てと伝える、ただそれだけです。

ただそれもやっているとどんな書類が必要かはなんとなく分かってきますね。

そこで契約書の内容を知ってしまっても絶対に公言せず守秘義務を貫けるか、通訳以上に頑張りたいというやる気を見せれるか、人間としての信頼を勝ち取れれば、次第に契約書も見せて貰って手続きも教えて貰えます。

ビザや航空券、家の手続きなどは、失敗すると大きな金銭的損失を生む可能性もあるので、1年目の若手通訳には簡単には任されないと思います。

少しずつ信頼とやる気を評価された先に回ってくる仕事でしょう。

重要事を任せて頂くにはまだ時間がかかる段階であれば、練習生や代理人の送迎などをするだけでも強化部の助けになり、信頼に繋がっていきます。

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●通訳能力とは関係ないが貢献出来る仕事

通訳以外、語学力は関係ない仕事でチームに貢献する方法を考えましょう。

実際に僕がやっているのは寮の管理です。

選手の食事率を見たり、寮の清掃当番の監督、備品が壊れた時の修理の手配など。

僕はしていませんが、その代わり寮費を安くして貰うなどクラブと交渉してみても良いのかも知れませんね。

通訳は基本誰かのサポートという仕事ですが、寮長や清掃の班長は管理する側なので、マネジメントの勉強にもなります。
雑務の様に感じるかも知れませんが、将来出世したいなら1つの段階として経験しておいて良いと思います。

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●通訳兼強化部になったら

強化部専属になったら強化部の仕事をしたら良いですが、通訳との兼任や強化部の中の国際担当という立場であれば、そこでも通訳経験を活かす事が出来ます。

私は1年目はブラジル人通訳から、2年目に強化部兼任となり、ブラジル人の手続きを強化部側の仕事もする様になりました。

実際には航空券の手配や家、ビザや保険の手続きなどは、ブラジル人と韓国人、その他の国籍でも大きな違いは無いので、僕がそのまま外国人全般の担当をする様になりました。

そこで英語も少しずつ覚えています。

また、語学を活かして外国人代理人とのやり取りや接待も担当・同席し、そこで覚えたノウハウはそのまま日本人代理人との関わりにも応用して使えます。

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また、ブラジル人選手の映像を見てこのブラジル人選手が日本に適応するか?などは海外経験ある人間の方が分かるので外国人スカウト担当になり、そこで得たスカウト能力はまた日本人選手発掘の時にも使えます。

他にも通訳をやり切って残った時間をどう活用するかは、皆様次第かなと思います。

僕はライターもしていたので記事を書いたり、パソコンが得意なので強化に役立つデータ作成(マニュアル作成、選手出場率や怪我率と順位の相関図、給与基準表作成など色々)もしています。

あなたの得意な事、もしくは興味ある事を勉強して得意にしていく事で、+αの出し方は人それぞれではないでしょうか。

この+αにも良い点も弱点もあって、強みとしてはやはり自分のポジションが確立されて自信になりますし、存在感も出せます。

弱点としては、あなたしかそれが出来ないので、あなたはずっとその仕事を任されてしまい次のステップに進み難くなる事もあります。

データ分析の仕事はあなたしか出来ないのでずっとあなたに任され、司会の仕事やスカウトなど他の仕事は手が空いてる人間に任され、学ぶ機会が減るなどです。

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あと、兼任が多いと1つ1つの仕事に掛けられる時間は短いので効率的に仕事を進める能力も身に付く事は強みで、一方で逆に言えば1つ1つの仕事に深みを出すのに限界があったり、あと超忙しくなったりします。笑

兼任だと、育成部は僕がゲームモデルの資料作ってる事は知っているが他の部署の方は知らない、育成部も育成部で、僕が強化部のデータ管理している事は知らない、みたいな起こります。

すると各部署から悪意なく「これくらいなら出来るだろう」と任される仕事の量が足すと恐ろしい量になったり、仕事してないと勘違いされ易いので、雑談などからコミュニケーションを取って実は自分が何をしているのかというのをチョロチョロ話していくのも大事だと感じます。

強化部のデータ管理をしている事が育成部にも伝われば、また新たに育成部のデータ管理はどうすれば良いか?など相談されて更に評価される可能性もありますね。

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●まとめ

以上が、通訳がキャリアアップするために通訳能力を活かして通訳以上に活躍するためのノウハウです。

ただやはり大変なので、通訳だけやって趣味や家族との時間を大切にしたいというのも良いと思います。

素敵な通訳ライフを!

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