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好きをやめたくなった話

ある日、文章が書けなくなった。

原因不明。原因がわかったらすぐにでも解決への糸口を探るのにそれができなくてもやもや。

何も書きたいことが思いつかなくなった。原稿を書いては消しての繰り返し。求められていることならなぜか書くことができた。

それはきっとテーマが決まっていたから。テーマが決まっていれば、あとはそのデータを集めたり、まとめたりして、書きたいことではなく読みたいものにしてしまえば良い。

でも自分の書きたいことがなんなのかわからなくなった。書けと言われたものは書けるけど、自分が本当に書きたいことがわからない。

ぐちゃぐちゃにかき乱されたノート。原稿に入れられる赤線。自分が書いた文章を褒められても、貶されてもなんとも思わなかった。きっと全てを見るのが苦しかったからどうにでもなれって投げやりになっていたんだろうな。

あれ、好きなことで苦しむってこんなに辛かったっけ?

書けない、書けない、書けない。

苛々と焦り。混沌とした感情がふと顔を出す。書けないという事実を受け入れることができない毎日。認めたくなかった。認めてしまえばきっともう書けなくなってしまうから。

好きをやめたくなった。好きなことで苦しみたくない。好きなことは好きなままで一生を終えたい。そんな気持ちでいっぱいだった。

好きなことを嫌いになりたくなかった。僕は高校生の頃に、好きだったサッカーを嫌いになりかけたことがある。部活動での練習が原因。

毎日休みもなく練習。朝練で先輩にいびられ、夕練でも先輩にもいびられる。僕は公立校出身だったから、周りの人と比べるとかなり下手だった。

それでも負けたくないから、毎日夕練が終わってからも1人家の近くの公園で練習をしていた。すると頑張りが顧問に認められ、1年生のAチームに入ることができた。

それが気に食わなかったのか先輩にまたいびられる。先輩じゃなかったら多分手を出していた。でも縦社会がそれを許さない。「下手くそ」と毎日言われ続け、好きだったサッカーが嫌いになりそうになった。

その結果僕は部活をやめた。好きなことを嫌いになりたくなかったから。自分を守ることに必死だった。

今も学生時代と同じようなことが起きている。一向に突破口が見えない。暗闇の中で彷徨うあの感覚。脳内を駆け巡る焦り。焦るだけで自分とは向き合わずに、ただ逃げていた。

でも過去に好きなことを続けることを投げ出してしまったから、今回はきちんと向き合っていきたい。

好きなことをしても。嫌いなことをしても、どうせ苦しいことはやってくる。それなら僕は好きなことで苦しむことを選ぶ。

好きなことで苦しんで、その度に活路を見出して。少し自分の殻を破った気になって、好きなことをさらに好きになる。

そんな繰り返しでいこう。少しずつ前へ進めたら良いな。


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