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毎日楽器を吹いているか

漫画「BLUE GIANT」の主人公、Dai Miyamotoは、毎日欠かさずテナーサックスを吹いています。それ故に、バンドメンバーを驚かせるほどすごい早さで成長して、聴衆の心も動かします。
彼は、世界一のジャズプレーヤーになることを目指しています。



「毎日欠かさず」というのは文字通りで、作中では、「ほぼ毎日」ではなくて、「ほんとうに毎日」なことが描かれています。


例えば、
・深夜までバイトがある日も、その後に吹く
・日本からドイツに渡航したその日も、吹ける場所を探して吹く
・大一番が大成功した翌日も、他のメンバーが休んでいても吹く
・友人に連れ出されて旅に出た日も、帰りの車内で吹く etc


彼は毎日欠かさずテナーサックスを吹きます。他の登場人物たちも、みんな猛烈に練習するんですよ。でもその中でも、群を抜いて練習しています。



加えて、1回1回の本番(ライブ)も、今日も新しい何かをここで生み出そうとする覚悟がある。全力を出すことに、まだ見ぬ何かを見ようとすることに執着がある。


「人間、生涯かけて1つのことをやった方がいい」
とは思わないのですが(もちろんそういう人がいてもいいと思います)、今、暫定的にでも勝負したい土俵があるなら、そこで勝つための準備は怠れないはずなんです。1回1回に臨む姿勢は崩せないはずなんです。


その姿勢は、バンドメンバーにはもちろん、聴取にも伝わるんですよね。
僕も聴取側のときは、よく、自分にとっては特別な1回でも、アーティストにとっては昨日も明日もやってることなんだろうな、と思ってテンションが下がったりします。だからこの宮本大の姿勢は、いち聴衆として、心を動かされるのがわかるんです。




前段は量、後段は質の話です。

自分にとっての「テナーサックス」は何なのか、思案しました。そして、それの量と質を省みました。もっと上達したいと思うなら、もっと目の前の誰かに価値提供したいと思うなら、勝ちたいと思うなら、量も質もどちらも足りなかった。まだまだいけた。とてもシンプルなことでした。


あなたにとっての「テナーサックス」は何でしょうか。その量と質は、どうでしょうか。どうやら私たちはもっと前に進めそうです。

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