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トロイメライ 楽曲分析

今回はシューマン(1810~1856)の『トロイメライ』の楽曲分析を行います。
シューマンはピアノ作品を数多く遺しましたが、その中でもこの曲は1、2を争うほど彼の作品では有名なものです。いったいどのような構造をしているのか、さっそく見ていきましょう。

1  拍子、調、構造

4/4拍子、調はヘ長調
AーBーAの3部形式
で作られています。

元々この曲は『子供の情景』という全13曲からなるピアノ曲集の中の1曲です。シューマンもピアノを演奏する人だったので、作品によっては難易度が高い作品もありますが、この曲はそこまで難しいものではないのでピアノ中級者の方にはちょうどいい難易度の曲ではないかと思います。

2 解説

① A 0:00~

A

この曲はAの1~2小節のフレーズが曲全体として重要になっています。後のBの部分でもこのフレーズは転調して現れます。

6小節目平行調ニ短調に転調し、8小節目属調であるハ長調で一度一区切りを打ちます。ここでは繰り返し記号がついていますので、単純な繰り返しがなされます。

② B 1:13~

B

BAと同じく始まった後、すぐにト短調になります。そしてBの5小節目下属調変ロ長調Aの主題が現れると、すぐにニ短調に転調してBの2~3小節目と同じフレーズを奏でながら、Aに戻ります。

③ A 1:49~

A

Aが再現され、1~5小節目までは最初のAと全く同じです。6小節目でセカンダリードミナント(コードネームでいうとG9)がフェルマータで伸ばされると、リタルダンド(だんだん遅く)をかけながら、Aの3小節目のフレーズを使って曲を締めくくります。

以上になります。いかがでしたか?
メロディ、和声はシンプルですが、終止右手も和音を弾きながらメロディを奏でるので、演奏面ではその和音が大きすぎないようにコントロールすることが大切です。2分ちょっとの短い曲なので、ある程度ピアノを弾けるようになってきたら挑戦してもいい難易度だと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

では、ご覧いただきありがとうございました。

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