Ryo Sasaki

音楽理論の紹介や作曲、他の作曲家のアレンジなどをアップ 気になったものの勉強記録なども…

Ryo Sasaki

音楽理論の紹介や作曲、他の作曲家のアレンジなどをアップ 気になったものの勉強記録などもたまにあげている、気ままな人間です。

マガジン

  • 一歩進んだ音楽理論 和声学編

    和声についてのあれこれをご紹介していきます。

  • 楽曲解説集

    クラシック音楽の作品を解説していきます。 主に曲構成、和声などを分析しています。

  • 楽曲解説集 ショパン

    ショパンの楽曲解説をまとめたものです。

  • 動画

    自身が作曲、編曲した作品をYouTubeにて発信したものをまとめたものです。

  • 自作曲発表

    自身が作曲した作品を定期的にアップロードしていきます。 主にクラシック音楽です。 聞いていただけたら幸いです。

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自作曲 チェロソナタ ヘ長調

以前作ったチェロソナタを改作し、書き下ろしました。 https://note.com/ryosasaki0620/n/n5b4aad0b76f4?magazine_key=m8d8e3b7f81c4 第1楽章 アレグレット(ヘ長調) 第2楽章 エレジー ラルゴ(変イ長調) 第3楽章 フィナーレ プレスト(ヘ短調)

    • これまで扱ってこなかった和音の紹介 一歩進んだ和声学 Part 49

      今回はこれまで扱ってこなかった和音を一挙に紹介していこうと思います。 7の和音はII、IV、Vの和音においては既に紹介していましたが、ここではI、III、VI、VIIの和音における7の和音、またV諸和音の第5音上方変位、(〇)IV+6の和音付加第6音上方変位などをとりあげます。 1 I7、III7、VI7、VII7の和音I、III、VI、VIIの和音も7の和音の形で用いることが可能です。 これらの第7音は全て予備を必要とします。 また共通する事柄として、これらの和音は第2

      • モーツァルトの珍しい調を使った作品

        モーツァルト(1756~1791)の大半の作品は長調で書かれています。その長調の作品群のほとんどが7つの調で占めています。 その調はハ長調、ト長調、ニ長調、イ長調、ヘ長調、変ロ長調、変ホ長調の7つです。 一方で数少ない短調の作品においては、その主要な作品のほとんどがニ短調、ト短調、ハ短調で作曲されています。 例を挙げると、 ピアノ協奏曲のうち、短調である20番と24番は前者がニ短調、後者はハ短調です。 交響曲においては25番、40番がト短調で書かれています。 他にはピア

        • スケルツォ第2番 楽曲分析

          今回はショパン(1810~1849)のスケルツォ第2番Op31の解説をしていきます。 スケルツォは「おどけた」「冗談」という意味を持ち、ハイドン(1732~1809)が弦楽四重奏曲に取り入れたりしました。その後ベートーヴェン(1770~1827)によって交響曲のメヌエット楽章の代わりにスケルツォを導入し、以後の交響曲の基盤を形成しました。そんな中で、ショパンはこのスケルツォを独立した作品として4作品を作曲しました。スケルツォ第2番はショパンのスケルツォの中では一番演奏機会があ

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        自作曲 チェロソナタ ヘ長調

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        記事

          メンデルスゾーンの交響曲

          突然ですがメンデルスゾーン(1809~1847)の代表作と聞いて、一番最初に思い浮かぶものはどれでしょうか? やはり、ヴァイオリン協奏曲ホ短調でしょうか。『夏の夜の夢』から結婚行進曲を挙げる方もいるかもしれません。ピアノ経験者でしたら無言歌『春の歌』も候補に挙がるでしょう。 最初に彼の代表作を挙げる時に、交響曲を挙げる方は意外と少ないのではないでしょうか。彼の遺した交響曲は弦楽のための交響曲が12作(他に交響的断章が1作あり)、フルオーケストラで書かれたものが5作残されて

          メンデルスゾーンの交響曲

          IIIの和音、VIIの和音など 一歩進んだ和声学 Part 48

          今回は今まで登場してこなかったIIIの和音、VIIの和音を中心に、これまで取り上げてこなかった和音を紹介していきます。 1 IIIの和音IIIの和音は基本形と第1転回形を使います。 上3声の配置は他の3和音と同様です。 IIIの和音はT和音に属する場合と、D和音に属する場合があります。 まずはT和音に属するIIIの和音の機能を見ていきます。 (i) T和音としてのIIIの和音 T和音としてのIIIの和音は基本形のみを使用し、後続和音はIVの和音、またはIIの和音第1転

          IIIの和音、VIIの和音など 一歩進んだ和声学 Part 48

          借用転位音など 一歩進んだ和声学 Part 47

          今回は借用転位音などを紹介していきます。 1 借用転位音とある内属和音における転位音は、その内属和音の所属転換の結果、主調の借用転位音となることがあります。 借用和音における転位音は、その固有所属調の転位音を使用します。つまり借用和音における転位音には、主調の音階の音(固有音)は使われないことになります。 上の例の場合、 aの和音は元々はII調から借用してきた和音なので、II調(ここではDマイナー)の音階の音を使用します。 bの和音は元々はIV調から借用してきた和音な

          借用転位音など 一歩進んだ和声学 Part 47

          全長転位音、2次転位、構成音の変位 一歩進んだ和声学 Part 46

          今回も引き続き転位音の話ですが、ここでは3つの事柄を紹介します。 全長転位 2次転位 構成音の変位 の3つを解説していこうと思います。 1 全長転位全長転位というのは転位音が和音の開始点に置かれ、後続する和音交替点で初めて解決することです。 全長転位音は掛留音として現れることが多いです。 全長転位音は基本的には復元解決します。 例外として 全長下方転位根音 全長上方転位第5音 は経過解決も可能です。 このことから第7音というのは 経過解決する全長下方転

          全長転位音、2次転位、構成音の変位 一歩進んだ和声学 Part 46

          速度標語、発想標語の話

          今日は速度標語と発想標語の話です。速度標語というのは、例えばAllgero、Andanteなど楽曲の大まかなテンポを伝える言葉たちで、発想標語というのは、例えばCantabile、Appasionatoなど楽曲の雰囲気、表現の仕方を示す言葉たちのことです。 これらの言葉はイタリア語から来ています。大体の作曲家はこれらの言葉を用いていますが、作曲者の自国の言葉を使っている場合もあります。例えばベートーヴェン、シューマン、ブルックナー、マーラーなどの作曲家はこれらの言葉に加えて

          速度標語、発想標語の話

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          自作曲 交響曲変イ長調よりアダージョ

          自作曲の交響曲変イ長調からアダージョ楽章です。 他の楽章は現在制作中・・・

          自作曲 交響曲変イ長調よりアダージョ

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          ノクターン第1番 楽曲分析

          今回はショパン(1810~1849)のノクターン第1番を解説していきます。第2番、第3番と共に作品9として出版された初期のノクターンです。第1番はそれほど複雑な構成をとっておらず、演奏も比較的容易です。その中でもミクソリディア旋法を使用するなど、創意工夫がこなされています。では早速見ていきましょう。 1 概要ノクターン第3番は1831~1832年頃に作曲された作品です。1831年というと、ショパンが故郷ポーランドを発ち、フランス、パリに活動拠点を移した頃です。第2番、第3番

          ノクターン第1番 楽曲分析

          ノクターン第20番 楽曲分析

          今回はショパン(1810~1849)のノクターン第20番を紹介します。この曲はもともとノクターンという題名はついておらず、あくまで曲想がノクターン風であることからノクターン第20番と記されるようになりました。速度標語の❝Lento con gran espressione❞の名でも知られています。では、詳しく見ていきましょう。 1 概要作曲されたのは1830年とされており、この年はショパンが祖国ポーランドを離れウィーンに向かった年であり、その翌年には彼の死まで活動の拠点とな

          ノクターン第20番 楽曲分析

          Jpopは技術至上主義なのか?

          たまたまこんな記事をみつけました。 今の日本のヒット曲というのは、歌うのが難しいと思います。細かい音符、音の跳躍、シャウトなど歌に関する様々な技術をふんだんに入れ込んでいるなというのが、私の今のJpopに対する感想です。歌に関する技術力は上がっていると思います。しかし、今の歌は気軽に口ずさめないんですよね。歌詞が詰まっているとか、歌いにくいメロディになっているとか。歌に関する技術を詰め込んだ結果、一般人が気軽に歌えるような曲ではないものが多い気がします。 今では録音も何度

          Jpopは技術至上主義なのか?

          ショパン ワルツ第7番嬰ハ短調 楽曲分析

          今回はショパンのワルツ第7番Op64‐2の楽曲分析をしていこうと思います。有名な子犬のワルツと共に出版されたこの作品は、このワルツはそこまで技巧的でなく、またメロディの出来栄えもよいので彼の作曲したワルツの中では人気の高いものの一つです。ではどのような構成をしているのか、早速見ていきましょう。 1 概要作曲されたのは1846年~1847年にかけてとされており、ショパン晩年の作品です。第6番、第8番と共に一つにまとめられOp64として1847年に出版されました。この1847年

          ショパン ワルツ第7番嬰ハ短調 楽曲分析

          主音上のV 一歩進んだ和声学 Part 45

          今回は主音上のV諸和音についてを紹介していきます。 バスがI音(主音)の際にV諸和音が置かれる場合があります。これらは転位の結果生じた偶成和音の一種ではあります。実際にこの和音が使われた際にどのような働きをしているのかを見ていこうと思います。 1 主音上のVバスにおける主音(I音)の上に、V7の和音(根音省略形含む)、(〇)V9の和音高温省略形が置かれる場合があります。 これらを 主音上のV7の和音 主音上のV7の和音根音省略形 主音上の(〇)V9の和音根音省略形 と呼び

          主音上のV 一歩進んだ和声学 Part 45

          エルガー 愛の挨拶 楽曲分析

          今回はエドワード・エルガー(1857~1934)の『愛の挨拶』を紹介します。エルガーの作品の中でも威風堂々第1番と並ぶ知名度を誇っており、また演奏時間も3~4分程度の短い作品であり、親しみやすさも持っています。どのような作品なのか、早速見ていきましょう。 1 概要1888年に作曲されたこの作品は、当時キャロライン・アリス(1848~1920)との交際中に書かれたもので、彼女と正式に婚約した際にこの作品を彼女に献呈しました。題名は当初はドイツ語で❝Liebesgruss❞と名

          エルガー 愛の挨拶 楽曲分析