日本酒についての雑感
今日は日本酒について思ってることを書きます。
あまり面白くないかもしれませんが、まあ酒を片手に適当に読んでください。
まず結論から言いましょう。
僕は日本酒の味や質感を表す新しい表現を模索することが日本酒の普及につながると思っています。今回の記事は全体でそれを言うための構成になっています。
しばしお付き合いください。
※※※
日本酒は日用品ではありません。だよね?
「日用品です!」って人がいたら嬉しいけど、実際は違うよね。
日本酒は嗜好品です。趣味の品。
嗜好品を愛でる層には浅い層と深い層がいます。
例えばネットゲームとかなら「エンジョイ勢」とか「ガチ勢」とか言ってると思う。そういう区分。
(唐突ですが、まずこの浅い深いは善悪でも良し悪しでもない点に留意して欲しいです。
最近それに関する争いが多いから注意書きを書きました。おせっかいだったら済みません。)
日本酒を楽しむ全体人口が放っておいても単純に増える見通しはあまりありません。
海外への普及は道半ば、日本の若年層の、つまりこれから酒を飲みうる人口は減っています。
ですので、日本酒文化の存続を考えると比較的人口が多いと思われる浅い層、つまりエンジョイ勢、もしくは成人してるけどまだ首を突っ込んでない層へのアピールが大切だと思います。
(すなわち「すでにディープな人はその人たちで勝手に極めるから、ライト層取り込む手段考えよう」ってことです。)
あまり人口が多くない嗜好品分野が大衆にアピールするためにはいくつか方法がありますが、ひとつ有効打をあげるなら、コラボという手法が有効だと思います。
コラボというのはご存知の通り、ある分野が本来関係がないか、関係が薄かった分野と協力して双方の魅力をアピールする取り組みです。
で、日本酒がより大衆へ向け強く存在感を訴えかけるなら、日本酒よりも人口が多い分野と手を繋がなくてはなりません。
そういう意味で、昨今おもに都会で行われている音楽とのコラボ、食とのコラボイベントなんかは有効であると言えるでしょう。
酒好きより音楽好きや単なるグルメの人口のほうが多そうですから。
音楽は聴きながら他の活動に取り組むことができ、かつ気分を比較的容易に陽気にしてくれるのでコラボの相手として非常に汎用性が高いと言えます。
楽しげな人たちと音楽聴いて、踊りながら酒のんだらまあ楽しいと思う。
食とのコラボ、というと耳馴染みがないですがこれはいわゆるペアリングのことですね。
ペアリングというのは、料理の風味とドリンクの風味を掛け合わせて、より深い食体験をする試みです。
酒が食とのコラボを深めることで、酒の味はより広く豊かな食の文脈(例えば「フレンチの中での日本酒」というのと「ベトナム料理の中の日本酒」というのでは全然世界が違いますよね。)に位置づけられて、より多くの人に理解されうるものとなると思います。
頑張って欲しいです。
そういうコラボで人を惹き付けようって流れの中で、私自身は言葉と日本酒のコラボを推し進めていきたいのです。
ピンとこないですよね。いや、そうです。そうなんですよ。だってないんだもん、そういうの。
でも、言葉ってみんな使うじゃないですか。
おまけに個々人で割と言葉に対するこだわりもある。
ここを狙わない手はないと思うんです。
僕がやってるのはこういうことです。
これは日本酒を飲んで感じたことを掌編小説にかえて表現した記事です。
他には例えばこんなのがあります。
これは、新政酒造の「生成(エクリュ)」という酒を飲んで感じたことを詩にしたものです。
僕はまず自分が楽しいからこういうことをやっています。他にもこれ楽しいと思ってくれる人いないかなーって思ってやってるんです。
次に、SNSで酒の感想を述べる方々のツイートや投稿を見ていて「これでいいのかな?」と思ったからやっています。
酒を飲んだ感想を、例えばソムリエの方々がやるようなテイスティングコメントで述べることがあります。以下実例。
グラスに鼻を近づけるとまず感じるのは、スイカズラやユリの花の香り。グラスを少々揺らすと仄かに胡椒のようなスパイシーさを感じる。口に含むと第一に青い梅のような酸味、第二に柑橘の華やかな酸と甘みを感じる。苦味ははほとんど感じない。飲み込んだ後のほのかに甘い蜜のような香りが漂い、余韻は非常に長い。最後に鼻に突き抜ける香りはやや癖のある穀物のようだ。
こんな感じのものです。
僕は「ライト層に酒の魅力を訴える」ということを念頭に置いた場合、これに不満があるのです。
もちろんこのように飲んだときの質感や風味を事細かに述べるのは確かに芸術的です。職人的でもあります。
それはそれで嗜好の深い方向への研鑽だってことでやればよい。
それはそれで、確かな価値がある。
しかし、それを述べられたとして、仮に理解できても飲んだ時の味が何となく分かるだけです。
ライト層が「おっ?」と思う面白みはあまりないと思います。だって味を細かく分析するなんて試みは面倒だし、何より正確にやるには時間がかかる。
その意味で今回の記事で述べている「ライト層の取り込み」には有効ではないと思う。
まだ酒の味が細かくわからない人が上記のようなコメントを聞いたとしましょう。その時はおそらく「えっなにこれ」と圧倒されてしまうだけです。
圧倒されると気軽な意見は言えません。気軽に参加できなければ、興味は持てないと思います。
だから各自が自分の趣味や飲んでいる状況にもっと集中して、標準的でないコメントを発信していってほしいのです。すでにそういうコメントを発信してる人はいます。
オノマトペ中心に感想を述べたりとか、芸能人とかに例えるとか…。
一見アホらしかったり、「えっ?」て思うけどなんか惹きつけられるような魔法のような言葉を探してほしい。
僕の掌編小説や詩がやや誇張し過ぎであり、どういう風に考えたらそうなるのか不明なのは認めます。それは僕の実力不足なので、これからもっと訴求力のあるような表現方法を模索していきます。
こんなふうに思ってます。
これが今まで自分がやってきたことの動機の説明になってれば嬉しいです。酒詩とかね。
まあできたらよりディープな層にもこれを訴えていきたいのですが…体感では難しいかなと思っています。
ディープ層ってこだわり強いんです。だから各自思い思いに極めてほしいかな。
僕はこれからの人たちに「こういうのもよくないかな?」ってことで、魅力を伝えられる言葉、表現を模索していきます。
以上です。
明日からも微力ではありますが日本酒の普及のため、魔法のような表現を探していきたいと思います。
ありがとうございました。
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。