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【痛みの発生メカニズム】


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【痛みの発生メカニズム】


前回の健康雑学記事で、「痛みって何?」といった投稿をしました。

今回は「痛み」の発生についてもう少し詳しくみていきます!


組織を損傷すると・・・?

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「外傷」や「やけど」などによって、私たちが身体の組織を損傷すると、

まずは「刺すような鋭い痛み」が起こります。

「痛っ!!」ってなるやつですね・・!


これを「一次痛」と呼びます。

この痛みは、動物になくては困る、生命維持においてとても重要な痛みであり、

損傷の部位を知らせる「警告信号」としての意義を持ちます。


一次痛の数十秒後には、体内で生成される、様々な化学物質により

「鈍くうずくような痛み」が起こります。


「鈍くうずくような痛み」とは?


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「鈍くうずくような痛み」をもう少し詳しくみていくと、

損傷を受けた組織(細胞)から

■カリウムイオン
■水素イオン
■アデノシン三リン酸

などが漏出。

血小板からは
■セロトニン

肥満細胞からは
■ヒスタミン

などが放出されます。


これらの化学物質が、神経の末端にある「侵害受容器」を刺激し

「痛み」が発生します。


カタカナの化学物質ばかりですが、少しだけそれらも説明していこうと思います!

セロトニンとは?


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血小板から放出され、「痛み」に関与してくる「セロトニン」ですが

これは「幸せホルモン」としても知られています。

セロトニン(serotonin)
別名5-ヒドロキシトリプタミン(5-hydroxytryptamine、略称5-HT)は、
必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつで、動植物に広く分布する生理活性アミン、インドールアミンの一種。
___ヒトではドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをするほか、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


「やる気」や「幸福感」につながる脳内の神経伝達物質として知られ

セロトニンをしっかりと分泌することは抑うつ、不眠解消などにもつながります。

体内のセロトニンは腸内に90%近くが存在しており、
腸内環境とも深く関わりがあるといえます。

ザックリ言えば
腸内環境を整えれば、幸せを感じやすい!というわけですね!


そんなセロトニンですが、基本的には「痛みの抑制に働く」と考えられていたそうです。

しかし、近年の研究では、「痛みの抑制」だけでなく、

場合によっては「痛みの亢進」作用ももたらすのだとか。


ヒスタミンとは?

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ヒスタミンは、「肥満細胞」から放出され、

体内に「炎症」「アレルギー反応」を引き起こします。


だからといって、「悪い奴」ということではないです(笑)

損傷した部位に、
■タンパク質
■免疫細胞

などを集めて、
早く修復していくためにヒスタミンは警鐘を鳴らしてくれています。


ちなみに、「肥満細胞」てのは、見た目が「肥満してるっぽい細胞」だから

肥満細胞と言われているそう。。

「肥満」とは無関係です。


「鈍くうずくような痛み」のその後・・・


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化学物質たちによる「鈍くうずくような痛み」のあとには、

ヒスタミンの炎症作用によって呼び寄せられた免疫細胞たちの出番です。


免疫細胞といえば「白血球」たちですね!

実は、白血球も、そのほとんどが小腸に住んでいます。

やっぱり腸内環境って大事ですね・・!


この白血球たちは、損傷して死んだ細胞を食べたり、
侵入してきた細菌やウイルスと戦い、食べたりしてくれるのですが

その過程で、体内で分泌された化学物質と反応して「炎症性サイトカイン」を放出。


「サイトカイン」てのは、

免疫細胞たちが作業しやすいように指示をおくったり誘導をしたりする
便利屋みたいな奴なのですが、

「炎症性サイトカイン」は、サイトカインの中でも「炎症」を促進させる機能を持っています。

つまり、「炎症性サイトカイン」が放出されることで、
さらに痛みは増します・・・!


ちなみに、「炎症性サイトカイン」に対して「抗炎症性サイトカイン」

というのもいるそうで、両者はバランスを取り合って共存しています。

このバランスが崩れてしまうと「自己免疫疾患」などにつながってしまいます。。

何事もバランス大事ですね・・!


神経性炎症とは?


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軸索反射とは、

偽反射pseudoreflexともいう。
末梢神経系において1本の細い求心性神経軸索(神経繊維のこと)が,
末梢側で幾本かの枝に分枝している場合がある。
その場合,
特定の末梢部位を強く刺激して求心性神経軸索の分枝を興奮させると,その興奮が同一の神経の他の軸索分枝を逆行して伝わり,
その軸索分枝の末梢側の末端にある種の反応を誘発する。
見かけ上,反射のようなこの反応を軸索反射と呼ぶ。
たとえば,皮膚の特定の部分に痛み刺激を加えると,
刺激部位の皮膚は一過性に蒼白になり,次いで発赤が生じる。
___「コトバンク」出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版


少し難しいですが、ざっくり説明すると

神経細胞って、足が数本伸びてるやつ、ありますよね。

その「片足」にきた刺激が、脳に向かって伝わっていくときに、

足の付け根の部分でUターンするように

違う足の先に向かって伝わっていく流れを「軸索反射」と言います。


この「軸索反射」によって、損傷した部位の周辺にも炎症が広がっていきます。

つまり、直接組織の損傷を受けたわけではないけど、
2次被害的に炎症が起こる。火事が燃え移る感じですね。(?)

「組織の損傷」由来ではなく、「神経の作用」による炎症。
これを「神経性炎症」といいます。


神経性炎症よって、周囲の血流を促進

近くに免疫細胞やタンパク質の「援軍」を呼び寄せるというわけですが、


この「神経性炎症」は「痛覚過敏」の原因ともなります。

「痛覚過敏」とは、

痛みをひどく感じやすい状態。痛みに対して過敏に反応してしまうような状態のこと。

たしかに、実際は損傷してないのに「痛っ」となってたら
実際に損傷したら「やばいくらい痛っ!!」となりますよね。。


「痛み」って深いね!

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詳しくは前回の「痛み」の記事に書いていますが、

「痛み」に対してネガティブな感情をもっていると、
そうした「痛覚過敏」も慢性化する可能性が高いといえそうです。。


また、炎症やアレルギー、「痛み」は何のためにあるのか?というと

「損傷した組織を早く修復する為」だといえます。


そのためには免疫細胞や各種神経伝達物質の働きが重要。。

そして

それらは、結構「腸」にいる・・!


「痛み」と「腸内環境」というつながりも深そうだな、と感じました。。

身体というのは、知れば知るほど深みにはまって難解になっていきます。。(笑)

ロマンですね!!


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