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#29 株式も保険も不動産も、フラットに比較する方法

こんにちは、松本です。
資格試験や日々のお仕事で、
あっという間に前回の投稿から日が空いてしまいました。

久々に投稿を再開していきますので、
良かったらまた記事を見てみてください!


世の中に溢れる投資商品

世の中にはたくさんの「商品」があります。
ニュースでよく見る株式。

有名なものですと
トヨタの株、ソフトバンクの株
といったものが思い浮かびます。

郵便局に行けば
貯蓄型(お金が貯まるタイプ)の
終身保険の案内もよく見かけます。

不動産投資の広告も、
テレビやYouTubeで
目にしますよね。

これらはすべて、「商品」であり
自らのお金をそれらに投下して、
リターンを得ようとすることは
「投資」行為だと言えます。

では、仮に投資活動を行うならば
一定の基準で
商品の選択を行う必要がありますよね。

異なる条件の商品を一体どうやって
比較すればいいのでしょうか。
今日はそんなお話です。

商品比較の基準とは

不動産投資会社あれば、
ワンルーム投資が熱いですよ!
と熱弁されると思います。

保険屋さんであれば、
一時払いのドル建て保険がいいですよ!
と言われるでしょう。

証券会社も銀行も、
訪ねてみれば分かりますが
おすすめの商品はこちらですよ!
と各社イチオシの
商品案内をされるはずです。

一般の方にしてみれば、
どれも良いような悪いような、、
となってしまい、選ぶのが難しいです。

それは、比較基準が
揃っていないからなんですね。

死亡保障もついて
お金も増える保険商品です!
不動産投資では安定収入が入ってきますよ!

と2人の営業マンから勧められました。
どっちが良いでしょうか?

この2つは例えるならば、
Aさんは170㎝ですよ!
いやいやBさんは80kgですから!!
どっち早く走れると思います?
みたいな問題です。

ワケワカランってなりますよね。
よく分からない基準で
競っているようなものです。

Aさんは170㎝です。
Bさんは180㎝です。
じゃあBさんの方が身長が高いですよね!

と「高さ」というモノサシを揃えて
「身長」を比べる必要がありそうですね。

ということで、
投資という視点での
商品比較のお話をします。
上手くお伝えできたら嬉しいです。

投資商品の比較は
「年率換算した利回り」で行います。
これが商品選定のモノサシです。

年率換算した利回り…
平たく言うと、
期間も商品も違うけど、それぞれの商品が
「1年に均すとどれだけ増えるの?」です。

基準を統一することで、
分かりにくかった商品を
横一列に並ばせて比較できます。

概念的にはIRR(内部収益率)といいますが、
まあこれは覚えなくても大丈夫です。

概念的なお話は
また別の機会に行います!
(長くなるので)

預金の場合

まずは分かり易く
銀行預金について考えてみます!

元手の元本を500万円とします。
毎年の金利を1%として5年間保有します。

その場合毎年貰える利子は5万円ですね。
(500万円×1%)
5年後に引き出した場合、
戻ってくるのは500万円です。

Excelで引いてみるとこんな感じです。

5年目は利子5万円+元本500万円

各年のキャッシュフロー
(2年目~4年目は+5、5年目は+505)を
現在価値に割り引いたものの合計が、
1年目の投資額と等しくなる割引率がIRRです。

といってもよく分からないので、
言い換えると、

「5年間の投資活動」を
「1年あたりどのくらい増えたか」

に直したイメージが
IRR=1%というものだと
ざっくり理解いただければと思います。

この数値を他の商品と
比較していくと、
運用商品として効率が良いのか
悪いのかが見えてきます。

続いて株式を考えてみましょう

株式の場合

例えばABC商事という
会社の株式を買うとします。

20万円で株式を購入して、
5年後に30万円で売却した
ケースを考えてみます。

NISA口座で運用したとして
税金は非課税、
配当については無いものとします!
(面倒なので!)

元手20万円は5年後に30万円になった!

この場合は、1年目に20万円出て行って
5年目に30万円戻ってくるので、
流れは上記の通りです。

お金の出入りは1年目と5年目のみです。
この5年間の投資を、
1年あたりに均して考えてみます。

年率に換算するときの利回りは
10.67%となりました。
預金と比べると結構増えてますね!

保険商品の場合

保険についても同様に考えてみます。
初年度に一時払いで500万円を支払う。

5年後に解約すると
解約返戻金が530万円だという、
一時払い終身保険があったとしましょうか。

この場合、1年目に500万円出ていって
5年後に530万円戻ってきます。
お金の流れは以下のようになります。

1年に直すと1.47%ずつ増えている商品

このケースでの年率に直した
利回りは1.47%でした。

正確には5年目に
差益に対して課税されますが、
分かり易くするために割愛します!

どうでしょうか。
段々流れが見えてきましたか?

続いて分かりにくそうな不動産です

不動産の場合

不動産も投資の一種です。
資金に余裕がある人が、
ローンを組まずに一括で
郊外のワンルームマンションを
購入すると考えます。

郊外のワンルームマンション投資営業には
乗らない方がいいことは、
また別の機会に…

2,500万円で購入したマンションを、
購入して半年後から、
月々10万円で人に貸すと考えてみます。

年間で120万円の家賃収入が入ってきますね。
夢の家賃収入、良い響きです!

この場合のお金の流れはこんな感じです。

1年目の支出は大きいが毎年家賃収入が入ってくる

ちなみに今回は
5年後、最終的にマンションを
2,200万円で売ったと仮定してみました。

これを毎年のリターンに換算すると、
2.55%ずつ増える投資だ
という結果になりました。

実際には、
マンションを購入・売却する際に掛かる
税金や仲介手数料等が引かれたり、
ローンを組む場合はまた変わってきます。

2.55%よりも確実に
利回りは低くなることが考えれますが、
それは一旦置いておこうと思います。

並べて比較してみる

さて、ものさしが統一されて
それぞれの商品が比べられそうです。

図式化して並べてみました。

するとどうでしょうか。

今回の事例で言うと、
株式が1番伸びた!
普通預金が1番増えなかった!
と言えますね。

ではこの場合
株式が最も良い投資かというと
そうとは言い切れないんです。

なぜかというと
不確実性=リスクも見る必要があるからです。

事例で上げたABC商事は、
購入時20万円で100株買えましたが、
5年後30万円で売れるかというと分かりません。

5年後10万円になっていることも考えられます。
株式にはかなり不確実性が伴います。

不動産投資も同じです。

賃貸で人に貸し出したとしても、
途中で入居しなくなるリスクもありますし、
5年後2,200万円で売れるかどうかも分かりません。

半面、普通預金の5年後戻ってくる金額は
非常に確実性が高いですし、
保険の解約返戻金も確実性が高いです。

最後に

何が言いたいかというと、
モノサシを揃えて
「利回り」で他の商品と比較した上で、

「想定されるリスク」も考慮してから
投資商品を決定する必要があるということです。

仮に銀行預金のIRRが5%
株式のIRRが5%だと仮定します。

同じリターンならば、
リスクの低い銀行預金にお金を入れておけばいいよね
という話になりそうですよね?

現実的に同じリターンである
商品は少ないですから、
リターンの違う商品を
それぞれ特有のリスクを頭に入れて、
フラットに比較する必要があります。

株式投資より不動産投資の方が
安定収入がある分良いですよね?
という質問には、

不動産は物件次第だし、
出口戦略を考えた上でトータルの
お金の流れを分析しないといけないですね。

株式は個別の株式なのか
投資信託なのかでも
更に変わってきますね

となりますし、 
保険で運用するのってどうですか?

と聞かれたら、
同じ運用であれば、
利回りとしては投資信託でいいし、
保障が必要なら掛け捨てで十分ですね

となってきます。

本来であれば、
この記事のタイトルにあるように、
「株も保険も不動産もフラットに比較する」
必要があるんですね!

これらの判断基準は
違う特性のある商品を
「年率換算したときの利回り」であり、
商品ごとの「リスク=不確実性」に基づいた
意思決定を行うべきだと考えています。

リターンが高い商品には
当然、それ相応のリスクが
スプレッドとして乗っかってきます。

それも踏まえた上で
商品選択を行っていきましょう!

という訳で今回は
運用商品の比較について解説してみました。
お役に立てたならば嬉しいです。

今回は以上です!
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