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わたしをリアーナにしてくれた、 忘れられない彼のこと


留学生だった一時期、ベラルーシから移住してきた男の子の友達がいました。

ある日のこと。

彼がわたしの元にやってきて、言いました。


当時は、リアーナ(Rihanna)の曲「アンブレラ(Umbrella)」がトップチャートをにぎわしており、PVの彼女と同じ、前下がりのストレートボブヘアスタイルがNYでも流行っていました。


▼ 初めての読者の方へはこんにちは。
らいさわはNYCのブルックリンで地味に暮らしている、元留学生、現在はニューヨーカーのむすめちゃんを育てているワーママです。







留学生時代は、ほんっとうにお金がなかったので、AVEDA(アメリカ自然派化粧品・ヘアケアの老舗)商品なんてもちろん使える余裕はありませんでしたし、ヘアサロン自体滅多に行ってませんでした(今もあんまり行きませんけど)。

だから、「AVEDAの美容学校でカットしてもらえる、シャンプーしてもらえる」に釣られました。

彼が提案する流行のリアーナの(前下がり)ボブも、いわゆるサブカル系女子の外見なわたしにとっては全く抵抗なし。

ヘアスタイルの写真を雑誌から切り抜いて持ち歩くほど美容の勉強に夢中になってて、努力もしててえらいなぁ、くらいに思ってました。


◇◆◇◆◇◆◇


そんな憧れのAVEDA美容学校でのヘアカットモデル体験。

初っ端から不快でした。
なぜならAVEDAのシャンプー台はアジア人、特に低身長のわたしに合わなかったんです。

頭部とシンクの距離さえも合っておらず、タオルで高さ調節してくれることもなかったので、洗髪中はずっと、首をむりやり引っ張られ、石(シンク)の上にどんと置かれたような状態。

快適とは真逆でした。

また、彼は学生なので、洗髪が下手なのは想定内でしたが、タオルを顔にかけてくれなかったので、シャワーの水が顔に飛びまくり。

時々彼が腕を上げたときなぞ、彼の半袖シャツと腕の隙間から覗くワキ毛を見る羽目になったりもしてました。まぁ、目を瞑っていれば良かったのかもしれませんが、「敵に背中を見せられぬ」じゃないですけど、目を瞑っていられる安心感が一切得られなかったんですよね。


◇◆◇◆◇◆◇

シャンプーの後はカットへ。

フロアはとても広く、鏡付きのカット台がずらーっと並んでいました。

他にもカットモデルを連れてきた生徒たちがたくさんいました。

洗髪後にその一つに座らされ、ついにリアーナになる時が来ました。

・・・・ベタなオチでした。

一応「ボブ」だけどさ~、Umbrellaのリアーナより10cmは短かったね!

さらに「前下がり」はどこいった?

あれがかわいいんだろ、リリちゃんのあのヘアスタイルはー!

ぱっつんボブ(おかっぱ)かと思いきや、よく見ると、切り残しもすごく多くて。

先生美容師がチェックしに来たんですけど、わたしのことは無視。

さながらマネキン扱いですよ。先生と生徒ふたりで、出来を確認してそれでおしまい。

先生による整髪は無しでした。

その日のカットの実技が「ボブ」だったようで、周りを見回すと、、、


ニューヨークは色んな人種の方がいて、髪の色も質感も量も実にさまざま。

黒髪のワカメちゃんはわたしくらいでした。

彼にとっては、「リアーナ」と「磯野ワカメ」は、どっちも黒髪だし、同じ髪型だったのでしょうか・・・。

切り抜きを持ち歩き、リアーナ以外でもいいよと言っていたのは空耳だったの?

▼「空耳」ネタの記事はこちらにも


もし違う髪型を選んでいたら、呼ばれる実技の日が変わっただけなの?

今となっては謎ですが、わたしを「リアーナ」にしてくれた彼のことはなかなか忘れられません。

▼ この当時はまだ、彼にその質問をできる英語力・メンタルができていなかったんだと思います


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