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悪魔はだ~れだ?

「イタタタタ~」
「こわ~い また卵落ちてきたよ」
森のリスが飛び上がって走って逃げていきました。
その横でカッコウが落ちてきた卵を食べてしまいました。

リスの会話を聞いてみましょう。

「僕、ずっと前から見てたんだけど、
あのカッコウ2時間前から卵狙ってたよ」
「えっ?あの卵を?」
「違う違う、
自分の卵をモズの巣に産むためだよ。
それでモズのお母さんが巣から離れるチャンスを狙ってたんだ」
「〔どっか行け~〕って言ってたね」

「そしてモズのお母さんが飛んでいった瞬間にサッと巣の中に入って卵を1つ産んで、4つあったモズの卵を1つ巣から落としたんだ」

「これで数が合うもんね。賢いね。
そして落とした卵を食べてたもんね。
証拠を残さないタイプ」

「しかもたった10秒のシワザ」
「なんと早わざ」

次の日もリスたちは観察しています

「モズのお母さんずっと巣の中の卵をあたためているね」

「お母さんがエサを取りに行けないからお父さんがエサを運んできてくれるんだね」

「1日に70回ぐらいエサを運んでくるんだよ」
「お父さんとお母さんで協力して子育てするんだね」


何も知らないモズはカッコウの卵をあたためています。


9日後

「どうやら1つだけ卵からヒナ🐣がかえったようだよ」

赤はだかでかわいくないヒナが産まれました。

「お父さんとお母さんがヒナにエサをあげてるね」

一番最初に産まれたのはカッコウのヒナ。
モズの卵はヒナになるまで2週間ほどかかるのに、カッコウの卵はずっと早く9日でヒナがかえります。 

「そしてね…カッコウのヒナは産まれてすぐに、とっても恐い顔してモズの卵を背中に乗せて巣の外に捨てたんだよ。
目もまだ見えてないし、力もないくせにまるで、

悪魔のような顔をしてたよ。」

「ずっと親を独り占めできるね」

次の日もその次の日もリスは観察しました

「モズのお父さんとお母さんがカッコウのヒナにエサを運んできたよ」
「親を独り占めしてエサもたくさん食べれるわ」
「そりゃあ大きくなるわけだ」

1週間もするとカッコウのヒナはモズのお母さんより大きくなります。

「なんかおかしな光景だねぇ」
「巣も狭くなってるし」
「でもなんでモズのお母さん気がつかないんだろう?自分の子供じゃないのに」

「カッコウの口の中は鮮やかなオレンジ色で、親鳥はこの色を見るとエサをあげたくなるみたいだよ」

数日後

親よりも大きくなって巣からはみでるくらい大きくなると、巣から出て枝にとまって「ピィ~ピィ~」と鳴くと
モズの親がその声を聞きつけて、
まだエサをあげてくれます。

「いつまでもモズの親にお世話かけるんだね。自分の子供殺されてるのにモズかわいそう」

「カッコウの親は子育てしないの?」
「他の鳥に子育てさせるんだよ。
〔托卵(たくらん)〕っていうんだよ」

そのまた数日後

「もうカッコウのヒナ、自分でエサをとれるようになると〔ピィ~ピィ~〕とモズの親を呼ばなくなったね」

「あれ?森の中から
〔カッコウ~カッコウ~〕って聞こえたね」

「あの子かな?
きっと〔育ててくれてありがとう〕って言ってるんだろうね」

「だまされたモズはどう思ってるんだろう?」

「モズは優しいお人好しに見えるけど、実は…モズも恐いことをしてるんだよ」

「えっ!だまされるところだった」

「〔モズのはやにえ〕っていうんだけど、昆虫・ネズミ・トカゲ・カエルなどの獲物をくちばしで攻撃して捕まえて、木の枝や有刺鉄線に刺してジワジワ食べるんだよ。
それもカエルだったら内臓だけとか、
コオロギだったら頭だけとか好みの部位だけ食べるんだって」

「刺さってる昆虫たちかわいそう。
えげつないわぁ~
悪魔のしわざみたい!」

「そんな話聞くと、カッコウが悪者に思えなくなってきた」

「だけどその〔はやにえ〕もカッコウのヒナにあげるためだよ」

「んん~ん、
もう冬眠したくなっちゃった」


THE END

追記…半分事実に基づいて作成。
  気持ち悪い画像ですみません。
  絵が書けたら絵本にしたかったん
  ですが‥絵心無しなので💦
  読んでくれてありがとう 
  ございます。
  ブラック童話作るの楽しい
  です。
  ほのぼの系も書きますが(笑)

童話 No.1
  

同じ感性の方と分かち合いたい。 すべては必然的な縁ですね。 今後ともよろしくお願いします。