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就活で得た気づきと反省

コロナ期に就活生だった人間の感情は
きっと残しておく価値がある。

今年度の新卒採用枠はかなり削られた。
大手企業は去年から新卒生の囲い込みを始め、
先月で選考を締め切ったところもある。

よって、今現在内定が出ていない四年生は
かなり路頭に迷っている状況。

自分のやりたいことを言語化して
それぞれの企業向けにカスタマイズし
魅力的なプレゼンテーションをする。

高校受験や大学入試と違って
コミュニケーション能力や人間性が問われ、
人生の密度を測られるのが就活だった。

人生密度の計測法は多様だが
最も重要なのは傾聴と要約力だった。

目の前にいる人の話を聞いて意図を理解し、
それを異なる言葉で言い換える。
カウンセリングなどで使われるこの傾聴という
技法は、心理的に安心感を与えるとされている。というのも、人は自分の意思表示を
汲み取って適切に応答してくれる他者に対して
本能的に愛着を抱くからだ。

赤ちゃんの時、泣いている自分を抱き上げた
母親の温もりを今もなお感じたいのかもしれない。



ところで私の周囲にいる就活がうまくいって
いない人にはとある共通点がある。

彼ら、彼女たちはみな話すのがとても上手い。
話す技術や持っている知識、目標のレベルは
誰よりも優れているのに、内定を貰えない。

一見就活で有利に見える「自分のことを
話すのが得意な人」が途方に暮れているのだ。

彼らに足りないものは何なのかを考えたとき
やはり「傾聴」の技術が大切だいうことに
気付いた。

内定とは能力を買われることではなく
面接官との信頼関係が形となったものだ。

実際学歴やTOEICの点数などはあまり
影響せず、情緒的な絆の感覚が重要だ。


その証拠に、私が「この人といると心地よい」
と感じる人たちはみんな早々に大手企業から
内定を貰っていた。

一緒にいたい人は、私を受容してくれる人だ。
私の言葉に対して気持ち良い相槌を打って
くれて、良いタイミングで笑ってくれて
私の人生の出来事に関心を向けてくれる人だ。

就活がうまくいく人は本来目立たない。
人の話を聞くことは、簡単なようで
忍耐と訓練が必要なスキルだと分かった。


ここから私が得た気づきは、
自分のことに囚われると損をする
ということだ。

私は自分に囚われすぎていた。
容姿も能力も知能もなにもかも
自分のために磨きあげようとしていた。

でも、自分のために作り上げたものは
どこか空虚でつまらなかった。
自分のためにいくらエネルギーを使っても
心は満たされなかった。
人に褒められたい、憧れられたい
その一心で努力しても返って疲れるし傷ついた。

私という存在は私だけのためにあるという
エゴイストとして生きていた。

相手から承認されることで自分の価値を
作ろうと必死だった。
自分を大切にしなかった。道具みたいに
自分をコントロールしようとしていた。


一緒にいて心地よいあの人たちが持っていて
私が持っていないものは、相手と自分を
承認する強さだった。


あなたはここにいてよい存在だ。
そして、私もここにいてよい存在だ。


就活で得た気づきと反省。
それは承認力の大切さと
自分のことに囚われる自分自身の姿。

私を私から解放し、
相手にとっていつでも帰りたくなるような
温かい拠り所になりたい。
そのために、自分に囚われて生きる日々を
やめにした。



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