見出し画像

臨床心理士がメンタルヘルス不調で仕事を休んでる間の過ごし方について考えてみた

「思いきって休職してみたんですけど、休職中どう過ごしたらいいのかわからなくてつらいです」

休職している方から、そんな相談をよく受けることがあります。
こんにちは、臨床心理士のなた。です。
私は働く人のカウンセリングにかかわることが多い心理職です。

今日は仕事を休んでいる間の過ごし方について、
私が普段お話していることなどをもとに記事を書いていきたいと思います。

ちなみに、結構長い文章になっています(10,000字強)
なので、今休職中の方などは無理せず、
時間や余裕がある時など、少しずつ参考にいただけたらと思います。

ひとりひとりの仕事を休むに至った経緯や、休みはじめの状態、
置かれている状況などによっても、過ごし方が変わる部分はありますが、
ひとつの目安として参考にしていただければ何よりです。

「正解の過ごし方」があるわけじゃないですが、この辺りを意識して、
どんなふうに過ごすかを考えていただくと良いかなというところです。

1・数字で見る「職場とメンタルヘルス」

職場のメンタルヘルスや休職・復職に関する調査を見てみると、
こんな数字が報告されています。

・約6割の事業所でメンタルヘルスの問題を抱えている労働者がいる
・過去3年間にメンタルヘルスの問題を理由に病気休職制度で休職した人の割合は33.1%
・過去3年間で病気休職制度を利用した人の中で、メンタルヘルスを理由とした退職率は42.3%

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JI LPT)

「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査(2013)」

・過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は6.7%、退職した労働者がいた事業所は約5.8%
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は59.2%(過去5年間横ばい)
・職場復帰における支援(職場復帰支援プログラムの策定含む)の取組を行っている事業所は22.5%(平成29年は18.9%)

厚生労働省「労働安全衛生調査(平成30年)」

簡単にいうと、以下のようなことがわかります。
・メンタルヘルス不調で仕事を休む人や辞める人は決して少なくはない
・職場復帰支援についてケアができている職場はそれほど多くはない

メンタルヘルスに関する取り組みの重要性は感じつつも、職場として十分に対応ができない現状が課題としてありますね。

また、休職に入る際に、主治医から「まずは3か月休んでみましょう」などと診断書を書いてもらっている人も案外多いかと思います。

しかし、「まずは3か月休む」と言われても、その期間をどう過ごしていいかわからなくなってしまう人は案外多いんですよね。

この辺り主治医のスタンスも人それぞれです。
どう過ごすかなどををよく一緒に検討してくださる方もいれば、
症状と薬物療法に重きをおいている方など様々な印象です。

「休む」と言われても元気な時に休日を過ごすわけではなく、本来仕事をしているはずの時に休むとなると、なおさらどうしていいかわからない、
まして、これから先は仕事に復帰することがあるとなると、
ちゃんと復帰できるんだろうか、また同じところでやっていけるんだろうか、
復帰してもまた同じように過ごすのは辛い、でも早く戻らないと迷惑かけるし、
迷惑かけた中に戻るのもきついし・・
そんな不安や焦りの中で「休む」のもなかなか難しいものだとも思います。

このように自力でなんとか復職に向けて準備をしなくてはいけないという現状も少なからずある中で、不安や焦りもあると、
冒頭のように「どう過ごしていいかわからない」という心情にたどり着くのも無理ないように思います。

2・仕事の「休み方」の種類

また、穏やかに給食に入るというよりは、余裕もない状況で引き継ぎなども十分できるわけではなく休みにはいる人も少なくはないので、
実は自分がどのような形で休んでいるか把握していない場合も少なくありません。

仕事の休み方は、職場にもよりますが以下のようなパターンがあります

1)有給休暇で数日から数週間を短期で休む
2)有給休暇を使い切っている場合は、病気休暇(私傷病休暇など)で休む
※期間など組織によります。例)90日程度休業可能で、給料は支給される
3)病気休暇の期間を超えた場合は、休職で休む
※給与が職場から支給されない場合は、加入している健康保険から「傷病手当金」が支給される場合もあります

休み方は、職場によって必要な手続きや期間などが異なるので、自分の職場の就業規則を確認したり、人事担当者に確認したりしてみてください。

この「休み方」がなぜ大事かというと、お金がどの程度もらえるかどうかや、復帰の仕方などが異なる場合もあるからです。

職場にもよりますが、病気休暇の期間であれば産業医面談は不要だけど、3の休職期間に入った場合は産業医面談や復職のための判定会議が必要な場合などもあります。

会社の規模や体制によってもこの辺りは結構変わってきますので、
ご自身の所属組織がどのような体制をとっているかはチェックしておきたいところです。

具体的には、以下のような項目は確認しておきたいところです。

仕事を休んでいる時に確認しておきたい5つのこと
□ 仕事を休める期間
□ 仕事の休み方(有給休暇、病気休暇、休職)
□ 休んでいる間にお金がもらえるかどうか
□ 仕事を休んでいる間の必要な手続きや書類
□ 休んでいる間の職場との連絡の方法、頻度

筆者作成

3・休職を3つの時期にわけて考える

職場復帰支援については、厚労省の心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きにおいて、休業から職場復帰まで5つのステップで紹介がされています。

第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ

「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・サポートサイト」なんかも参考になります。

この1〜5ステップですが、第1ステップが休み初めなのですが、第2ステップでは主治医から復帰可能の診断が出るというものになっています。

しかし、第1ステップの期間、つまり「仕事の休み初め〜復帰をしようと思うまで」の期間にも区分けが必要かなと個人的には考えています。

今回は休職している期間を3つの時期に分けて話をしますが、主に第1ステップ(休み始めた時期)の時期の過ごし方を3つに分割したと思ってください。

1)仕事を休み始めた直後の時期
2)仕事を休み始めて、「休むモード」になってきた時期
3)そろそろ仕事をしてもいいかなと思い始める時期

筆者作成

それぞれの時期に応じて、気持ちのあり方や過ごし方についても変わってくると思うので、自分自身が今どの時期にいるのかを照らしあわせながら、過ごし方を確認してみてください。

4・仕事を休み始めですぐの時期


「明日から仕事を休みます」

休み始めの日、職場には行かず、仕事を休んだとしても、頭の中まで簡単に切り替わるわけでもありません。

「いつもならこの時間は会議をしているなぁ」

「●●の案件で連絡するはずだったなぁ」

「周りに迷惑をかけてしまったなぁ」

身体は家にあっても、気持ちが落ち着かなったり、ついついメールを見てしまったり、休みたての時期は仕事モードを引きずったままの人も少なくありません。

加えて、職場から「●●はどうなんてるんだっけ」なんて電話がかかってきたり、ついつい引き継ぎしきれなかったことを電話で伝えたりすることもあります。

厳密にはそのやり取り自体が「仕事」になることも多く、労務管理上ではお勧めはできませんが、休み始めた直後は現実的にはこのようなやり取りが発生してしまう場合も少なくはありません。

したがって、仕事を休み始めた時期は、なかなか頭が切り替わらなかったりしがちです。どうしてもしなくてはならない場合は、メールを見る機会は1日1回にするとか、かかってきた電話はすぐにでずに自分のタイミングで折り返すとか、意識的に「休む」ように過ごし方を工夫してみましょう。

なぜなら、あなたは就業中ではなく、休んでいるのですから。
この時期は仕事からちゃんと離れることが結構難しい人も少なくないような印象があります。

「自分の好きなことをしているのはいいですか?」
なんて質問もよく受けます。

趣味を嗜んだり、人と連絡をしたり、外出したり、人に会ったり、これらの負担感には個人差もあります。

休みに入りたては、疲労困憊でエネルギーが消費している人も多いものです。
なので、好きなことをすることをとめませんが、負担が少ない過ごし方や、身体を休めてエネルギーを充電するような過ごし方を、意識してみてください。

仕事から離れて、休むことが休み始めの大事なポイントです。
ここで「休む」ってどうしたらいいかわからないという相談も実は結構あるものです。

必ずしもこれが正解ともいえないですが、以下のようなことを提示してどんなことを意識して「休む」かを一緒に考えたりすることはあります。

・「休みはじめの時期」に心がけてみること
□ 睡眠時間の確保
□ 生活リズムを整える(昼夜逆転は避ける)
□ 仕事に関する刺激はなるべく避け、やむなく仕事する場合は時間を限定する □ 頭に情報をいれすぎない(読書、映像、音楽などを負担に感じる人もいます
□ 食事はバランスよくとる
□ 家事も少し控えめにする(手の抜き方も覚えましょう)
□ 予定は無理のない範囲で、詰め込みすぎずに、ゆとりを持つ

筆者作成

一人暮らしでも、そうでなくても、休む前くらいに「家事ができなくなっていた」という方は結構多いような印象があるので、休むかどうかを考えるときにこの辺りを基準の一つに考えることもあります。

もちろん、家事を完璧にこなすというのは難しいので、その人なりの家事の仕方、です。

このように休職仕立ての時期は「治療に専念して回復を目指すためのエネルギーを充電する時期」とも言えるかと思います。

5・仕事を休み始めて、「休むモード」になってきた時期


仕事から離れて身体を休め始めると、少しずつ「休んでもいいんだ」という気持ちになってくるようです。

個人差はありますが、1週間程度で休める人もいれば、数週間から数カ月気持ちが休めない人もいます。

焦らずに自分のペースで休んでくださいね。

この時期は「平日に無理やり休んでいる」というよりは、「休日を過ごしている」気持ちに近い感じで過ごすという人もいます。
「仕事のことが気にならないわけではないけど、今は休むことに専念しよう」
という言葉でこの時期を表現される方もいます。

ひとつ前の時期は「意識的に休む」という時期でしたが、この時期は「休めている状態」を維持できるようにしていきましょう。

過ごし方は、基本的にひとつ前の時期と同じです。
もし、家事や趣味に費やすエネルギーが出てきたら、家事をこなしたり、「楽しむ」ことにエネルギーを注いだりしてもいいかもしれません。
また、散歩などもして、身体を動かすことも増やしてみてもいいと思います。
少しずつ外出がしやすくなってくる人もいます。
このようにエネルギーが回復してくる時期でもあるかなと思います。

休みはじめの時期に、ひどく気持ちが落ち込むとか、涙が止まらないとか、いつもと違う症状があった方は、この時期はそういった症状がなく過ごせるようになることを目指せるとよいかもしれませんね。

この時期は家で過ごす時間が多い方もいますが、薬を飲んでいる方で眠気が出て昼寝をする人も少なくありません。短時間の睡眠はよいかと思いますが、寝すぎてしまうと夜眠れなくなる人もいるので、パワーナップ程度を意識して、15分-30分程度にとどめる方がいいかもしれません。

パワーナップについて
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/15/news003.html

ここまでの時期は、基本的に「よく休む」時期です。メンタルヘルス不調で体調を崩す人は、休むことが苦手な方が多いようにも思います。

自分にとって、どう休むことがいいペースを保てそうかなど、改めて考えてみてください。

6・そろそろ仕事をしてもいいかなと思い始める時期

十分エネルギーが回復してくると、
「そろそろ、仕事に戻ろうかな」
「家で過ごすのも飽きてきたし、働こうかな」
こんな風に考え始めて、主治医と復帰のタイミングを検討し始める人もいます。

エネルギーの回復の時期の後半でもあり、復職の準備を考え始める時期です。

ただ、中には体調やエネルギーが回復したというよりは、休み始めて「3カ月」という「時期」を目安に復帰を考える人も少なくないように感じます。
それは、主治医に3カ月休んでみようといわれていたり、病気休暇で休める期間が3カ月程度である場合だったりが、理由に挙げられるかと思います。

・病気休暇期間であれば、主治医が「復職可能」の診断書を出してくれれば即日復職となるが、休職になると復職判定会議を行わないと復帰ができない

・休職に入ると傷病手当は出るけど、給料満額とはいかないので収入が下がる

病気休暇期間内に復帰を考えたい気持ちとしては、この辺りを話す方がいらっしゃいます。

とはいえ、「3カ月時点」が必ずしも「働ける状態」にあるとは限りません。生活リズムの改善や外出の可否、満員電車や人が集まる場所へ外出できるか、集中して作業をこなすことが可能かなど、働く上での機能が回復しているかは復帰の可否を考えるうえで大事なカギとなります。

「気持ちの落ち込みや意欲の低下など症状が落ち着いて少しずつエネルギーが湧いてきた状態」はイコール「仕事ができる状態」とは限りません。

休職や復職を考える上で最も大事なポイントでもあるかと思います。

症状が落ち着いたので復帰します、という方の話をよく聞いてみると、
「朝は仕事に間に合う時間には起きられていないけど、仕事が始まれば起きられる気がします」とか「休んでいる間はほとんど人にも会わなかったし、外出もしなかったけど落ち着いたので仕事大丈夫だと思います」という話を耳にすることが結構あります。

「義務感が生じればある程度頑張れる」というのは私も心情は理解できます。

しかし、普段の生活でも朝いつも起きている時間より1時間早く起きるって結構大変じゃないですか(当社比)

まして、復職後は自由に自分のペースで過ごせるわけではなく、決められた時間を決められた場所で過ごし、場合によってはやりたいわけでもない業務だったり、期限がある仕事、友達や家族とは違う一定の気を使う人たちとのコミュニケーションや、出勤・退勤の満員電車やラッシュ、集中力や思考力など、かなり負荷がかかる状態です。

「気持ちの落ち込みや意欲の低下など症状が落ち着いて少しずつエネルギーが湧いてきた状態」は、「仕事を始めるための準備を進めることができる状態」であると考えます。

泳ぐ前の準備運動をしっかりしないと、泳いでいる間に足をつったりする危険があることにも似ているかもしれません。

仕事をしようという意欲やエネルギーが回復してきているのは喜ばしいことです。
しかし、そこで焦ってすぐに仕事に戻るのではなく、もう1段階「働ける状態」に身体を慣らすことも大事にしてほしいです。

働ける状態に至っていない中で復帰をして、負荷に耐えきれずに、再休職になってしまうことも少なくありません。

じゃあ、その「働ける状態」に至る基準はなんなんだということもあるかと思います。

意欲やエネルギーが回復して、復帰を考え始めたら、「休日モード」ではなく復職に向けて「仕事モード」で過ごしてみるいわゆる「復職訓練期間」を経ることが、再休職を防ぐことに繋がると考えます。

具体的には以下のようなことが整っているかどうかを検討します。

復職を考え始めた時期のチェックリスト
□ 出勤に間に合う時間に起きられるか(その起床時間に合わせて就寝できるか)
□ 実際に出勤する時間に着替えて、家を出られるか
□ 日中に家以外で過ごせるか(図書館、勉強会、カルチャースクールなど)
□ 体力の維持(休んでる間に体力が落ちて、復帰後に疲れやす人は結構います)
□ 親しい人だけではなく、人と会うことが可能
□ 情報のインプット・アウトプットが可能か(本、映像、PC作業、など)
□ 就業中と同じように家事をこなせるか(不調時は家事ができなくなる人が結構多い)
□薬を飲んでいる場合は、薬の効果が安定している

筆者作成

すべて必ず整っていなくてはいけないということではありませんが、メンタルヘルスを理由とした再休職率は47.1%という調査もあり、決して少なくありません(「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立に関する調査(2013)」)

その背景には、上記が整っていない中で、期限に追われて焦って復帰することによって体調を崩している場合も多く見受けられます。

また、職場から復帰するのであれば、薬の服薬をやめるように言われ、薬を急にやめて体調を崩す人もいます。服薬については、主治医とよく相談して決めるようにしてください。

再休職すると、さらに自信をなくしたり、自分がダメだと感じたりする人も少なくありませんし、休職期間は回数を減るほどに延びていくという調査結果もあります(ソースがすぐに思い出せず)

これ以上休んでいられないと思う気持ちもあると思いますが、上記が整っている状態をどんなにどんなに少なくとも2週間(できれば1カ月以上)維持できてから、復帰を考えるようにしてみてほしいと思います。

この辺りを1人でやろうとすると、なかなか難しかったりもするので、
自分の休みに至った背景なども踏まえて、今後の復帰までのプランを一緒に考えるのも私たちの仕事でもあると考えています。

会社に保健師などがいる場合は、その方達も相談に乗ってくれることもあるかと思いますし、この辺りのサポートを人事担当者がしてくれる場合などもあります。

また、復職訓練を自分で行おうとすると、日中過ごす場所を探したり、
自分の意思だけで用事がないわけでもない中で、朝早く起きるのは難しい場合もあります。

復職訓練のためのプログラムを提供する「リワーク」というものがあります。

リワークとは、return to workの略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。

プログラムに応じて決まった時間に施設へ通うことで会社へ通勤することを想定した訓練となります。また仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後にうつ病を再発しないための疾病教育や認知行動療法などの心理療法が行われます。また、初期には久しぶりの集団生活になれるための軽スポーツやレクレーションが行われることがあります。プログラムの途中では、休職になった時の働き方や考え方を振り返ることで休職に至った要因を確認するとともに復職した時に同じ状況(休職)にならないための準備もしていきます。
1人で復職に向けてリハビリを行うときに不安を感じる場合は、主治医に相談してリワークプログラムを紹介してもらうとよいでしょう。

日本うつ病リワーク協会より

自分1人で復職に向けた取り組みを行うのはなかなか難しいものです。
費用や内容は提供する機関によって無料の場合から保険適用、自費など様々ですが、リワークを活用することによって再休職に至らずに落ち着いて業務を継続できている例も少なくありません。

ある調査では、リワークの効果として、再休職等に至ったのは26.7%であり、1年後の就労継続86.0%、2年後71.5%という報告もされています(厚生労働省障害者対策総合研究事業 「うつ病患者に対する復職支援体制の確立 うつ病患者に対する社会復帰プログラムに関する研究」より

リワークを必ず使うのが良いわけではありませんが、復職に際して何かしらの対策を行うことの有用性は言えるのではないかと考えられます。

8・休職に至った経緯や今後の対処法について

ここまであまり触れてきませんでしたが、復職に至った経緯の振り返りや、今後の対処方法などを検討することもとても大事です。

ただ、休職に至るほどの状況を思い返すのは結構ストレスも伴うものですし、休み始めの頃は気持ちや思考もストレスフルな状況の延長下にあることも少なくありません。

なので、この辺りの話題については、休職したての時期よりも、
ある程度復帰が見えてきた頃に話題にすることも少なくありません。

回復して、エネルギーも出てきたり、余裕が回復していると「今だったらこう思えるんですけどね」という発言をされる方もすくはくありません。

必ずしも復職直前というわけではありませんが、ストレスフルな状況から気持ちの面でも物理的にも少し距離がおける状況で考えられるといいかなと私は思っています。

ただ、忘れないでいてほしいのは、その時の自分がダメだったとか、そういうふうには思わないでいてほしいです。その時はその時なりにできることを頑張ってなんとかやっていらっしゃったんじゃないかと思うんですよね。

なので、その時の自分は自分なりにやっていたという敬意をご自身に対して持っていてほしいですし、その上で今だったらどう思えるか、というのをそれぞれ考えてあげてほしいと思います。

もちろん、改めて考えても難しいものは難しい、という場合も少なくありません。だとしたら、今までとは違う手立てを考えていくというのが尚更大事だと確認できるところでもあると思うところです。

7・復職後の過ごし方について(に関する宣伝)

これまでに述べたような流れで復職に至るわけですが、復職後についても油断は禁物です。焦りや不安がある中で、久しぶりに業務を行うことでこのまま仕事を続けていけるかということを悩む方も少なくありません。

文章も長くなってきてしまったので、復職後の過ごし方については別の機会に譲ろうと思いますが、2022年8月30日にまさにその部分に焦点をあてたイベントが開催されます。

イベントの宣伝のためのnoteかよと思った方がいたとしたら、概ねその通りです。
言い訳をすると、休職中の過ごし方については、何年か前に上記のたたき台になるような文章を書いて出さずじまいになっていたので、これを機にまとめてみた形になりました。

このイベントの当日は、復職後に焦点をあてようと考えているので、
休職中の過ごし方については、こちらにまとめてみた次第です。
当日のイベントをご覧いただいて、このnoteをご覧になる方もいると思いますし、
それ以外でたどり着く方もいると思います。

イベントの主催はAwarefyさんです。

Awarefy(アウェアファイ)は、心を整え、ありたい自分に近づくメンタルウェルネス・セルフケア・アプリです。感情や思考を記録すると、整理され気づきを得られます。専門家に監修された200種類以上のマインドフルネス瞑想やメンタルトレーニング、心理学コンテンツなどの音声によるセルフケアコンテンツも利用可能。
Awarefyは、自分と向き合いながらストレスとうまく付き合ったり心を整えてマインドフルな日々を増やすお手伝いをします。

Awarefy

Awafefyは、スマートフォンで利用できるアプリですが、対話形式の質問に答えていくだけで気持ちや考えを記録し思考整理ができる「感情メモ」の機能がついていたりして自分の気持ちや思考、行動などを記録できるのが便利ですし、認知行動療法の理論に基づいたプログラムが搭載されていたり、音声ガイドによるマインドフルネス瞑想を行うことができるなど、便利な機能がたくさん搭載されていて、結構注目をしていたものだったのでお声がけを頂けたのは嬉しいところでした(ステマのようなこと書いてますが、本気で便利だと思っているんです)

個人的には記録した内容をPDFで出力できるの便利だと思っていて、カウンセリングの際に前回お会いしてから今回までの日々の様子を記録表につけてきてもらったりすることがあるので、それがアプリで済ませられるのであれば楽ちんだと思うんですよね。

カウンセリングとかは抵抗もあるからまずは1人でやってみたいという方もいると思うので、休職や復職の中でこういうアプリケーションもうまく活用していただけるといいかなと思うんですよね。

このイベント終了後には、復職後の過ごし方のことも続けて書けたらと思っておりますので、noteでご覧になる方はしばらくお時間をいただけたらありがたいです。

見逃し配信もありますので、8月30日の夜はご都合がつかない方も、
よかったらアーカイブの見逃し配信をご覧いただけたら嬉しいです。

お申し込みや詳細については、以下よりお願いいたします。

ということで、最後に宣伝になってしまったのは恐縮ですが、休み中の過ごし方については、頭を悩ませる人も少なくないのは実際の肌感覚としてずっと感じています。

イベントをきっかけにこの記事を出すことにしたのは事実ですが、頭を悩ませる人が少なくない分、大事な話だと思っておりますので、この記事も必要な方の何かお役に立つところがありましたら何よりです。

1万文字を超えてしまいました。
ここまで読んでくださったあなたの1日が今日もいい日でありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?