野原小路

小説やエッセイを投稿していました。2024年7月からは日記をゆる〜く載せていく予定です…

野原小路

小説やエッセイを投稿していました。2024年7月からは日記をゆる〜く載せていく予定です。投稿専用です。ホームページ: https://rukuisari.dojin.com

マガジン

  • 日記

    ゆるゆる日記です。

  • 記録

    記録と参照のための日記です。

  • 小説『樹洞より』

    人間は皆、巨樹のうろから生まれる世界。母なる木を愛する純真な少年・澪は、己が胸に棲まう幻を恐れ、ふるさとの島を旅立つ――人のさがに息づく、暗く暖かな深淵を知った者たちの群像劇。《未完・更新休止》※性表現を含みます。

  • 小説『緑の縁』

    嵐と呼ばれる災いを恐れる、閑静で不穏な都市。小説家の恋人と暮らす若者・詠は、ベッドで彼の死を目の当たりにした夜、己の顔をした謎の少年と出会う。 私達とよく似ていて、少し違うからだの人類の物語。 《未完・更新休止》 ※性表現を含みます。

最近の記事

医療用帽子(ケア帽子)を自作

円形脱毛症になってしまった! 最近たくさん髪の毛が抜けて変だと思っていたら、頭頂部に丸く禿げている部分を見つけた。 しかもその部位の周りの髪だけでなく、側頭部など離れた場所の髪もどんどん抜けている。髪を1回かきあげるだけで数本抜け落ちていくし、座っているだけでも肩にパラパラ落ちてくる。朝や風呂上がりにブラッシングすると抜け毛が散らかってしまって、掃除するとでかい毛玉が作れてしまう。なんだか不気味……。 円形脱毛症は頭全体に広がる場合がたまにあるらしいが、それになっちゃったかも

    • 装丁用のロゴ作り

      最近、SKIMAでイラストやデザインの仕事を受付し始めました。 が……「こんなものがデザインできますよ〜」の見本にできる作例が、少ししかない! 特に、文芸同人誌などの装丁や装画やロゴデザインを受け付けている割には、作例も経験も足りていなくていかん……と思ったので、今、自分の技術の特訓も兼ねて「架空の同人誌の装丁」のデザインをしているところです。 架空の同人誌とはいえ、作品のイメージが何もなければ作例にも練習にもならないので、「自分が昔執筆していた小説を同人誌にするなら?」とい

      • 推しぬいに勲章を授与

        でかパガぬいにバッジをあげました。楽しかったです。という記事です。 自分のnoteの読者層をまだ把握できていないので、はじめから説明すると……。 Nintendoのアクションゲーム「スプラトゥーン」シリーズに登場する武器「スパイガジェット」が大好きだ。 スプラトゥーンは2色のチームに分かれ、水鉄砲などの武器を好きに選び、銃弾の代わりにペンキを撒き散らすスポーツ風ゲーム。 敵チームの色のペンキを浴びるとKOされてしまうが、スパイガジェットは先端からペンキを噴射しつつ、傘で防

        • 久しぶり! プラモデル

          数年間封じていたプラモデル趣味を再開しました! わーい! なぜ封じていたかって? ハマると時間とお金がかかりすぎて怖いからだよ〜! ……真面目な話をすると、この何年間か娯楽への気持ちに余裕がなかったので、たくさんあった趣味の一部を減らしていたのでした。 最近ちょっと気分が良くなってきたので、何年ぶりかのプラモデルを買ってしまった。このシリーズは割とお手頃価格、中身もシンプル設計のようで、久しぶりにやるにはとっつきやすそう。 もともと美少女メカ系のフィギュアやプラモが趣味だ

        医療用帽子(ケア帽子)を自作

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        • 日記
          7本
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          3本
        • 小説『樹洞より』
          5本
        • 小説『緑の縁』
          4本

        記事

          ポメさん……

          2019年に購入し、小説の執筆やデータ整理に使っていたポメさん(キングジム pomeraDM30)が、とうとう故障してしまった。ポメさん……。 先週、いつも通りポメさんを書き物に使っていて、数分ほど目を離していたら……いつのまにか、画面の真ん中あたりに謎の縦線が。 なんだろうかと思い、画面のリフレッシュや再起動、電池の抜き差し、リセットなどを試してみたものの。 謎の縦線のノイズは、周りの色を反転したような具合で、文字の上でも余白の上でもかまわず表示されている。 しかもこの

          ポメさん……

          装丁のあとがき

          少し前に二次創作の短編小説を書いた。今日それを豆本にして、自分のホームページに印刷用データを置いた。 もともと一次創作ばかりやっていたけど、二次創作してる方々の楽しく熱中している様子は、オールジャンルの同人イベントで見て憧れていたから、自分もそんな楽しいことをしたくて……特に、無配やネットプリントのようなものを作るのをずっとやりたかった。でも、そこまで熱烈に一作品にはまることがなかったから、別世界のことみたいに思っていた。 ところがこの1年くらい、とある作品にすごく熱中する

          装丁のあとがき

          マックでエグチからエグチを抜いてもらった

          嘘みたいなタイトルだけど、本当なんだ。信じて! こんにちは。私はマックに行くと、ほとんどいつもこの4点セットを頼みます(自己紹介)。 ハンバーガー ハンバーガー ホットティーMサイズ フライドポテトS〜Mサイズ まず、マックの普通のハンバーガー(ハッピーセットのところに載っている一番安いバーガー)が大好きで、かなりボリュームの少ないバーガーであるため一度に2個頼む。 そして、飲み物は必ずホットティー。夏でも必ずホットティー。氷のたくさん入った飲み物と紅茶以外のカ

          マックでエグチからエグチを抜いてもらった

          気まぐれおはじきコレクション

          iPhoneの「ヘルスケア」アプリに体重を入力していたら、「心の状態」という記録項目があることに気づいた。 日々の気分を記録するものらしくて、どんなものなんだ? と触ってみたら、これが結構面白い。 まず「今どのように感じていますか」を選ぶ。 するとこんなマークが出てくる。 良い気分の時は、このバーを右にスライドさせる。するとマークが暖色になり、花の形に変わる。 嫌な気分の時は、このバーを左にスライドさせる。マークは寒色になり、トゲトゲの形に変わる。 説明のために、今回

          気まぐれおはじきコレクション

          書いて消せる板を買った

          今日は書いて消せる板を買ったよ! 黒地に緑の線が描けて、ボタンを押すと消せるアレ。 電子メモと言いたいところだけど、ポメラやWG-PN1を持ってるので、なんか言い分けたい気分……。 というわけでコイツは「書いて消せる板」です。いや長い。「消し板」って呼ぼう(?) メモは紙派なので、こういう「消し板」には元々興味がなかったのだけど……ふと思いついたことがあったので買って、こんな使い方をしてみてる。 そう! コイツはツイッ…エッ…スカイだったのだ! 使い方は簡単、呟きを書い

          書いて消せる板を買った

          ライブへ行き、音楽になり、不死身になった

          死後の夢がある。将来の夢みたいな感じで。死後の夢は、音楽になることです。 私はこの人生に満足している。それはそうとして人生は全てむなしい。RPGのゲームに、セーブスロットがいくつかあったりする。あれのひとつが自分のこの人生だとしたら、別のセーブスロットだったらよかったな、と時々思う。そんなゲーマーの喩えじゃなくても、世の中のたくさんの人が、「異性に生まれていたらどんな人生だったかな」「外国に生まれていればどんな生き方をしていただろう」と、自我への悩みとは無縁なところで思い浮

          ライブへ行き、音楽になり、不死身になった

          緑の縁(4)

           窓の外には夜景があった。  薄暗い路地の向こうで、無数のネオンと看板が光っていた。ピンクやオレンジやシアンの電灯のそれぞれが、一番の眩しさを競り合い、色の違いを主張しようとしている。けれども、そのどれもが事切れる時を恐れていて、疲労と寂しさで互いに似通い合ってしまう。  その夜景の色は、この街のものでなければ、この窓から見えるべきものでもなかった。  珠の部屋の窓から見える景色は、すぐ側にある理髪店の、レンガを模したタイルの壁に遮られているはずだった。あたしたちがこのアパ

          緑の縁(4)

          緑の縁(3)

          【彼が私と共に、たとえ褥の上に在ったとしても、私の最奥を見ることがないのは知っている。それでも私は、彼の窓を、深く深く覗き込むことを願うのだ。】  珠の書いた小説で、キスの見せる幻覚が窓に喩えられていたことを思い出す。  窓は外の世界を覗くためのもので、キスもそれと同じだった。人間の喉が出す精液だけに、魔法のような力か、特殊な成分か何かが入っていて、触れた人に持ち主の心象風景を味わわせる。  それが、神様のような不思議な存在の意図なのか、ただの偶然なのか、考えてみても分から

          緑の縁(3)

          緑の縁(2)

           あたしの部屋の窓は、一日じゅう曇るようになった。  割れた窓の替えは、白っぽい磨りガラスになった。それはあたしの選んだものだった。ガラス屋の土間には、透明な窓、網の入った窓、ぷつぷつの粒模様で埋め尽くされた窓、それを背景にもみじや小花の彫られた窓が並べられていた。あたしはその中で一番透けていない、肌理の細かい磨りガラスの窓を選んだ。外が見えなくてもいいのと珠が尋ねて、それでいいよと答えた。  それが一週間前のことだったけれど、窓の曇っていることにはまだ慣れていない。半透明の

          緑の縁(2)

          緑の縁(1)

           窓が割れて、緑色の線になる。  木の生き方を真似するみたいな線でガラスが割れていく。割れて露わになった縁は目を刺すような緑色に光っている。割れ終わったあともガラスの縁は緑色の光を出していた。あたしは窓という透明なからだのものに血が通っていたことに驚いた。 「嵐かもしれない」  背後で珠の声がした。開けっ放しの部屋のドアから、廊下に珠が立っているのが見えた。 「窓、それ、割れたの?」  珠の声が続く。廊下の暗がりの中に表情は見えなくて、それでも珠の気持ちが伝わってきた。高い背

          緑の縁(1)

          『樹洞より』5・別れ銀杏

          とわの瞳 初めて澪に呼ばれた日のことは、この身がどんな姿になっても覚えているだろう。  その日、木霊のやつらがひどく騒いでいたから、俺は昼寝を諦めた。無遠慮な木こりでも来たのかと思って声のする方へ向かえば、やつらがひとところに集まって、うじゃうじゃと雲の体を蠢かせていた。その白色の中に、澪がいた。  吊った目つきの、瞳の色は銀杏だった。秋の終わり、銀杏の葉はあんな黄色に向かっていって、辿り着いたものから地べたに落ち、重なり、潰える。その時の黄色を、ずっと閉じ込めたみたいな目

          『樹洞より』5・別れ銀杏

          『樹洞より』4・べにの間

          春の胸 春の始まりの暖かさは、きっと世界のどこであっても、胸に心地良いものなのでしょう。  遠ヶ崎の街で迎える春は、山深い巻砂のものと比べれば、幾分か知ることの難しいものです。目白の集う桜の木も、花の房をたわわに下げた小米柳も、巻砂ではありふれていたものでした。しかしこの街では、よそのお店の庭を覗いて、やっと見ることのできるものたちです。  それでも、道行く人々の表情が和らいでいること、お日様が早く顔を出し遅くに去っていくことに、私は心を暖かくせずにはいられないのです。 (今

          『樹洞より』4・べにの間