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自由律

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#ポエム

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たとえ黙れって言われても黙れないし黙ろうとも思わない

この空を覚えておこう わたくしの尊厳が小さく破られたから

「今になって」は遅いよ あなた/自分の声だけが足元に落ちる

見つけられるかな ほつれた前に並ぶ人の群れ 今ここで

それなりの踏み潰し方 なんてない 必死さを奪うことは恥

秋晴れ 笑い声さえ乾いていく すっかり汚れた爪先

10

10

○すみませんなんて言葉大嫌いなの呼吸するように言えるけど

○埋もれるように眠る 連鎖する 道具にされたこと

○平和ボケなんかしていない俺のどこを見て言っている

○管理 完成 願望 幸福 唯一新しいのは季節だけ

○政治的になるとみんなダメみたい 馬鹿みたい

○私が悪うござんした二度と絡んでくるんじゃねえぞ

○媒体 伐採 健忘 桑の実 明日のための息遣い

○ずっと一緒にいられる方が普通な

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6+α

6+α

過ぎ去った春にも気付かず まともなのは薬にまみれても美しい公園の花だけ

均等な距離感で何事もなかったかのように自己責任で進めという はしごを外す音

ひっそりと剥き出しになるコンクリートが息をする

すべての景色が強烈 怖がりは見ないふり せめて逃げ場があれば

ずっと鳴り響くことは 思い思いに掲げるだけ 真っ青な空

真似できないから取り繕う 気にしないように これは取り扱い注意 嘘ついたら針

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5

○校庭で追いかけ回す 先生 センセーション 情報の出入り口 スプリンクラーだけが笑う

○上も下もなく 加工 下降 気流に乗り すっかり薄くなった爪を噛む

○嘘つき誰だ 世界 どんな風に あれから変わったのか 答えなど最初からない

○商売道具のからくり 身体の一部になる鳴るバレる 湿る空気を仕舞う

○白昼の満月 午後だけがゆるやかになる あの空き地は私のものだったのに

7

7

○おそらく少しずつズレて そのデフォルトがおかしい僕等
○春のしつらえに向かうよ 遊びに行けない代わりに
○風に乗れば紛れていける そのまま流れるいとおしさ
○握りしめて力を失って 取り戻して揺られる春の雨
○大丈夫何があっても最後まで 味方でいるからそれは起きてくる
○完全に直線を進んだとしても 転ぶにも転べない
○3月の夜と心配 霧散に消えれば約束手形のように

6(2022春)

6(2022春)

○善悪もなく縦横もない左右もない 空駆ける 広がれば良いものでもない 香りのする花をください
○正直者はバカを見るというがそうじゃないと見れない夢もある 午睡 春から落ちる
○おうおうに降ってくる 怖いことないと陽気に守れるように 小さな手を再び握る
○プリント裏の落書き はらはらとなぞる 桜のシャワーだったら早く家に帰って浴びたい
○複雑になっていくと限りがない 小さな争いが起きる 目の当たりに

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8

○大事なのはそこを動かすことではない言葉にならない

○低体温防ぐ 落ちているビニール袋に叱られた気分になる

○どんな時でもあふれかえるこぼれるとめどない誰かいっそ止めてくれないか

○暗闇の中の疲弊 吐露の意味 劣勢に傾く明後日へ捨てろ

○いつか死んでかえっていく だから一度くらい両の足で立たなければ

○埋まらない埋めさせられない わかりあえないからこそ僕ら

○宛名を書かず育った土地に手

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7

7

○どうしてこんな世の中になったのか結局戦争が続いてしまっている気がする
○歪んでいない 手折るとまだ瑞々しい松葉
○言い訳の影で 早く調べれば良いと 急き立てられる
○戻らなくてもいいから進みを止める薬が欲しい
○拙速に過ぎる 今世のことしか頭にない
○すてきなおとぎ話 どうせならぜんぶ見せようと足掻く
○浮いたような泣いたような 立ち止まると怖いのがよくわかった

十の音色

道の終着点が見えないけれど
もうすぐ終わるのかなって思う
インスタントカメラを携えて
こっそり戻って写真に収めていた

街並みは変わることを
実感として初めて知った14歳

緑色の大きなまんまるが目の前に現れた
あの光はなんだったのだろう

昔居た場所に行けば
終わることができるとどこかで思っていたけれど
そんなことは全然なくて
ずっとこの胸の痛みは消えない

傷口を縫い尽くして
それでも足りない

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○きっときっと無理がないようにしましょうね
私の菓子だけ鉄の味

○わかっていないと気が済まない
理に適っていないと癇癪を起こす

○健康に良いと余力を振り絞って宣伝している

○チラシ裏に書き殴る 自分に向けたら ただの攻撃

○はははと調整後に嘲笑 喉につかえる

○買い忘れポイント忘れ 家のポットが呼ぶから早く帰りましょう

○いつも心ここにあらず 急なリアルに対応し切れない

○萎縮 抑圧

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6

おうおうと鳴く地 12月を見護る

悪人ではない証明 体温計の鈍くなる音

Wi-Fi 傀儡 見えない絆

身分相応 未来 騒音になり唇を噛む

揚げ足取り 米粒が足裏につく不快さに酷似

畦道横断する ちっぽけだと でもまたここから

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○深夜にわかる冬の地響き 木枯らしの気配

○あてもない それでも探す 元通りにしたい

○換気期間 利かん気が強い 犯人はあいつです

○サウンドトラック 陽気になれる動画 灰皿に集まる

○交代後退抗体 爪弾くと割れそう 深夜のことば遊び

○ギリギリのギリ 溜息 白くなる季節到来

○行きたい場所ってなに 誰も強要していない寝不足 西へ東へ

15

15

●みんな一緒は絶対嫌 でもみんなで助かりたい 単純なことだ 望んで良いか?

●始めるのは億劫 終わらせるのは愉快

●呼吸が上手じゃない 夏休み 畳の匂い 泣き方すら奪われ

●恣意的 安いぞ僕ら 質の悪いアルコールのようだ

●目を背ける 寝言 どうしてここに来て、ふりかざす?

●繰り返される戦争 全然終わっていない だってどこかに必ず潜んでいる

●夏よ 安心して眠らせてくれ 雨の振り方だ

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嘘の光は吐瀉物に紛れるように

あの子が憎いと泣く6歳の私よ

手書きの文字が好き声滲むから

どこにいても精霊と遊べる子らよ

垣根を越える力があれば自由

叱られても塀の上を駆け抜けていく猫のように

一瞬透けてまた戻る春の宵闇

泣き出してしまうのは強いからと言い聞かすペンだこが痛む

何もわからなくてもいいのにと心から思う

咲いて最低 花弁凍らす さあ反撃の始まり