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自由律

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いまの迷路 100年後にわかるという 無益をすり減らす

ぎゅうぎゅうに詰め込む 誰の肉も 落ちこぼれないように

置いてけぼりの気分 追い越し追いつけと拡声器 わたしもう動けない

千の空の呼吸 熱気に散らばった 戻れないならせめて返してほしい

わからなくていいなんて重すぎる それだけ 繰り返されるようだ 空しい

決定権 自己責任 たぶらかされた気分 だれも大人じゃないじゃない

感じるすべ

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黙っといて

黙っといて

生きることが難しそうですね そんなことないですよ はい以上

急かされると、考える時間、判断に要する時間を奪われる気がしてしまう。じっく考えたり、物事を慎重に決めるのが全く嫌いじゃない。
せかせかしたり急ぐことってなんの意味があるのだろう。
急かされたり不安を煽られるのが心底嫌なので、そういう類のものからなるべく距離を置いている。
営業の手法なのか、まあだから仕方ないとは思うのだが、「あと残り○

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からから空回りする名もなき街路樹から落ち葉

空気銃は上空を通過するが誰にも気づかれない

ギアを最大にした若者 作業靴すり減らして最後は砂利道に繋がれていく

疲弊し切ったビル群が倒れそうで怖い 足元がふらつく錯覚

最後、最後の重みを飛び越えるためにもがくひとびとを嘲笑う 俺のためだ

行く手を阻まれて言葉さえなくせば簡単にひとの首に手をかけてしまうのはなぜ

うたうような踊るような声だけで十

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○ひとつひとつ 無意味と嗤われたことをちゃんとしていこうね奪われないように

○大きくなったら手を染めてでも乗り越えたいことがあったのだろう青年は心を閉ざす

○随分と大きく出たものだ 取り締まって搾り取ってさらに金の亡者になるつもりなのだろう

○大事なことは大きなことばかりではないむしろその手のひらの中にあることばかり

○すっと静かな都会の夜マッチ売りの少女もう二度と追い出さないで

○君が

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たとえ黙れって言われても黙れないし黙ろうとも思わない

この空を覚えておこう わたくしの尊厳が小さく破られたから

「今になって」は遅いよ あなた/自分の声だけが足元に落ちる

見つけられるかな ほつれた前に並ぶ人の群れ 今ここで

それなりの踏み潰し方 なんてない 必死さを奪うことは恥

秋晴れ 笑い声さえ乾いていく すっかり汚れた爪先

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燦然と輝く嘘 あの子がやらなきゃここまで解明されなかった

どっちも手つかず お手つき 遮断機から飛び降りるカラス

午前2時 誰にも言いたくないけれど誰かに言わなくてはいけない

簡単にできると ちゃんとした人生を歩んできた君に励まされるのが少し憎い

寝た子を起こすな 幼い頃に手を差し伸べてくれた人の思想 では わたしはだあれ

責任をなすりつけ合う僕ら 嗤うと負けよ あっぷっぷ

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中指を立てて唾を吐いたかと思ったら抱きしめたいと思ったり忙しいな俺の人生は

「王国を作りたかった」蝕んで蝕まれた 赤い月

家庭 仮定 過程 嘘の養分を担っている

繋がる輪っか 笑顔の残骸 一度思い切り手を離せばいい

特定不明な操りの策士に搾取される

ハッピーエンドの続き 見せてあげるって言われてもね 反吐が出る

つけ込まれて 仕返して 手のひら返し うしろの正面 だあれ

日記 だるい

日記 だるい

意味あるの?の、行き着く先を探す。どうせ金になる。

旅先のホテルでテレビをつけると、日曜討論がやっていた。聡明そうな女性が言葉を選びながら今回の選挙中に起きた事件の影響について発言しており、参加者の中で一番鋭い指摘をしている、と思った。けれど、その女性の発言後、進行が一瞬不自然に空白になった。変なの。この変な空気を見届けたいような、どうでもいいような気持ちになる。ツイッターは剥き出しの情報(よ

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○すみませんなんて言葉大嫌いなの呼吸するように言えるけど

○埋もれるように眠る 連鎖する 道具にされたこと

○平和ボケなんかしていない俺のどこを見て言っている

○管理 完成 願望 幸福 唯一新しいのは季節だけ

○政治的になるとみんなダメみたい 馬鹿みたい

○私が悪うござんした二度と絡んでくるんじゃねえぞ

○媒体 伐採 健忘 桑の実 明日のための息遣い

○ずっと一緒にいられる方が普通な

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またねって響きが一等好き 安全な夕闇だけで良い

ベンチに赤い火の玉 煙草をこっそり吸う夜の公園 1秒でもいいから静寂が欲しい

すっかり忘れていた匂い なぜか謝ってしまうのはどうして

よく凝らして見ないとわからない 諦めないのは大事かもしれないけれど辛かったらもういい 早くおうちに帰ろう もういいから

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どちらにしても行き止まる 私の心だけ無限に続くから 想像だけひとり歩きする

試している愚か者 人間として生まれてどうして人間を見下せるのだろう

システムとリスク管理 並列回路 組み込まれて心だけ取り残される

怒気を含んだ咳 花金の夜に マッチ棒のようにそれは擦り切れて

愛しているのに光だけじゃいられなくなる どうして前へ進もうとする わけもわからずに

そうだねと頷きながら踏み潰す わかる

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6+α

6+α

過ぎ去った春にも気付かず まともなのは薬にまみれても美しい公園の花だけ

均等な距離感で何事もなかったかのように自己責任で進めという はしごを外す音

ひっそりと剥き出しになるコンクリートが息をする

すべての景色が強烈 怖がりは見ないふり せめて逃げ場があれば

ずっと鳴り響くことは 思い思いに掲げるだけ 真っ青な空

真似できないから取り繕う 気にしないように これは取り扱い注意 嘘ついたら針

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○校庭で追いかけ回す 先生 センセーション 情報の出入り口 スプリンクラーだけが笑う

○上も下もなく 加工 下降 気流に乗り すっかり薄くなった爪を噛む

○嘘つき誰だ 世界 どんな風に あれから変わったのか 答えなど最初からない

○商売道具のからくり 身体の一部になる鳴るバレる 湿る空気を仕舞う

○白昼の満月 午後だけがゆるやかになる あの空き地は私のものだったのに

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説明をしないで生きていけるならそちらが良い春の宵

擦り切れる感じがする騙していないけれど騙しているし騙されている

金輪際触れられないようにして地中に埋めてしまおう新しい出会いも嘘も

聞いたことのない生き物の声 葦高く 呆然と見上げる茜空

息を吐き出しても なにもわからない初夏は すぐそこ