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愛のギロチン(小説)

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短編小説『愛のギロチン』です。以前書いた同名の作品を大幅に加筆・修正したものになります。
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#短編小説

【小説】 愛のギロチン 21

マガジンTOPへ 21「な〜にをのんびり話し込んでやがるんだよ!」 まったくこの人は、いちい…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 16

マガジンTOPへ 16 大貫がニヤリと笑い、そして、瓶ビールを俺に向かって傾けてきた。 「そ…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 15

マガジンTOPへ 15 「……っ」 それは向かいに座る大貫が、空になったグラスをちゃぶ台に叩…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 14

マガジンTOPへ 14「なんでそんなこと言わなきゃなんねんだよ」 それまでメニューから目を…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 13

マガジンTOPへ 13 店員が持ってきた瓶ビールを大貫のグラスに傾ける。 「本当に大丈夫なん…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 12

マガジンTOPへ 12後輩に言われた言葉が頭から離れない。 ーー求人広告の仕事なんて、単な…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 11

マガジンTOPへ 11「まあ、確かに求人系ってもう微妙ですもんねえ。辞めて正解ですよ、先輩」 「え?」 俺は驚いてしまった。一回り以上年下の言葉だとは思えなかった。 「……微妙って、なにが」 「うーん、なんていうんでしょうね。僕もまだこの仕事2年くらいですけど、あんまり面白くないっていうか」 予想外の反応に、焦りとも興味とも言えない感情が頭をもたげる。 後輩は、俺はもちろん本木よりもずっと若い世代だ。一般的には俺たちの頃よりずっと「安定志向」が強まっていると

【小説】 愛のギロチン 10

マガジンTOPへ 10週の明けた月曜、俺は久々に会社に行った。 有給消化中ではあるのだが、…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 9

マガジンTOPへ 9 「肝臓って…」  繰り返す俺に、やっと大貫は視線を戻した。 「ずっと…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 8

マガジンTOPへ 8俺は何をやっているのだろうか。大貫がいま中にいる診察室の扉を見ながら考…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 7

マガジンTOPへ 7 運転手は、さすが運転手と言うべきか、ここに住み初めて長い俺でも知らな…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 6

マガジンTOPへ 6 着古したポロシャツにしわだらけのチノパン、ボサボサの髪、むくんだ顔。…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 5

マガジンTOPへ 5次の日の朝、俺は耳障りなノックの音で目を覚ました。 目を薄っすら開くと…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 4

マガジンTOPへ 4 同じアパートの住人とわかったことで多少なりとも安心した俺は、言われるまま老人に肩を貸し、立ち上がらせた。幼い頃、忙しい両親に代わり祖父母に世話してもらうことが多かった俺は、老人に対する抵抗感がない。 俺は言われるまま肩を貸し、立ち上がらせた。70代半ばくらいだろうか。いや、もしかしたら意外と若いのかもしれない。肩に回された腕は思いのほか筋肉質で、力強ささえ感じられる。だが、一緒に歩き始めると老人はうっと呻いた。思わず足を止める。 どうやら右足を