スローガン「自分の完成を急げ」
44歳初日。その数字に、またひとつ齢を重ねた事実に特に思うところなし。でも何となく、心境の変化はある気がして。
前提として人には「今」しかなく、1秒前の自分も1秒後の自分も存在しないのだけれど、人間は違う。人と人の間にはあらゆるものが棲む。誰かの記憶があなたを規定し、あなたの記憶が誰かを規定する。人は一人でも存在できるが、人間はそうではない。
10代後半か20代前半に漠然と掲げた「自分の完成を急げ」というスローガンは、至るところに綻びを生じさせながらも未だ額の中に留まり、