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愛のギロチン(小説)

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短編小説『愛のギロチン』です。以前書いた同名の作品を大幅に加筆・修正したものになります。
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記事一覧

【小説】 愛のギロチン 21

マガジンTOPへ 21「な〜にをのんびり話し込んでやがるんだよ!」 まったくこの人は、いちい…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 20

マガジンTOPへ 20「えっ、そうなんですか」 思わず驚きの声が漏れ、昭一の視線を追うよう…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 19

マガジンTOPへ 19 「事業としては、どんなことを?」 大貫がどこかへ行ってしまった後、俺…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 18

マガジンTOPへ 18 数日後、俺は大貫の職場だという「多賀岡工業」にやってきた。予想通りと…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 17

マガジンTOPへ 17 ギロチンと聞いて思い浮かぶのは当然、あれだ。フランス革命とかそういう…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 16

マガジンTOPへ 16 大貫がニヤリと笑い、そして、瓶ビールを俺に向かって傾けてきた。 「そ…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 15

マガジンTOPへ 15 「……っ」 それは向かいに座る大貫が、空になったグラスをちゃぶ台に叩きつけた音だった。その勢いで、さっき店員が運んできた小鉢が飛び上がり、着地に失敗して転がっていた。ガチャン、の正体はこれだ。その縁から、小松菜のぬたらしきものがこぼれて茶色のスジを作っている。 「お前……」 こちらを睨みつける大貫は、明らかに気分を害していた。理由がわからず黙る俺に、大貫はドスの利いた声で言った。 「お前、採用を何だと思ってやがる」 「……え?」 「俺

【小説】 愛のギロチン 14

マガジンTOPへ 14「なんでそんなこと言わなきゃなんねんだよ」 それまでメニューから目を…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 13

マガジンTOPへ 13 店員が持ってきた瓶ビールを大貫のグラスに傾ける。 「本当に大丈夫なん…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 12

マガジンTOPへ 12後輩に言われた言葉が頭から離れない。 ーー求人広告の仕事なんて、単な…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 11

マガジンTOPへ 11「まあ、確かに求人系ってもう微妙ですもんねえ。辞めて正解ですよ、先輩…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 10

マガジンTOPへ 10週の明けた月曜、俺は久々に会社に行った。 有給消化中ではあるのだが、…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 9

マガジンTOPへ 9 「肝臓って…」  繰り返す俺に、やっと大貫は視線を戻した。 「ずっと…

rou kodama
3年前
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【小説】 愛のギロチン 8

マガジンTOPへ 8俺は何をやっているのだろうか。大貫がいま中にいる診察室の扉を見ながら考える。 二日酔いで頭がうまく回らない。いや、気分が悪いぶん余計に、俺の脳内スクリーンにはドロドロした黒い感情が映し出される。本木との会合が自分の期待通りに進まなかったことが、思った以上に自分を痛めつけていた。 期待? 俺は本木にそこまで期待していたのだろうか。自分の会社を立ててブイブイ言わせている本木に、本気で誘ってもらえるとでも思っていたのだろうか。そもそもヤツの会社が具体的