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RENAの軌跡

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シンガーソングライター 鳥居れなさんの連載エッセイを、まとめました✨ 幼少期や10代の頃を、感じたままに綴られています⏳ 語り口がユニークで、一篇の物語としても楽しめます📖
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2023年4月の記事一覧

40.ゆのはな

40.ゆのはな

まっさらな心
何色の絵の具をおとして、ひとつの作品になるだろう。

無色透明の透き通ったハートになんでもかんでも吸収したら
最後は漆黒になるだろう

ひとつの人生をこの手で描くのだから
使う色は自分で吟味して選ばなくては個性が失われる。

大人になるにつれて難しくなるような気がする、人間関係。
よく1人で、人との関わり方について悩む
分からなきゃいけないことなんて本当は無いのに。

ものすごくシン

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39.存在証明

39.存在証明

いつ頃からだろうか、
誰かの心に自分の存在を残してから死にたいと思い出したのは。
誰しも生まれた瞬間から死に向かっていく
私はせっかくもらったこの命を、存分に味わって好きなように使って
色んなことを知って死んでいきたい。

こういう自分として認められたいという願望は
承認欲求が強いという言葉に置き換えられてしまうのだろうか。
わたしは【承認欲求】という言葉の使い方が
下手だなあと思う場面にしばしば

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38.不甲斐

38.不甲斐

きのう帰りの電車で、向かいに座っていた中年男性が大声で怒鳴った時も
私に宛てられた声ではなかったけれど、心臓がきゅうっと痛くなり
自分が叱られたような気持ちがした。

人混みでよけきれずに肩を強くぶつけても、
振り返ることもなく過ぎて行く東京。

もう二度と会わないかもしれない見ず知らずの誰かへ、
自分の疲労を怒りというエネルギーへ変換して投げつける大人。

空があって、道があって、風があって、花

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37.海底の石

37.海底の石

いま。 かこ。 みらい。
どんな色の空をみて、どんな匂いの風に吹かれて、
どんな人の言葉に触れて、どんな形の感情を覚えて
あなたが今日ここへ来るまでにはどんな旅があったのでしょう。

わたしはきのう、とても尊敬する方から
お前を形成してるもの全てで成り立つ鳥居れなが、
頑固なところも含めていい音楽家であり、
関わっていきたい人間であると思ってるよ
とお言葉をいただきました。

先日、私は25回目の

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