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第11回 ナポレオンの名言〜軍事的天才性によって一代にして皇帝にまで上り詰めた男の戦略・戦術論とは❓【名言と本の紹介エッセイ】


「人間を動かす2つのテコは恐怖と利益である。
剣と精神の力である。
そして、最後は精神が必ず剣に打ち勝つ。」

フランス皇帝 ナポレオン


この言葉を軍事的才能によって天下を取った彼が言うから面白い。

彼は皇帝という肩書きよりも、フランス学士院会員の方を好んでいた。

ペンは剣よりも強し。


「兵士諸君、ピラミッドの頂から4000年の歴史が諸君を見つめている。」

フランス皇帝 ナポレオン


エジプト遠征に行った時の兵士たちを前にしたスピーチ。

ナポレオンは小説家としてはイマイチだったみたいだが、兵士たちをやる気にさせるのが上手い名コピーライターだった。

優れたリーダーは、言葉に力がある。


「状況?何が状況だ。
私が状況を作り出すのだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


優れたリーダーは、必ず主導権を握ってから勝負に出る。
他者が設定した土俵では戦わない。

自分が有利になるように、勝てる状況を作り出してから無理せずに戦う。

孫子の兵法も、主導権の大切さを説いている。


「環境など何でもない。
環境とは自分で作り出すものだ。」

フランス皇帝 ナポレオン


自分で人生を切り開いていける人は、環境のせいにせず、自分に適した環境を自分で作り出してしまうものなのだろう。

その時ポイントとなるのは、強い意志を持つことと、自分の人生の主導権を自分で握ること。


「戦術とは、一点に全ての力を振るうことである。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


天才的な軍事的才能によって皇帝に上り詰めたナポレオンは、軍事に対しても様々な知見を残している。

一点集中による各個撃破、それを可能にする機動力の確保などがポイント。

現代の中小企業にも使える知恵。


「人は彼の妻、彼の家族、彼の部下に対する行為で判断される。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


一番身近な存在だからと言って、甘えてぞんざいな態度を取ったり、酷い仕打ちをしたりしていないか。

いくら上辺だけ良くても他人はそういうところを見て評価している。

身近な人からまず大切に。



「女とパリは留守にしてはだめだ。」

フランス皇帝 ナポレオン


どちらも放っておいては他人に奪られてしまう大事なものという意味だろう。

ナポレオンは女性にはモテなかったらしい。

富と権力と名声をもってしても、一人の女性の心を動かすのは難しい。

それを一番良く知っていたのは彼ではないか。


「敵意のある4つの新聞は千の銃剣よりも恐ろしい。」

フランス皇帝・軍人
ナポレオン・ボナパルト


軍事的才能によって天下を取ったナポレオンも、言論こそが最も人々を動かす力があると悟っていた。

彼自身小説を書くのが好きで、フランス皇帝の肩書よりも、フランス学士院会員の肩書の方を好んだ。


「弱き人こそ薄情である。
本当の優しさは強き人にしか期待できない。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


精神的に余裕がある人でないと、なかなか他人には優しくなれないもの。

心に余裕があれば、他人の気持ちを思いやることができる。

そういう意味で精神的な強さが大事なのだろう。

心に余裕を。


「強き人」というのは、忙しい中でも心に余裕がある人のことだと思う。

忙しさは心をなくしがちだから。

予定にあえて余白を持たせることで、心に余裕が生まれる。

人にも優しくなれるはず。


「兵法に複雑な策略などはいらない。
最も単純なものが最良なのだ。
偉大な将軍達が間違いを犯してしまうのは、難しい戦略を立て、賢く振る舞おうとするからだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


賢振るために話を難しくする必要はない。

本質を突き詰めてみると、単純なものの中に真理がある。


「幸福とはその人間の希望と才能にかなった仕事のある状態を指す。
不幸とは働くエネルギーがありながら、無為な状態にあることを指す。」

フランス皇帝・軍人    ナポレオン


優れたリーダーはチーム内が適材適所の状態になるように人一倍気を使う。

実現すれば、自分しかできない仕事に集中できる。


「指揮命令系統の統一は、
戦争において最も重要なものである。
2つの軍隊は決して同じ舞台の上に置かれてはならない。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


個々のメンバーから見た時に、2人のボスはいらない。

違う方向から別々の指示が出ると大混乱する元になる。

少人数のチームであっても同じ。


強い組織・チームとは?③

指揮系統が一本化されていて、
かつ、リーダーの指示が具体的で明確であるチーム。

多方向から異なる指示が出ていたり、
指示が曖昧で不明確だと、混乱を招くだけで各社員の能力は台無しに。

部下の将軍達に対してナポレオン曰く
「命令は具体的に❗️分かりやすく言え❗️」


「読書家の一族は、世界を動かす者たちなのだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


書物がそれほど一般庶民にまで普及しなかった当時はそうだったのかもしれない。

ただ、現代においても、成功している経営者さん達を見ると読書家の方が多いので、ナポレオンの言うことも一理ある。

日々是読書。


「決して落胆しないこと。
それが将軍としての第一の素質である。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


正確には、落胆することはあっても、それを兵士たちの前で見せないことが将軍としての大事な資質なのだろう。

くよくよせずに、明るく、前向きさを失なわない者に人はついていくものだから。


「最も大きな危険は、勝利の瞬間にある。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


もう勝った!成功した!と思ったところに、思わぬ落とし穴があることもある。

ドラマや小説の中の話ばかりではない。

まさに油断大敵。

優れたリーダーは、勝利が確定する瞬間まで油断せずに打つべき手を打ち続ける。


「戦争においては、1つの大きな失敗があると、常に誰かが大きな罪ありとされる。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


何か大きなミスをした時、それは純粋に注意力不足なのか、日頃の悪い習慣からくる構造的な問題なのかを見極めなければならない。

チームも同じ。

問題点の冷静な分析が未来を作る。


「戦とは、一人の勇よりも、全員の結束とそれを用いる者によって勝敗が決まる。」

三国志    干禁


長期戦になればなるほど、1人のスタープレイヤーだけでは勝てない。

ナポレオンも言っているように、1匹の羊に率いられた100頭のライオンよりも、一頭のライオンに率いられた100匹の羊の方が強い。


「若くして死ぬなら死んでもいい。
しかし、栄光もなく、祖国に尽くすこともなく、生きた跡形を残すこともなく生きているのだったら、若くして死んではいけない。
そんな生き方は酔生夢死も同然だからだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


前向きな形で、何かしらこの世に生きた証を残したいもの。


「私は何か問題を考えたい時、心の引き出しを1つ開ける。
問題が解決するとその引き出しを閉め、また次には別のを開ける。
眠りたい時には全部の引き出しを閉める。」

フランス皇帝 ナポレオン


マルチタスクも大事だが、頭脳が働きやすい環境を自分で整えてあげることも大切。

特に集中したい時は。


「私は、自分がこれまでに読んだあらゆる本の一部である。」

アメリカ合衆国大統領 セオドア・ルーズベルト


確かに、経験や実践の伴わない机上の空論ではいけない。

ただ、歴史を見ると、大きく成功した人は皆かなりの読書家であった。

頼朝、家康、ナポレオン然り。

経験の不足分を読書で補った。


「お前がいつか出会う禍いは、お前がおろそかにしてきた時間の報いだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


結構、芯を食った恐ろしい名言だと思う。
全くその通りでしかない。

それより興味深いのは、小学生向けの本に時間の使い方が扱われていること。

今や小学生も、時間に追われて忙しい時代。


「心の準備ができていれば、すべてのものはすぐできる。」

劇作家 ウィリアム・シェイクスピア


ナポレオンが色々な物事を素早く意思決定できたのは、意思決定が求められる前から様々なことを想定していたからだそうだ。

先を見越して準備をすれば、大抵のことには迷わない。

人はそれを凄いという。


「戦闘の翌日に備えて新鮮な部隊をとっておく将軍は、ほとんど常に敗れる。」

フランス皇帝 ナポレオン


勝負事に勝つ鉄則は、ここぞと言うタイミングに、持っている経営資源を集中投入して優勢な地位を築くことにある。

タイミングを見誤ったり、不安に駆られて出し惜しみをしては、必ず破れる。


「人生という試合で最も重要なのは、休憩時間の得点である。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


1日24時間365日という時間だけは平等なので、どこで差がつくかと言えば、休憩時間の過ごし方になる。

休憩時間でどれだけ次の仕込みを行うかが、自分の人生の主導権を握るためには大切になってくる。


「最悪の策とはほとんど常に最も臆病な策である。
深く考えるときは時間をかけろ。
しかし、戦いが始まったら考えることをやめ、戦え。」

フランス皇帝 ナポレオン


新しいことを始める時には、事前の入念なリサーチは欠かせない。

しかし、いつまでも前に踏み出せないのは考えもの。

踏ん切りを。


「勝利は、わが迅速果敢な行動にあり。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


中小企業が大企業に勝てる要素の一つは、組織が小規模であるため、意思決定が比較的早く、小回りも効くこと。

選択と集中、機動的な展開を繰り返しながら、まずは局地戦で優位なポジションを築く。

諦めるのはまだまだ早い。


「私は自分に真の友人がないことをよく知っている。
私が今日あるような私である限り、外見上の友人は好きなだけ出来るだろう。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


権力者ならではの悲哀として、真の友人ができにくいということはあるだろう。

上下が基本の権力と、対等が基本の友人は相容れない。


「他人に対して思いやりをもつ能力がなければ、知識など空しいものです。
人間のこの特性を欠いている人々は、残忍な嘲笑と空威張りの仮面のかげに隠れるものです。」

『アルジャーノンに花束を』
ダニエル・キイス

学んだ知識が凶器に変わるのは、思いやりのなさが原因。

英雄ナポレオンの功罪。


「人はまとった制服のしもべとなる。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


確かに、自分がどのような人間であるかは着ている制服や、肩書、保有資格、経験、実績等である程度規定されてしまう。

反対解釈すれば、なりたい自分になりたかったら、「制服」を着替えてブランディングをしていけばいい。


「リーダーとは『希望を配る人』のことだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


仕事が立て込んでくると、きついなあと感じる時は誰にもある。

それでも、人が努力を続けられるのは先に希望が見えるから。

リーダーが語る夢に近い未来の希望を見ることができるからこそ、メンバーは今を頑張れる。


「不可能は、小心者の幻影であり、権力者の無能の証であり、卑怯者の避難所である。」

フランス皇帝 ナポレオン


何事もやってみる前からできないと決めつけてしまうのはもったいないかもしれない。

やってみてから判断しても遅くはない。

たとえできなかったとしても、それも1つの貴重な経験になる。


「戦は偶然や天佑で勝てるものではなく、学問からなる『法』によって勝てる。」

横山光輝・三国志 司馬徽(水鏡先生)


経験のない机上の空論ではお話にならない。

しかし、優秀な将軍は、経験だけでなく、戦略戦術の学問的研究により勝利を実現した。

超読書家だったナポレオン然り、徳川家康然り。


「考える時は深く考えて時間をかけろ。
しかし、戦いが始まったら考えることをやめ、戦え。」

フランス皇帝 ナポレオン


じっくり考え、最適な戦略を練るための時間はたっぷり確保したい。

ゴールから逆算して。

しかし、考えても動かなければ、敗北が待っているだけ。

行動こそが考えを形にする。


ナポレオンの軍隊はなぜ強かったのか❓


行軍速度がかなり速かったため、
機動力を活かした各個撃破戦術を実行できた。

他国の軍隊は、金で雇われた士気の低い傭兵が主体であったのに対し、ナポレオン軍は徴兵制による国民軍だったため、士気が高かったのが要因。

ビジネスも速さ自体が強味になる。


戦略はあくまで手立て


目標達成のためには戦略を練り込んでおく必要がある。

ただ、それだけでは足りない。

チームを動かすには熱い思いが不可欠だ。

不合理な根性論はごめんだが、優れたエンジンも火がつかなければ動かない。

ナポレオンは1通の文章で兵士たちを動かす名コピーライターだった。


源頼朝と徳川家康が天下を取った秘密とは?


圧倒的な読書量。

同時代の武将たちに比べて、かなりの読書家だった。

彼らは自分に天才的な才能がないことを分かっていたからこそ、人の話をよく聞き、書物からも多くを学んだ。

ちなみに、ナポレオンもかなりの読書家だった。
戦場でも読書したほど。


「一頭の狼に率いられた百頭の羊の群れは、一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れに勝る」

フランス皇帝 ナポレオン


強く巧みなリーダーシップによって目的意識を共有し、ここ一番の時・所に戦力を集中できたチームは強い。

個々は羊の弱さでも、上手く団結できれば狼の群れにも勝てる。

まとまる強さ。


「道が見つけられなければ、作るのだ。」

カルタゴの名将 ハンニバル・バルカ


ハンニバルのアルプス越えはあまりにも有名な戦略。

後にナポレオンも真似をして成功した。

道なきところに道を作るからこそ、周りの人の意表を突き、成功することができる。

非常に大変だが、やってみる価値はある。


「私は常に2年先のことを考えて生きている。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


多くの企業が3年先まで見据えた経営計画書を作る。

近すぎず、遠すぎない未来までを計画するからこそ、これからの行動に具体性が出てくる。

実現可能な成功までのストーリーを経営計画書に落とし込んで、実行していく。


「最初から全力でいかない奴は、その時点で先がない。」

ドリフターズ 志村けん


「予備戦力をずっと取っておく将軍は、勝利することができない。」とナポレオンも言っている。

特に高度な戦略でもない限りは、緒戦から全力で勝ちにいく方が良い。

これができないと、戦いが無駄に長引いてしまう。


「環境など何でもない。
環境とは自分で作り出すものだ。」

フランス皇帝・軍人 ナポレオン


自分がやりたいことができずに、不平不満を漏らして周りの人の士気を下げるぐらいなら、新天地へ行くのも1つの手。

その方が自分にとっても周りの人にとっても精神衛生上良いから。

環境は自分で創ろう。



最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

今回の名言と本の紹介エッセイは、フランスの英雄・ナポレオンについて取り上げてみました。

その軍事的天才性によって一代でフランス皇帝にまで駆け上がった偉人です。

彼の名言からは、現代ビジネスでも通用する戦略・戦術論、そして組織論を学ぶことができると思います。

もっとも、ナポレオンには功罪両方の側面があるようにも感じています。

フランス社会を封建的制度の呪縛から解放し、近代的な国家へと改革した功績は、もちろん大きなものです。

特に、ナポレオンが編纂したと言われるフランス民法典は、近代民主主義各国のお手本となったほどの良い法律でした。

他方、クーデターを起こしてからフランス皇帝に上り詰め、そして、対外戦争に明け暮れ出した頃のナポレオンには賛成できない人も多いと思います。

ナポレオンはかなりの読書家でした。

読書や自分自身の経験から身につけた知恵を良い方向に使っていた頃は良かったのですが、個人的な野望を叶えるために対外侵略戦争に向かった頃には、倫理観が大きく欠けていたように思います。

ナポレオンの行動に見られるような倫理観なき知恵は、人類に大きな惨禍をもたらしてしまうといった歴史的な教訓にもなったと言えるでしょう。

ともあれ、ナポレオンの名言には現代を生きる我々の糧になるような知恵が多く含まれていると思いましたので、今回、私のナポレオンに関する過去ツイートをまとめてご紹介することにしました。

ビジネス戦略やチームビルディング、そして、プライベートでの人間関係などに悩んでいらっしゃる方のお役に立てれば幸いです。

これからも、名言と本の紹介エッセイを通じて、生きるのに悩んでいる方のお役に立てればと思っております。

この試みに共感して下さる方は、応援していただけますと大変励みになります。

それでは、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

次回作もぜひ楽しみに待っていて下さい。


戦略マスター頼朝

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