横浜SAN

私が映画感想の唯一のお手本はラジオ番組「ありがとう浜村淳です」関西弁の名調子で一本の映…

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私が映画感想の唯一のお手本はラジオ番組「ありがとう浜村淳です」関西弁の名調子で一本の映画を開巻からラストまで、まるで目の前で起きている出来事のように臨場感たっぷりに喋りまくり、聴いている自分も段々興奮してきて「よし!この映画観に行くぞ」で、観終わったら「話、ちょっと違うじゃんw」

マガジン

  • ピンク七福神マガジン

    ピンク四天王の次世代として優れた作家性のピンク映画を生み出した鬼才たちの集合体。然してその出自は様々である。

  • ピンク四天王マガジン

    成人映画館の小屋主から客が入らん、困ると名指しで付けられた、佐藤寿保、サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久の確信犯四人組による、魅惑の世直し映画の数々。

  • 城定秀夫マガジン

    ピンク映画の助監督として経験を積み、2003年に監督デビューを果たしながらも、その後は主にエロVシネの先駆者としてけものみちを歩んで来た、稀代の奇才・城定監督。

  • 池田敏春の死とエロス

    三重県志摩の海で入水自殺するまで心に病を抱えながらも真摯に映画を撮り続けた稀代の名監督・池田敏春珠玉の作品群の軌跡。

  • 石井隆 愛と絶望と修羅のロマンチシズム

    後期ロマンポルノで石井隆の美学を脚本家として多くの名監督に提供。その後も自ら監督としてメガホンを取る彼の理想は、男と女・最高に美しくも悲しい画。

最近の記事

山下敦弘「カラオケ行こ!」

早稲田松竹で、山下敦弘「カラオケ行こ!」 原作は和山やま同人誌漫画。 脚本は野木亜紀子。 中学3年生の合唱部部長(斎藤潤)が組長主催カラオケ大会でヘタ王になると刺青彫られてしまうヤクザ(綾野剛)に頼み込まれてカラオケボックスで特訓の日々で育まれる友情は、突然の事故で暗転?現実離れした夢のような、でもあったかもしれない少年とヤクザの友情譚の佳品。 ピッカピカの最新作なのでネタバレ注意です。気になる人は最後まで読まないように(笑)結構、観客は本気で騙されると思う。それがハッピ

    • 山下敦弘「リンダ リンダ リンダ」

      早稲田松竹で、山下敦弘「リンダ リンダ リンダ」 脚本は向井康介、宮下和雅子との共同。 群馬の高校に通う軽音楽部の女子3人組がバンドやろうぜ!韓国人留学生(ぺ・ドゥナ)をボーカルにスカウトして文化祭に向けザ・ブルーハーツのコピーに邁進。練習し過ぎて当日の朝寝坊で濡れネズミになり奇跡の雨宿り聴衆を前に熱唱リンダリンダリンダに感涙必至、青春映画の金字塔。 感想を書きながらザ・ブルーハーツの代表曲を改めて聴き直す。多感な20代を80年代後半~90年代前半にかけて送った私たちの世

      • 滝田洋二郎「桃色身体検査」

        シネロマン池袋で、滝田洋二郎「桃色身体検査」 脚本は高木功。 エロくて貞淑な若妻ナース(滝川真子)が仮病で入院中の義父(蛍雪次朗)に儲け話で誘われインチキ神父(大杉漣)の考えた遺体を安置所から盗み偽装事故で保険金搾取の企てに乗って医療ミスした近眼ヤブ医者(池島ゆたか)を巻き込んでの大騒動が破壊的に楽しい、ジェットコースターコメディの爆笑してしかもヌケる関西こてこてポルノの快作。 まあ、観終わった後に「いやー、看護婦売春のナース姿でFUCKエロかったなあ(*'▽')」「真子

        • 榎本敏郎「姉妹 淫乱な密戯」

          上野オークラで、榎本敏郎「姉妹 淫乱な密戯」 脚本は井土紀州。 夫を亡くした姉(佐々木麻由子)に誘われ一緒に移動ブティックを始めた妹(麻田真夕)は密かに想う元同僚(谷川彩)が痴話喧嘩の末に殺した恋人の遺体始末を引き受けて始まるレズ関係。でも姉・麻由子のホスト狂いが真夕の幸福を一旦破壊しここからの再生。訳あり女三人、実録犯罪ロードムービーの力作。 雰囲気としては国映ピンクの十八番であるハードボイルドな実録犯罪ものの荒涼で殺伐とした雰囲気が良く出ていて見応えはあるんだけど肝心

        山下敦弘「カラオケ行こ!」

        マガジン

        • ピンク七福神マガジン
          34本
        • ピンク四天王マガジン
          74本
        • 城定秀夫マガジン
          104本
        • 池田敏春の死とエロス
          11本
        • 石井隆 愛と絶望と修羅のロマンチシズム
          15本
        • 細山智明 早く世に出過ぎた天才
          10本

        記事

          +13

          2024/4/13 代々木第二体育館でBリーグ観戦

          2024/4/13 代々木第二体育館でBリーグ観戦

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          橋口卓明「巨乳熟女 本番仕込み」

          ラピュタ阿佐ヶ谷で、橋口卓明「巨乳熟女 本番仕込み」 脚本は切通理作。 夫(伊藤猛)の浮気を疑う人妻(伊藤清美)が友人OL(井上あんり)に相談。任せなさいと出張った空き家妻(菊池エリ)が一発ヤッてしまい、あんりが電話でエリの寝言を聞かせる作戦に欲情した伊藤は倦怠期だった清美に欲情して一発。ひと時のアバンチュールに身体が燃える巨乳熟女エリを愛でるアイドル映画。 菊池エリと言えばアラカン男性には大半の方がお世話になったであろう(←言い過ぎw)SMビデオきっての名作にしてどエロ

          橋口卓明「巨乳熟女 本番仕込み」

          西村昭五郎「覗かれた情事」

          シネロマン池袋で、西村昭五郎「覗かれた情事」 脚本は中島丈博。 作家(坂本長利)の貞淑な妻(白川和子)は夫が密かに書いた自分モデルの妄想ポルノ小説を読み大興奮。万引き、夜行列車売春、白黒ショーと犯罪を重ねセックスの興奮はエスカレート、野獣のような男(丹古母鬼馬二)と身体を貪り合い虚実の挟間で物語は揺れる、官能ポルノの佳品。 ロマンポルノ第一号「団地妻 昼下りの情事」と同じく西村監督が演出しヒロインは白川和子。でも1972年、たった1年の違いで随分と濡れ場の描写がエロくなっ

          西村昭五郎「覗かれた情事」

          藤井克彦「ズームアップ 暴行白書」

          シネロマン池袋で、藤井克彦「ズームアップ 暴行白書」 原作は飯干晃一。  脚本はいどあきお。 実業家(江角英明)と結婚し人気ラジオDJのタレント妻(風祭ゆき)は幸せの絶頂。暴走族にレイプされた翌日に夫の江角は海外出張に発ち、昔のレズ友(川村真樹)や本性を露にする家政婦(平瀬りえ)が彼女を追い詰める姦計の黒幕は誰?ミステリアス官能ポルノの秀作。 映画のモチーフは挿入歌として何度もリフレインする梶芽衣子「恨み節」ゆきが担当する深夜ラジオ番組「ミッドナイト・ティータイム」で世田

          藤井克彦「ズームアップ 暴行白書」

          若松孝二「歪んだ関係」

          横浜シネマリンで、若松孝二「歪んだ関係」 脚本は大谷義明。 朝帰りした産婦人科医の目の前に妻(城山路子)の他殺死体。看護婦(新高恵子)は先生はその晩、私といたとウソの証言。刑事の取り調べの中で徐々に解き明かされる先生の秘密と正直に証言できぬ訳、そして真犯人の緻密な完全犯罪が見破られるカタルシスに浸る、推理サスペンス映画の良作。 女優三本柱が揃ってクオリティ高し。中でもヒールとして本作をグイグイ引っ張る新高恵子の美貌は特筆もので、彼女のチャーミングな容姿を堪能しただけで入場

          若松孝二「歪んだ関係」

          若松孝二「欲望の血がしたたる」

          横浜シネマリンで、若松孝二「欲望の血がしたたる」 脚本は大谷義明。 死んだOLの妹(志摩みはる)をかどわかして勤め先の極秘情報を引き出し株で大儲けして出世街道を昇る元同級生の証券マン(上野山功一)に復讐すべく彼の新妻(叶美智子)に近づく売れない画家(生方健)の姦計や如何に?最後まで緊張感が漲る推理サスペンス映画の力作。 足立正生と出会う前の若松映画初期作品の代表作とされ、助監督に梅沢薫がついていたり、ホンを書いたのは大谷義朗とクレジットされているが曽根中生、榛谷泰明、大和

          若松孝二「欲望の血がしたたる」

          堀禎一「宙ぶらりん」

          シネロマン池袋で、堀禎一「宙ぶらりん」(成人映画公開題「SEX配達人 おんな届けます」 脚本は奥津正人。 同棲中のデリヘル運転手(恩田括)と結婚の見込み薄を嘆く元風俗嬢(ゆき)が、パート先の弁当屋で毎日15時にイカフライ弁当を買いに来る純情男(加藤晴久)にプロポーズされ再確認する、私のホントの幸せって何?ダメな人たちの刺さる愛情が交錯するハートウォーミングな佳品。 堀監督は2017年に新作「夏の娘たち~ひめごと~」を発表し、下積みは結構長かったけどようやくこれから彼の時代

          堀禎一「宙ぶらりん」

          若松孝二「腹貸し女」

          横浜シネマリンで、若松孝二「腹貸し女」 脚本は出口出(=足立正生) 悪しき因習、貧困家庭の女が出産のため腹を貸す仕事。大物代議士(津崎公平)が子孫を残すために愛人(小柳冷子)と、新聞配達バイト彼氏(吉沢健)がいる彼女の妹(門麻美)と、二人の女性に人工授精を試みた、ジャックスのサイケなサウンドと前衛的な画が奏でるエロチックサスペンスの問題作。 浅学につき本作を観て初めて「ジャックス」という1960年代後半に活躍したロックバンドを知った。「フラワー・トラベリン・バンド」とか「

          若松孝二「腹貸し女」

          白羽弥仁「フィリピンパブ嬢の社会学」

          横浜シネマジャック&ベティで、白羽弥仁「フィリピンパブ嬢の社会学」 原作は中島弘象の同名小説。 愛知県春日井市に住む中部大生(前田航基)が卒論のテーマに同世代フィリピンパブ嬢の実態を選び、実地取材に入った店でホステス(一宮レイゼル)と許されぬ恋に落ちた。ヤクザの脅しや家族の反対、障壁の高さに異文化理解の困難と意義を説く青春映画の秀作。 タイトルに惹かれて映画を観てみた訳ですが、予想に違わぬフィリピンから来た純粋無垢な可愛らしい女性、彼女に恋してしまう純情を絵に描いたような

          白羽弥仁「フィリピンパブ嬢の社会学」

          若松孝二「日本暴行暗黒史 怨獣」

          横浜シネマリンで、若松孝二「日本暴行暗黒史 怨獣」 脚本は出口出(=足立正生) 蔵破り3千両を独り占めした男(神原明彦)は醤油屋の主人に収まり、裏切られた男(津崎公平)は島流しに遭い嫁(島江梨子)を女郎屋に売られた。恨みを晴らすべくチンピラ(野上正義)と組んで乗り込んだ復讐は育ての主人・神原の目の前で娘(島江梨子の二役)が犯され「お父様!」産みの親・津崎が哀しい、本格派のヒューマンドラマ時代劇。 若松監督が1967~1970年にかけて連作した「日本暴行暗黒史」シリーズは「

          若松孝二「日本暴行暗黒史 怨獣」

          小沼勝「雨のヘッドライト」

          シネロマン池袋で、小沼勝「雨のヘッドライト」 脚本ははたの三郎。 ドライブインで店主に暴行された身寄りの無い少女(田中真理)を助けた妻子持ちのトラック運転手(武藤周作)が、ズブズブとハマる不倫沼。彼の故郷の北海道で一緒に牧場を営む夢は所詮、儚く散る宿命。許されぬ恋路を哀しくエロチックに描き出すメロドラマの力作。 小沼勝の監督デビュー3作目、まだ若冠34歳時分だから撮影の安藤庄平や音楽の小杉太一郎のようなビッグネームの前ではまだまだ新米だったんだろう。60年代までの大日活時

          小沼勝「雨のヘッドライト」

          小原宏裕「OH!タカラヅカ」

          小原宏裕「OH!タカラヅカ」 原作は史村翔と小野新二。 脚本は高田純。 女だらけの性風俗産業が発達した宝塚島に童貞のイケメン教師(冨家規政)が下心バリバリで赴任。生徒の中でも一際目立つ旅館の娘(美保純)のツンデレに悩まされつつドタバタ喜劇の果てお種様襲名を経て実る両想いにほっこりシュールでポップでガーリーな性春ポルノのエンタメ快作。 「北斗の拳」で著名な史村翔(=武論尊)の原作、あだち充のアシスタントから独立した小野新二の作画でヤングマガジンに連載され大ヒットしたエロコメ

          小原宏裕「OH!タカラヅカ」