榎本敏郎「姉妹 淫乱な密戯」
上野オークラで、榎本敏郎「姉妹 淫乱な密戯」 脚本は井土紀州。
夫を亡くした姉(佐々木麻由子)に誘われ一緒に移動ブティックを始めた妹(麻田真夕)は密かに想う元同僚(谷川彩)が痴話喧嘩の末に殺した恋人の遺体始末を引き受けて始まるレズ関係。でも姉・麻由子のホスト狂いが真夕の幸福を一旦破壊しここからの再生。訳あり女三人、実録犯罪ロードムービーの力作。
雰囲気としては国映ピンクの十八番であるハードボイルドな実録犯罪ものの荒涼で殺伐とした雰囲気が良く出ていて見応えはあるんだけど肝心の物語が前半部がどうしてホストクラブでこうなった?的な説明に費やされて実質的な物語が後半部分しかないから薄味なんだよね。
一番の見所と言えば真夕の不機嫌な顔コレクション。私だけメンドクサイこと全部背負わされて苦労して、麻由子も彩も私のこと全然分かってくれない!被害妄想は麻由子と彩が真夕の心情を分かって近づくことで和解、彩とのレズFUCKを経て姉妹仲は元通り真夕に笑顔が戻る。
ピンク映画の強みが最大限に発揮できるウィークエンダーのもっとエロい版である。本家はテレビ番組だから濡れ場までは描けないがピンク映画であれば存分に見せることが出来る。犯罪とセックスの相性はスリルとサスペンスと言う点において抜群なのだが本作は変化球を使う。
ヒロインで美形の真夕が真性レズビアンなのだ。バイですらない。だから男とのFUCKシーンは一切無く、彼女をレズタチにして相手のレズネコに谷川彩を配した百合FUCKシーンが2回、それはそれで見応えがあり勃起もんのエロさなんだけど、物語とシンクロしていないのよね。
キーワードは真夕が夜の高速をドライブするマイカーにぶら下げたアクセサリー。彩が殺害した恋人の遺体処理のお礼にくれた二人お揃いのものなのだが、これもストーリーの中で機能してないのよね。思わせぶりに種が撒かれたエピソードが回収されず終わるのが本作の特徴。
映画の構成についてはまさに再現フィルムであり、起点はホストクラブで姉の麻由子がお気に入りのナンバーワンホスト川瀬陽太とイチャイチャ、彩もイケメンホストに口説かれてる中で一人だけ真性レズの真夕が手持無沙汰で、一体全体どうしてこうなった?巻き戻しの物語。
レズタチ真夕の配役「靖子」レズネコ彩の配役「静香」要は「静」は青を争う、「靖」は青が立つ。だから二人は上手くいかない、みたいな名前由来の説明は正直言ってメンドクサイ(笑)それよりも真夕が青のセクシーパンティで純白パンティの彩を抱く痴態を楽しみたい(爆)
濡れ場に関してはホスト川瀬に抱かれる姉の麻由子が2回は正直な所、義務を消化的な無味乾燥としているのに対して、力の入れ所である、最初は真夕から彩に対してオラオラ仕掛けたレズFUCKが2回目は彩の方から積極的に真夕に仕掛けるレズFUCKに変貌はエロいです(*'▽')
彩は真夕とのレズFUCKをこなす一方で彼女はバイ、というより本来はストレートなんじゃね?と思う位に若いホストに誘惑されそのままホテルで抱かれる時の乳首がチョコベビーみたいにフル勃起してる痴態を見ただけで「ああ、彼女ってホントは女より男がいいのね」て気づくw
冒頭から麻由子と真夕の姉妹と彩の計3人の女たちが立っている光景で、彼女たちそれぞれの物語が描かれる予感をさせる。そして夜の高速を飛ばす3人の行先はホストクラブ。これから飲むのになんで運転できるの?って考えるのヤボ。最初から真夕は飲まずに帰るつもりなの。
ホストクラブでナンバーワンホストの川瀬をワクワクして待つ麻由子は夫を亡くして保険金を受け取ったばかりの未亡人。ウブな彩もイケメンホストに口説かれドキドキしてる中でつまらなそうな顔で呆然としている真夕が可愛くってもう(*´ω`)彼女はレズで男に興味ないのだ。
ここから始まる真夕のどうしてこうなった?回想。喫茶店で働く真夕と彩は同僚。真夕の姉の麻由子が夫を亡くし保険金を元手に始めた移動ブティックはワゴン車に仕入れた服を詰め込んで行商して回る、これで儲けが出るのかい?と思うような前近代的な商売なんだけどw
真夕は喫茶店を辞めて姉の麻由子の始めた移動ブティックに身を投じることに決め、彩を誘う。将来はお店を持ちたいと思うの!夢を語る真夕の下心は密かに恋焦がれる彩と少しでも一緒にいたい。口実で仕事仲間に誘ったのだ。でもね、待ち合わせの当日に彩はなぜか来ないの。
彩が来ない気もそぞろで移動ブティック始めた真夕は電話してみると彩は混乱していて家に駆け付けてみれば彼氏を痴話喧嘩の末に殺しちゃったんだって!風呂場に死体が転がっていて、真夕はこれをむしろチャンスと捉えるの。死体処理は私に任せなさい!ズタ袋に放り込んだ。
彩は移動ブティックに正式に参加することになり、真夕にお礼のアクセサリーをプレゼント。二人はホテルに着くと服を脱ぎ鮮やかな青のパンティ眩しい真夕のリードで彩を抱いて二人は百合FUCKでアンアン悶える。でもね、蜜月の日々は続かない。麻由子のホスト狂いのせいで。
真夕はせっかく下りた亡き夫の保険金をホストにつぎ込む麻由子にヒステリックに怒るんだけど「まあまあ、一度来てみなさいよ、面白いから」強引に真夕と彩を連れて麻由子が向かうホストクラブ。運転する真夕は面白くねえ。ぶんむくれてハンドル握る冒頭へと繋がる。
真夕はホストに口説かれても「ああ」生返事ばかりで(笑)一方の麻由子と彩はホストにお持ち帰りされてそれぞれがホテルにお持ち帰りされて、というより積極的にお持ち帰りして、麻由子は川瀬に抱かれるんだけど、彩もレズじゃない、ホストに抱かれてアンアン悶えるの。
麻由子と彩の態度にブチ切れた真夕がケーキを顔にぶつけ、お返しにぶつけられる、食べ物は大切にしましょうドリフのコント的な修羅場が本作のクライマックスか。「死体の始末なんか男にしてもらってよ!」彩に対して捨て台詞を吐いた真夕。でね、三人で死体を見に行く。
いざ死体を目の前にいがみあっていた3人の態度は急変。麻由子は「なんとかしなくちゃ」と死体をワゴン車に積んで出発進行!真夕と二人して山林にスコップで穴掘ってるのを見つめる彩は何を思う。死体を埋め終わると彩は「やっぱり警察に行きます」自首する覚悟なのだ。
真夕は彩に抱き着き狂おしいほどに泣く「一緒にいて欲しい!たまには男とも遊んでいいから!」立場が逆転した二人。ホテルに入り純白のパンティ一丁で真夕を愛撫する彩。青のパンティ一丁で彩に身を任せるがままの真夕は松葉崩し百合FUCKで彩にガンガン責められ桃源郷の境地。
移動ブティックを続ける麻由子と真夕の姉妹に手紙が来た。ムショに入ってる彩から「こちらは思ったより寒いけど頑張ってる。お元気で、さようなら」読み終えた真夕にワゴン車の麻由子が声をかけて、彩のお陰姉妹仲が劇的に回復した二人、次の目的地に向かって出発した。
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