腰痛の原因とそれぞれに対してまずできる簡単な改善策

腰が気になる。そういう声を身体に携わる仕事をしていると、よく聞きます。身体のコリと言えば、肩こりと腰痛が多い日本です。

私自身も、高2でぎっくり腰を経験して以来、同じところが常に痛くなり、ロルフィング®︎を受けるまでは、慢性腰痛持ち。当時は長い時間歩くのは拷問並みにつらく、暇さえあれば「腰が痛ーい」と動かしている経験をしてきたので、今回は腰痛について。

腰痛の原因とは

腰痛に限らずなのですが、痛みの原因にはいろいろあります。

①身体の中(内臓とか)に問題があるケース。

腰痛ではありませんが、わたしが膵臓を病んでいた時(今となってはそれは正確には胃だったけれど)、背中がすごく張っていました。筋肉がギューっと緊張していて、ゆるめたくなる。でも、ストレッチしたり、ボールころころしてもゆるまらない。そんな状態でしたが、薬を飲んだら背中もあっという間に楽に!

内臓の状態が外側の緊張につながっていることと、内臓の状態が良くなることで外側がちゃんとゆるむことがあることを実感した体験です。あれはすごかった。

余談ですが、人の体は、ひとまず内臓の働きを優先します。生きていく上で必須ですからね。そのため、姿勢が悪かったりするのを何かしらの方法で改善しようとしても、改善してもすぐ戻ってしまったり、なかなか改善しない時には、内臓が理由であることもあるんです。

その例として、背骨の側弯。側弯にもいろいろありますが、アプローチしてもしても一定期間で戻ってきてしまう時には、内臓が影響していることもあります。

まずは、内臓起因の側弯はなかなか病院ではわからないかもですが、内臓“疾患”起因の腰痛であれば病院でわかることかと思うので、まずは受診を。

②動かなすぎのケース

①で特に内臓疾患起因ではないことが明確になった時には、これからあげる2つのケースが腰痛の原因になっていることが多いかと思います。

一言で“姿勢”としてしまうと、足も含め全身が関わってくるので、話が大きくなってしまうのですが、今回はざっくりと背骨に限って話していきますね。

腰のエリアの背骨である腰椎は、その下にある仙骨と共に骨盤に近いエリアにあるため、骨盤の動きとも繋がりがあります。そしてもちろん、背骨の骨の一部であるため、腰椎よりも上、胸椎や頚椎、頭部などとも関係してきます。

姿勢が良い、と言われる、適したS字カーブと、いわゆるニュートラルな骨盤のポジションであっても、

姿勢が悪い、と言われがちな、猫背や反り腰であっても、

一日中、もしくは長時間、背骨や骨盤が同じポジションにあり続けること。これがかなりの腰痛の原因になります。

本来、人の身体は動くための作りをしています。にも関わらず、例えば仕事で1日椅子に座り続けていたり、とても動きが少ない状態で立ちっぱなしだったりすると、それが良い姿勢でも悪い姿勢でも、同じところに緊張や負担がかかり続けてしまうので腰痛のきっかけになったりするのです。

余談ですが、ギックリ腰や腰痛を起こしてしまう時は、こういった、“ずっと同じ姿勢で同じ箇所に負担をかけ過ぎていたところから、突然動き始める”時に起こりがちです。

固まっていたものを突然動かせば、支障が出るのがイメージできるかと思いますが、身体も同じなんですね。

③動きすぎのケース

じっとしているのがいけないのであれば、たくさん動けばいいかと言うと、一概にそうも言えないのが歯痒いところです。

確かに、ずーっと座り続けているより、少し動いた方が確実に腰痛改善につながります。

ですが、実は運動を頻繁にしている人の中にも腰痛がある、という人は多数存在します。私自身もその一人でした。

動きすぎて腰痛に繋がる場合、基本的には、動いている時の使い方がよくない、ということが言えます。腰を丸めて運動していないか、腰を反らせて運動していないか、力み過ぎて運動していないか(このケース多し)、動いている時の癖によって痛みが引き起こされていることも多いのでチェックしてみてください。

また、ただただ、時間数的に激しく動き過ぎていて(スポーツの練習のしすぎなど)、疲労から身体が緊張し、痛みに繋がることも!

3種類の改善策

原因①の内臓に関しては、内臓の状態を改善することオンリー。レッツゴーお医者さん。

原因②の改善策は、まずは座っている時や立っている時のポジションを定期的に変えてみるのがおすすめです!

背中を丸めて座ってたなぁと思ったら、少しだけ反る方向にいってみたり、脚を組んでいたら、反対の脚に変えてみたり、ちょっと立ち上がってみたり(座りっぱなしの人にはこれが一番おすすめ!)。

立ち時間が長い場合は、足のつま先側に体重を乗せてみたり、踵に乗せてみたり、膝を小さく曲げ伸ばししてみたり。

まずはポジションをよく変える、というのはシンプルでおすすめな方法です。

原因③の改善策。明らかに運動をしてるのに腰痛がある人は(原因①ではない場合)、使い方が怪しい場合は、自分の身体の状態にあった理想的な使い方を、先生や運動の指導のプロに聞いてみるのが一番!!

時間数や負担的に自分の許容量を越えてしまって痛みにつながっている場合は、運動後のアフターケアや休息日やコンディショニングdayをしっかりとっていきましょう。

背骨に問題が起きる根本的理由

①緊張

基本的には、痛みというのは、緊張が長く続き硬直したところに起きがちです。原因①の内臓疾患起因でも、内臓に炎症が起きていて、その周りの組織がそこを守るために硬直、筋膜が引っ張られ、腰痛に繋がったりしていきます。

原因②では動かな過ぎることで硬くなり緊張につながるし、原因③では、不必要に、もしくは過剰に力を使い過ぎて緊張することで腰痛に繋がります。

感情が腰痛につながるという話もありますが、激しい怒りや悲しみは身体を緊張させますよね。そう考えると、腰痛に限らず、いろんな緊張による痛みが感情からくることも十分考えられます。

②背骨のキャパシティー

自分の背骨がキャパシティーオーバーになった時、つまり自分の背骨が「これくらい動けるぞ!」というレベルを越えた時に、痛みは生まれがちです。

だから日々背骨を背骨のもつ動きを活かしてたくさん動かしている人は、そのレベルがある程度上がるので、動かしていない人よりも痛める機会が減ります。

が、運動をする人でも、自分が普段している運動で動かすレベルでしか背骨は慣れていかないため、普段と違う運動をした途端に痛めることも、もちろん有り。そして、その動かし方に癖がある場合、背骨全体のキャパシティーがバランスよく上がるわけではないので、痛みにつながることも。

最後に

背骨は、丸めたり、反らせたり、横に曲げたり、捻ったりできます。これをちゃんと日々やっているかが大きいです。

そういった点では、最近第3次ブームがきているピラティスは、“本来”そういった背骨の使い方をテーマにレッスンを行っているのでおすすめです!
(最近はブームに乗っていろんなピラティスがあるので気を付けてみてください♡)

簡単なところだとラジオ体操も背骨の動きを網羅していますね。

動かなすぎが考えられる場合は、少しずつ動く時間を。動き過ぎが考えられる場合は、使い方の改善や、休息やコンディショニングが十分かどうかも要チェックです。

今回は背骨に焦点を当てましたが、全身に対して言えることでもあります。“適度にいろんな動きをしておきたい”

どんなに素晴らしい運動やエクササイズやトレーニングでも、なかなか全てを網羅するのは難しいです。一つのことに入り込みやすい人は特に、他のものにもたまには挑戦してみることをおすすめします。

また、どう頑張っても運動はムリ!という人は、たまには階段を駆け上ってみたり、一段飛ばししてみたり、スキップしてみたり、後ろ歩きしてみたり、1日に数回でもその場で跳ねてみたり、ちょっとした動きを日常の中のエッセンスのように足してもらえたらなぁ、と思います。

適度に動かして、気持ちいい身体を!
(これはいくつになっても可能です)

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