羽化

空の写真撮りがち

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雪が降る夜、深海を思う

ただ雪が降る夜、わたしは見上げる。 しんしんと、というような静けさではない、かといって大粒の綿がもりもりと、とまではいかない。吹雪いている訳でもない。ただ、何遍も見飽きた通勤路の何一つにも目が向かず、ああ雪だ、と思うほどの雪である。主の祝祭を彩るなど興味のないような、主役の雪である。 そういう雪の日、わたしは深海を思う。 横断歩道を待つ自分の足元が海底に接地する。一度とも見えることのない海面を見上げ、果てのない暗がりからふわふわと揺れ落ちるプランクトンを見つめる深海の暮らし

    • リンスインシャンプーに言いたいことある

      日本人という民族の特徴は、マッシュアップを得意としてきたところだと大学で習った。ちっぽけな島国に雪崩れ込んできた大陸文化に自国文化が洗浄されることはなく、新規性をうまく織り込んで歴史の糸を紡いできた。あんことパンであんぱんなんて天才じゃないか。よく合わせようと思ったな。そういう奇才のパッションが流れるこの国で、私がどうしても納得いかないものがある。リンスインシャンプー。これはまじで最悪じゃないか? リンスとシャンプーをまとめて1回でできますよ、なんてさぞ自慢げに商品棚に陳列

      • 微かな「好き」に手を伸ばそう

        沢田研二のアルバム聴いて衝撃をうけた。 ここ最近で1番くらいの衝撃。 もっと早く聴けばよかった。いや、聴く機会はあったのだ。 Mステの6時間スペシャルを友人と見終わって、これいいな!と思ったことはあった。でも聴き返していなかった。 友達は聴いた瞬間からだいぶツボに刺さっていたようで、すぐに他のアルバムにも触れていたようだけど。 私は聴いた時そこまで刺さらなくて、あ〜面白い人なんだな〜と少し思っただけだった。 それで、わざわざ掘り返すほどでもないかなと思ってしまった。

        • ときどき、自分の人生を生きているってことを忘れる。誰かがわたしの人生の大半を担ってしまって、私はその人にふらふらついていくような。もっと自分を見つめないと。 ずっと相手を待ってる。 まじでダメになるな。

        雪が降る夜、深海を思う

        • リンスインシャンプーに言いたいことある

        • 微かな「好き」に手を伸ばそう

        • ときどき、自分の人生を生きているってことを忘れる。誰かがわたしの人生の大半を担ってしまって、私はその人にふらふらついていくような。もっと自分を見つめないと。 ずっと相手を待ってる。 まじでダメになるな。

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          1本

        記事

          好きなものが無い

          こんなツイートを見かけて、揺らいでいる。 だって、私は好きなものが無い。 このジャンルなら深く語れるってものが無い。 訂正、全く何も無いわけではないのだ。 好きなバンドはサカナクションっていえる。 でもそれだってきちんと語れるかと言われたらできないし、そのほかの趣味で、そのくらいの熱量で語れるものはない=「趣味が無い」とみなしてしまう。 そして自分はこういう人間ですって示せるような手持ちがあまりに少ないから、私は中身が空っぽの人間なんだと思ってしまう。コンプレックスのひと

          好きなものが無い

          油絵やりたい

          高校生でスマホを持ってから、なにかあるとすぐにスマホにメモする癖がついた。なにか、というのは内面を揺るがすなにかがあったとき、だ。 これまではそれを言葉として落とし込んできたけれど、言葉の限界も知った。語彙を尽くしても語りきれないものがある。感じたことという形のないものを、言葉という型で代替しても、元あった余韻は表せない気がする。そしてそれは私の語彙力不足という理由だけでは説明できないはず。 だから、油絵やりたい。 感情を言葉以外で表してみたいと思った。 色とか粘度とか、

          油絵やりたい

          卒論が進まなかっただけ

          なんかなんで生きることが前提なんだろうって思う、産み落とされただけなのに 生きる元気も死ぬ勇気もない場合はどうしたらいいの?こんなにどうしようもない生命なのに食事と金は必要で、どうやっても1人では生きられない辛さがある

          卒論が進まなかっただけ

          怖さ 怖さのなか生きてる 不安なまま進んでる みんなの中にいて楽しく過ごしてるときは忘れてるのに、家に帰ってくると苛まれる 目を逸らすな蓋をするな 不安を見つめて進め

          怖さ 怖さのなか生きてる 不安なまま進んでる みんなの中にいて楽しく過ごしてるときは忘れてるのに、家に帰ってくると苛まれる 目を逸らすな蓋をするな 不安を見つめて進め

          ちゃんと失恋した詩 (備忘録)

          君に恋人がいるって知っても、傷ついた素振りなんか無かったみたいに心の奥に素早く押し込んで、笑顔で茶化す側にまわった私を褒めてよね 友達になりたいだけってポーズを示すために、 近づきたい思いも触れたい思いも全部押し込めて、私が私に嘘をつくほどに、君は心を許して仲良くなれたね もう君になら何でも言えるし、どんな話でも聞くよ でも私の底にはひとつ、隠し通さなければいけない嘘がある 気が合うねって言ってくれて、ちょっとしたことで笑い合えて、こんなに幸せなのに、その分強く思い知らさ

          ちゃんと失恋した詩 (備忘録)

          過去の私の方が美しく明るくて軽やかなことばを扱っていた。 いまの私は薄っぺらくて単調で薄暗い影が差し込むような文章だ。 光を浴びる。

          過去の私の方が美しく明るくて軽やかなことばを扱っていた。 いまの私は薄っぺらくて単調で薄暗い影が差し込むような文章だ。 光を浴びる。

          雨の夜

          ひさびさに来た。 自分の肉体も精神もすべてが嫌いになってしまう夜が。 自分で決めたことから逃げたもやもやと、ここ数日の睡眠不足、小雨の混じる冷たい夜風にじめじめ火照る体、呼気で湿気ったマスクが息苦しい。切り取られた思い出ひとつひとつが、どうしようもない自分をこれでもかと照らし出して責め詰る。なんとなく急かされて歩みを早めても、じっとりとのしかかって付き纏う。 こんな夜はとっととメイクを落として、汗を拭いて、ミルクティーを作るのだ。 ベタついた顔をざばざばと水で洗い流すの

          雨の夜

          ・「私が悪い/できないから」じゃなくて「あなたが凄いから」というニュアンスの言い方 ・相手の意図する優しさを汲み取る

          ・「私が悪い/できないから」じゃなくて「あなたが凄いから」というニュアンスの言い方 ・相手の意図する優しさを汲み取る

          私ほんとはどうしようもない奴なのに、外面だけ出来た人間のふりしちゃうようなハリボテ野郎だからさ、変に体面気にして動けなくなって遠回り だから今年はその内側の、羽化する前のセミみたいな、本来の弱っちい自分を素直にさらけだすことを目標にしてたけど、なかなか難しい 蛹から出よ。

          私ほんとはどうしようもない奴なのに、外面だけ出来た人間のふりしちゃうようなハリボテ野郎だからさ、変に体面気にして動けなくなって遠回り だから今年はその内側の、羽化する前のセミみたいな、本来の弱っちい自分を素直にさらけだすことを目標にしてたけど、なかなか難しい 蛹から出よ。

          正しかったかはわからないけど、多分また同じ答えを出してしまうだろう

          自分の思ったことを全部いえない、どうせわかってもらえないし引かれたり嫌われたりするんじゃないかと思ってしまう。まだ相手に何も言っていないうちから。 初めから諦めて人と関わろうとしないのは元彼の嫌いなところの一つで そういうのがたくさんあって別れたけど、あいつを遠ざけるほど、どんどん自分が嫌いだった元彼に近づいていくような気がする。 元彼と同じような人間にはなりたくないと思って別れを切り出した。そうして遠ざけたのに、自分の思考や行動で元彼を思い出す。 ようやく消えかけてぼん

          正しかったかはわからないけど、多分また同じ答えを出してしまうだろう

          まだ死別の覚悟もてないけど

          人生っていつもそうだ。 ずっとしまっておきたいこと、覚えていたいことほど、曖昧で、すぐに消えてしまう。 だから今、時が止まってしまえば良いのにと思う。 私、大学4年。就職も決まって家族を喜ばせることができた。実家の祖母と、母方の実家の祖父母も元気な、今。 祖母も祖父母も老いた。 この先5年以内には別れがあると思う。 10年以内にはより確実に。それが何より辛くて怖い。 だって、会えなくなったら人間の記憶なんてどんどん薄れていくから。その人の存在が消えていくのが怖い。悲しい

          まだ死別の覚悟もてないけど

          人生最後の秋!!(ってことにする)

          この家で過ごす最後の秋、初めてこんなに虫の声がするのに気づいた。 去年は恋に夢中で、周りや自分を蔑ろにした。 傷つけた人、見落としたもの、手のひらからこぼれたものがどれほどあったろう。 ごめんなさい、気付いてあげられなくて。だから今をちゃんと見るよ。人生をなんとなく擦り減らさない。 「平成最後の」とか、「〇〇最後の〜」 って何にでもつけるのは仰々しくて嫌いだった。どうせ昨日も明日も変わらない日々じゃんって。 でもそうでもしないと人生なんて簡単に流れていってしまうや。

          人生最後の秋!!(ってことにする)