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[要旨]

事業の改善は、緊急性のある活動と、重要性のある活動をどう折り合いをつけるかということになりますが、それをうまく実践できるようにするには、組織としての能力を高めることが必要であり、そのための活動を行うことが経営者の重要な役割です。


[本文]

マチェズニーらの著書、「戦略を、実行できる組織、実行できない組織。」を読みました。(ご参考→ )同書によれば、戦略を実行できる組織は、「実行の4つの規律(The 4 Disciplines of Execution , 4Dx)」を導入し、定着している組織です。その4Dxとは、(1)最重要目標にフォーカスする、(2)先行指標に基づいて行動する、(3)行動を促すスコアボードをつける、(4)アカウンタビリティのリズムを生み出す、という4つの規律です。

私は、同書を読んで、まだ、これらを十分に理解できていませんが、4Dxとは、ひとことで言えば、「竜巻」(同書の中で、著者は、日常業務のことを竜巻と名づけています)の中で、重要な戦略を実行するルールのことです。要は、緊急性と重要性のバランスを、どうやってつりあわせるのかということです。これについては、多くのビジネスパーソンの方に心あたりがあると思います。事業をよりよくしなければならないと思いつつも、目の前の仕事に追われる状態が続いてしまい、1か月前や、1年前と、同じ状態が続いていて、虚無感を感じることもあるでしょう。

そのような現場の状況については、私自身も、しばしば、目にしているので、これまで、そのような状況を打開するためのツールとして、バランス・スコア・カードや、日報コンサルティングの導入を、私は経営者の方にお薦めしています。さらに、私が同書を読んでみて、4Dxはそれらと同様のツールであるというように感じています。そして、今回、私が同書を引き合いに出した理由は、経営者の重要な役割は、この4Dxのようなツールを導入・定着させることであると、改めて感じたからです。これは、言い換えれば、経営者の役割は、組織の成長を促すことであるということです。

いま、起業してもなかなか事業がうまくいかないと悩んでいる経営者の方は少なくないと思いますが、その根本的なところは、事業にどういう問題があるのかというよりも、事業を遂行する主体である組織を、うまく機能させることができているかというところに移りつつあると思います。事業を改善したいと考えつつ、なかなか進展しないで悩んでおられる経営者の方は、同書のような書籍を手許において、業績の改善ポイントを、事業から組織へと視点を移していくとよいのではないかと、私は考えています。

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