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【曖昧エッセイ】長い一日(伝説の持将棋)

 研究通りに50手まで進んで、そこから20手くらい自分の手を指して終わる将棋も多い世の中だ。
 それがあの2人ときたらどうしたことだ。
 昼から深夜まで2局も指して1局は200手を超えて持将棋になり、その次の対局も中盤から最終盤に至るまで形勢は二転三転、やっぱり200手を超える将棋になった。連戦の疲労もあって、「決め手に欠ける」という声もあるだろう。しかしどこまでも魅せる将棋ではないか。どうして、この方々がやるといつもこのような人間らしい戦いになるのだろう。

「長い一日でした」
 勝利者インタビューに現れた勝者はきらきらした目で一日を振り返った。視聴者の質問を拾いながら、
「もう一局くらいできそう」
 と言った。
 それを聞いて私は泣きそうになった。(ああ、本当に好きなんだな)
 感動巨編をみせられたような気分になってしまったのだ。
 一日というのはこれほどまでに充実させることができるのか……。
 個々の指し手よりもトータルで打ちのめされてしまう。

 一口で将棋を指すことはできない。
 人生についてもきっとそうであろう。


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