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”報い”の曲~「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」

前回の記事でゴッドファーザーについて触れたが、パート3のラストシーンで流れていた音楽が耳から離れないでいる。

これ、マスカーニ作曲の「カヴァレリア・ルスティカーナ」というオペラの間奏曲として使われているものである。なんか清々しいというか、荘厳で救済の光が差し込んでくるかのような印象を受ける。

この「カヴァレリア・ルスティカーナ」というオペラは、結局は男女の痴情のもつれを描いたものなのだが、この曲はいよいよクライマックスに差し掛かるという直前のミサのシーンとして使われているもののようだ。いわば嵐の前の静けさといったところか。

作曲者であるマスカーニはオペラに使う前から作曲していたようなので、やや卑俗な物語には似つかわしくない感じもさもありなんだが、そういういきさつもあってか本曲単独での演奏も少なくなく人気曲となっている。

オペラのテーマを「道ならぬ恋とその報い」と格好良く言い換えれば、ゴッドファーザーのテーマとも重ならないこともなく、それゆえにマイケルの報いの場面に持ってきたということなのだろう。やや短絡的だろうか。。

さて、この曲はクラシック音楽として耳にしたことはあったが、実はある名作映画でも使われている。
それはマーティン・スコセッシ監督の「レイジング・ブル」である。

はい、こちらも昔の記事で紹介していたのだが、音楽のことは全く触れていなかった。記憶に残っていなかったというわけである。

まあ、最初と最後にだけ登場してストーリーと絡まなかったので記憶に残りにくかったと言えなくもないが。
でもレイジング・ブルも”報い”という点では通底するテーマはやはり同じなんだと改めて感じる。

レイジング・ブル、こう書いてくるともう一度見てみようかなと思えてきた。でも、少々重いんだよなぁ。

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