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【認知症の悲しい現実】エピソード①

みなさんこんにちは。りりすけです。
今回は私が経験した認知症に関する考えさせられるエピソードをご紹介します。
もちろん、伏せるところは伏せますが、
認知症について皆さんに理解していただきたいので、
可能な限りお伝えします。



きっかけは妻への暴言

私がこの夫婦とはじめて出会ったのは、
知り合いのケアマネジャーさんから相談があったことがきっかけでした。

内容は、
「夫婦仲はいいんだけど、夫の方が妻に暴言を吐いてるみたいなんだよね。でも妻に聞いてもはぐらかされて事実がハッキリ分からない。夫は軽い認知症なんだけどね。。」
というものでした。

私は許可をもらってその妻とお話をさせてもらいました。

お話をさせていただく中で、
実態が聞いていたものよりも大きいことが判明しました。

・夫は昨日のことを忘れてしまうほど認知症が進行している。
・夫からお金を盗ったなどあらぬ疑いをかけられる。
・昔からあったやや気が短い気質が表に出てきている。
・妻への直接暴力はないが、モノに八つ当たりする。
・妻の精神的疲労がピークに達している。

夫婦で毎日を過ごす中で、
毎日このような状態でいると精神的負担や疲労がピークに達してしまうのは想像に難しくありません。

ではなぜ、周りに助けを求めなかったのか。
そこにはこんな理由がありました。


妻が一人で抱えていた理由

妻はこの状況が辛いと思っています。
毎日言ったことも忘れるし、気性も荒くなっている。
そんな中で耐えられていた理由を尋ねると、

「毎日晩御飯を一緒に食べるんですけどね、
夫が毎日言ってくれるんです。
今みたいに穏やかにずっと2人で暮らしたいね。
って。
本人は次の日には忘れてるんですけどね。でも私も同じように思ってるから。」

私は話を聞きながらあまりにもつらく、
涙が出そうになりました。

二人はこんなにもお互いを大切に想ってるのに、
認知症によってそれができなくなっている。

認知症は進行性のものです。
治療を受けても治ることはないし、
まるっきり元の二人に戻ることは出来ないでしょう。

ただ、二人は今のまま生活することを望んでいる。
その希望を実現させるため、
私が支援に入ることとなりました。


二人が見る未来に向けて


妻は自分の子どもにも頼っていませんでした。
子どもは幸いにも隣県におり、親身になってくれる方でしたので、
事情を説明し、サポートしてもらうことにしました。

二人で生活を続けていくために、
妻の気を紛らわせる環境を作る必要がありました。
そのため、まずは1ヶ月に一度、妻が子どもの家に泊まりにいくようにしました。
その間の夫の生活も維持しなければならない為、
介護サービスを利用するようにして、夫の生活の安全を確保。

こうして、妻の精神的負担も軽減し、夫との二人暮らしを今も維持することができています。


まとめ


今回は認知症によって、お互いを想っているのにそれが認知症によって
崩れ去ろうとしていたケースをご紹介しました。

でも、これが現実ですし、衝動を抑えきれなくなってしまい、人を傷つけてしまうのも認知症の症状の一つでもあります。

ただ、認知症への理解と環境を変化させることで状況を変えることはできます。

今回の妻のように、一人で抱え込んでいる人は非常に多いと思います。
そんな人を救うためにも介護サービスはあります。

家族からでもいいですし、役所に相談してもらっても大丈夫です。
自分や家族が望む生活ができるように、少しずつやっていきましょう。


もしお悩みのことがあれば、お気軽にご連絡ください。
少しでも悩まれている方のお力になれればと思っています。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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