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かんごしさん。

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お母さんと看護師さん。

今日は看護師としてのお話。

業務効率。予想外のナースコールが一番困る。いや、今ご飯配ってるから。いや、今入院とってるから。そんなふうに思ってしまうと対応も遅れるし、お互い不満もたまる。だから事前に検温に回った時に、トイレ行っときますか?目薬さしましょうか?氷枕溶けてませんか?なんて親切な振りして先回りをして声をかける。さも親切ですよ、言われる前に気付く気が効く看護師さんですよ、なんてスタンスで。

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育ちのいい所作と家で死ぬということ。

育ちのいい所作と家で死ぬということ。

今日は看護師としてのお話。

洗面器の使い方。お風呂に入る時に洗面器って使う?私は使わなくて、むしろお湯かける以外に使ったことがない。水垢がつくし、そんなに使わないし、一人暮らししてから買ったこともなかった。銭湯に行けば確かにあるけど、シャワーで事足りるし、あっても使うこともなかった。

それが私の常識、だった。

洗面器と風呂椅子を使ってお風呂に入る人の所作を見て、あぁ育ちのいい人ってこういうこ

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頭が悪い自分との付き合い方。

頭が悪い自分との付き合い方。

わ今日は看護師としてのお話。

ただの臓器。胃が悪いんだねって言われると「そうなんです」って言える。でも頭についてはどうだろう。頭悪いんだねって言われるとイラッとする人が多いと思う。でも頭=脳、だって胃と同じ臓器の一つだ。でも人はなぜか頭=自分だと思うことが多い。だから馬鹿にされると躍起になるし、必死になる。

胃が悪ければ食事を変更すればいい。朝たくさん食べて、夜少なめ、重たいものは夜食べると次

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名前を呼ばれる重要性。

名前を呼ばれる重要性。

今日は看護師さんのお話。

下の名前で呼ばれるムズ痒さ。患者さんを基本的に下の名前で呼ぶことにしている。なんで呼び始めたのかはもう覚えてないけど、集中治療室に勤め始めてからな気がする。

女性は特に結婚していると名字がもともとと違ったりするから、下の名前で呼ばれるって私は単純に嬉しい。むず痒い様な、小さい頃に戻った様な。呼ばれるとドキッとするし、大人になると下の名前で呼ばれることってあまりないから

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データベースを取るときに気をつけてること。

データベースを取るときに気をつけてること。

今日は看護師さんのお話。

私は誰なのか。看護師てだいぶおかしい距離感で話しかけることが多い。体拭きますね、なんて言って初対面の人を裸にするし、ちくっとしますねと言って人に針を刺す。ちょっと聞かせていただいて良いですかと言って今までの病気や婚姻歴、家族構成や身長体重、家の構造まで聞いてくる。「看護師です」の大前提がなければ犯罪だと常々思う。

入院してきた人にデータベースを取るときに私が注意してい

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抑制類の使用の是非について考えてみよう。

抑制類の使用の是非について考えてみよう。

今日は看護師としてのお話。

必要なもんは必要なんだよ。身体抑制には同意書があって、生命の危機に瀕する場合やら、自傷の恐れが有る場合なんてことが多々書いてある。どういう意図で抑制帯を使用するのか、具体的な時間はどれくらいなのか等々いろんな人のサインやら監査やらを通して患者さんや患者さん家族の元へ届く。

病院で渡す場合にはほとんど反対はされない。「全然縛っちゃってください」と言ってくれる家族もいる

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