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【読書日記】ブレイディみかこさんの最新作『リスペクト』
どれを読んでも、心にズンと来て、
ノックアウトされて、周りに勧めたくなる作家さん。
ブレイディみかこさん。
彼女の最新作『RESPECT リスペクト』(ほんとは英字の1字ずつ・が入ります)を読みました。
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もう最高でした。
ガツンときて、激しく頷き、一緒に心配し、
笑って泣いた。
ガラスの天井や箱のなかでもがいている人に
特におすすめ。
舞台は五輪後の英国。
ロンドンをきれいな街にしよう!というどうやら国や区の施策「ジェントリフケーション」によって都市の高級化が進み、住宅価格や家賃の高騰を招き元から住んでいた人たち、特に貧困層の追い出しにつながる…
によって、追い出されることになったシングルマザーたちが、立ち上がって訴えて行動していく話。
そこには、自己責任とか、産んだのが悪いんでしょとか、お上の言うことに黙って従って田舎へ行け、はない。
いや、ないわけではないけれども
人が生きるってどういうこと?というテーマが
突き付けられています。
だから日本人としてどう感じるか、という視点も、現地に駐在している記者の史奈子という存在によって書かれています。
元恋人の幸太がまた、読者を引っ張ってくれる良い清涼剤。
人が生きるために必要なのは
パンと薔薇
というのもとてもわかる。
尊厳について書かれているところもとても良いです。相手を尊敬することが相手の尊厳を保つことにつながるんです。
この本を読むことで、自分を囲んでいるガラスの箱にレンガを投げられ、少しヒビが入ってミシミシ言い出しているのが聞こえます。
そんな気持ちにさせられました。
心底出会ってよかった本の一冊です。
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