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読書|池袋ウエストゲートパーク
私の知っている池袋じゃない。でも、もしかしたら私が知らないだけかもしれない。少年ギャング団に乱れる街。ヒリヒリとドキドキが止まりません。
頭の切れるナイスガイのマコトは、荒れ狂う池袋の街で颯爽と暮らしています。仲間が殺された時は復讐をし、ヤクザのお頭に人探しをお願いされたら奮闘し、街の秩序が乱れたら平和を実現させました。
残酷な仕打ちや性的な描写も激しく、夜寝ぼけた状態で読むにはだいぶ刺激的…。そのスリリングさがこの物語の美味しいところなのでしょう。
ガキどもにはモデルがない。身近なところに目標になる大人がいないし、夢も見せてもらえない。おれたちはモデルと絆を用意する。自分が必要とされている充実感、仲間に歓迎を受ける喜び、規律と訓練。今の社会では得られないものを、力をあわせ見つける。
エピソードを重ねるごとに、マコトへの期待が自然と膨らみました。次は、どんな作戦を練るんだ?誰にタネを仕掛けるんだ?ハラハラの気持ちと同じくらい、マコトへの信頼が膨れ上がります。
そして迎える最終決戦。ふたつに分裂した池袋の子どもたちを束ねるために、マコトが威勢の良い演説をしました。
まだ10代だよね?文字から伝わる堂々とした様は、池袋の街が、明日からも平和であることを予感させるものでした。
いつか自分が池袋の街におりたった時、この物語を思い出しマコトやギャング団の姿を探してしまうかもしれません。
前回の読書記録はこちらです。
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