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生きづらさを抱える全ての人に脳科学を学んでほしい


こんにちは。
今回は、「生きづらさを抱える全ての人に脳科学を学んでほしい」という話をします。
自己紹介でもお話させてもらったように、私はハンデをたくさん抱え、生きづらさを感じています。
自分と向き合うために瞑想の実践や仏教の学習を行なっておりますが、最近は脳科学の勉強も始めました。


脳科学と言われると難しい話で身構えてしまう方もいるかもしれませんが、医学論文を読んだり専門書を読んだりする必要はありません。
有難いことに、巷には素人に向けた脳科学の本やネット記事が溢れています。

今回は、私が感じた脳科学を学ぶメリットやおすすめの本まで紹介させていただきます。
ぜひ最後までお付き合いください。


1.脳科学を学ぶメリット


①自分を客観視することができる


第一に、脳科学を学ぶと自分を客観視することができます。
辛い感情が湧き上がってきたときも、その辛い感情が起こるメカニズムを知識として持っているだけで、感情と距離を置き切り離すことができます

前提として、私たちは後代にホモ・サピエンスとしての種のDNAを残すために存在します。
そのため、私たちの脳は「保有主の生存」を第一の目的として存在します
感情は、私たちを守り生存させるために脳が作り出すものです。
そして、湧き上がってきた感情がどのようにして自分を守ろうとしているのか、そのメカニズムを学ぶことが大事になります。

「不安」という感情を例に、少しだけお話しさせてください。
みなさんは、不安が起こるメカニズムと原因についてご存知でしょうか。

不安は、脳の深部にあるアーモンド状の部位である扁桃体が生み出します。
扁桃体が脅威を察知すると副腎皮質からストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは血圧を上げて動悸を速め発汗させ、人体を「闘争or逃走」状態にします。
このように脳の中の扁桃体は私たちに警告を発し、脅威に対して闘わせる・逃げるモードにしているわけです。

脳は1万年前の狩猟採集時代からほとんど変化していないと言われています。
現代の私たちは他人から嫌われることを非常に不安を感じますが、これは狩猟採集時代からの脳の働きの名残です。
狩猟採集時代の死因のほとんどは動物に食われるか飢餓で死ぬかでした。
狩猟採集時代には部族から追い出されると飢餓で死ぬリスクや動物に食われるリスクが非常に高まります。つまり、「他人から嫌われる=死のリスクが高まる」を意味します。
こうして、他人から嫌われたり低い評価をされたりすることを恐れるのです。

私は不安を感じた時に、「自分を生存させるために脳が不安を作り出しているんだ」と言い聞かせるようにしています。
そして、「いつも自分を守ってくれてありがとう」と、不安という感情に感謝する時さえあります。
このように考えるだけで気持ちが少しずつ楽になっていきます。

このように不安が起こるメカニズムを知っているだけで自己をメタ的にみることができます。
怒り・悲しみなどの他の感情も同様の仕組みで生じています。ぜひ調べてみてください。

私たちの周りの世界は、結局私たちの主観によって作り上げた世界です。
(ヘーゲルの「精神現象額」のような話になってしまいますが)
仏教も同様のことを説きますが、「自分が世界をどのように見ているか」を知ることはとても大事です。
感情や意識も結局は自分の脳が作り出したものです。
そして、脳科学を学ぶことは自分の世界の見方を知るのに大いに役立ちます。


②脳を意識的にコントロールできる


脳科学を学ぶと自分の脳を意識的にコントロールすることもできるようになります。
例えば、セロトニンやドーパミンなどの脳内ホルモンの役割と分泌のメカニズムについて知っておくと、特定のホルモンを狙って分泌させることができます。
ADHDを抱えている人が、不注意が起きる脳の仕組みを知っておくと、行動や環境を変えることで意識的に不注意を軽減させることができます。

ここでも私が実践している例を紹介します。
脳内ホルモンの一種であるセロトニンは、「脳の警察官」とも呼ばれ、精神を安定化させる非常に重要な役割をに担います。
セロトニンは、朝日を浴びることやランニングや咀嚼などのリズム運動によって生成されます。
また、セロトニンの生成にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が必要ですが、トリプトファンは体内で生成されません。バナナや豆乳製品、ワカメなどの海藻から摂ることができます。

私はこれを知ってから、朝日を浴びることとバナナを食べることを日課にしています。また、定期的な有酸素運動も取り入れています。
精神の健康を目的にこのように意識的にセロトニン分泌を促しているわけです。


もう一つ例をあげましょう。
私は発達障害を抱えていますが、頭の中で常に物事を考えている「脳内多動(=マインドワンダリング、モンキーマインド)」に悩まされています。
以前、「デフォルト・モード・ネットワーク」について記事を書きましたが、DMNは不安や自責、不注意の原因となっています。
脳内多動の原因であるDMNと、集中を司る「サリエンス・モード・ネットワーク」の切り替えは脳の島皮質という部位が担っています。
つまり島皮質が十分に働いていないことで常にDMNの状態になり脳内多動が引き起こされるのです。
そして島皮質を強化してくれるのが瞑想です。そのため私は瞑想を習慣に取り入れています。


このように、脳のメカニズムや強化の方法を知っていて初めて、自分の特性の凹の部分に対処できるようになります。
自分の特性に悩まされたら、脳科学の観点から特性の原因を解明しアプローチすることを意識してみてください。
薬物療法だったり瞑想だったりと、結果としての対処の仕方に違いは出てきますが、まずは脳科学から入ることもお勧めです。



2.何を学ぶべきか


私が勉強して役に立ったものを簡単にご紹介します。
何から学んだら良いかわからないという方はご参考ください。

・脳内ホルモンの役割と分泌の条件
・脳の各部位の役割
・ADHDやASDの脳の動き
・ストレスや不安の発生の仕組み
・運動や瞑想が脳にもたらす影響

 上でも述べたようにドーパミンやセロトニンなど各ホルモンがどんな役割を担っているのか、どのような条件で分泌されるか知っているだけで、意識的に特定のホルモンを分泌させ、気分や感情をコントロールできるようになります。
 前頭葉や頭頂葉など各部位の役割とその部位の鍛え方を学ぶのもおすすめです。上述したように感情の生成のメカニズムを知っていると、自分の感情を距離を置いて見れるようになります。
 運動や瞑想は「脳に良い」と言われることが多いですが、どの部位にどのように作用するのか知っていると尚更モチベーションが上がります。



3.おすすめの書籍の紹介


私は脳科学の本を頻繁に読みますが、なかでも役に立った本を3冊ご紹介します。

① 『精神科医が見つけた 3つ幸福』 樺沢紫苑

ご存知の方も多いと思います。売れっ子精神科医の樺沢さんの書かれた本です。
セロトニンやドーパミンなど脳内ホルモンについて易しく解説してくださっています。
安定した心の穏やかさのために何をすべきか、理解が進みます。


② 『ストレス脳』 アンデシュ・ハンセン

Amazonでものすごく売れた「スマホ脳」を書かれたハンセンさんの本です。
ストレスに関する脳科学の本ではこの本が一番良いと思います。
ハンセンさんの本の特徴は、狩猟採集時代と現代の生活環境の比較から脳のエラーの原因を説きます。
運動が脳にもたらす効果について書いた「運動脳」もおすすめです。


③ 『ブッダの脳: 心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学』 リック・ハンソン

瞑想が脳にもたらす効果を脳科学の観点からひたすら解説した本です。
瞑想実践者・瞑想に興味がある方にはおすすめの本です。
瞑想は2500年前に生まれた仏教の伝統的な修行法ですが、仏教の凄まじさに驚かされます。
「現代科学がやっと仏教に追いついた」と言われることが最近多いですが、この記事を読むと実感します。

ネット記事やYouTubeでも十分ではありますが、本で読むと体系化された形で学ぶことができるので、より理解が広がりますね。
読書自体が脳のトレーニングやストレス発散にとって良いことなので、ぜひ書籍にチャレンジしてみてください。



今回は脳科学を学ぶことのメリットについてお話しさせていただきました。
脳科学の領域は幅広く、自分もまだ道半ばで知らないことだらけです。
脳自体未知なことが多く、科学技術の進歩に伴い現在凄まじいスピードで研究が進められています。
学習しがいがあり、さらに自分にとって役に立つ分野なので、尚更学習することをお勧めします。
脳について学んで、少しずつ自分を楽にしていきましょう。


いかがでしたでしょうか。
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瞑想や音読の脳への影響に関しても記事を書いています。良かったらそちらもご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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