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作家と性別について

今年の直木賞・芥川賞の候補作で面白い現象がありました。

芥川賞五作、直木賞四作が女性の作家さんだったんですね。

それとこんな面白いnoteも読ませてもらいました。大変興味深かったです。

ここでは本屋大賞の歴代受賞者が女性作家さんの方が男性作家さんよりも倍近くいると書かれています。確かにそうなんですよ。直近はもっと女性の作家さんの比率が多いですね。

というのも、現在の一般文芸では圧倒的に女性作家さんの方が優位なんです。今回の候補者がほぼ女性というのが、それが顕著に表れた例です。

20年前、10年前に比べると、あきらかに女性の作家さんが活躍されています。

もちろん作品の面白さに性別は関係ありません。男性が書こうが女性が書こうが、面白いものは面白いしつまらないものはつまらないです。作家は極めてジェンダーレスな世界です。そこは素晴らしいことですよね。

ただ現象として女性作家さんの方が活躍されているのは紛れもない事実です。

理由は単純明快で、現在の一般文芸の読者の大半が女性だからです。

女性の読者が増えたというよりは、男性の読者が激減したからですね。ごそっと離脱した気がします。

読書好き自体も少ないですが、男性の読書好きはもっと少数派です。その中でもビジネス書を読む人は多いですが、小説は少ないです。男性は読書に実益を求めるんですね。

さらに乱読の世代と呼ばれた団塊の世代が、読書から離脱したというのもあるかもしれません。とにかく男性は小説を読まなくなりました。

顧客とターゲット層が女性ばかりになると、必然的に供給するのも女性の方が有利に働きます。

化粧品とか女性ファッションの世界でガンガン活躍している男の人ってあきらかに少ないじゃないですか。

僕と同期の作家さんに古内一絵さんがおられます。女性に人気があって、『マカン・マラン』などのベストセラーを書かれている実力派の作家さんです。頼もしい同期です。

古内さんみたいな作品は、僕にはどう頑張っても書けないです。性別は関係ないと言いたいですが、男性作家では手の出ないタイプの小説なんです。

あと本屋大賞受賞者で女性作家さんが多いのは、読者が女性ばかりになったのと加えて、書店員さんも女性が多いからでしょう。

本屋大賞は書店員さんが投票する賞です。僕も普段から仲のいい書店員さんのほとんどは、女性の方ばかりです。

もちろん作家の性別関係なく公平に票を投じておられるでしょうが、どうしても偏りは出てしまいます。

僕もいろいろ小説は読みますが、面白いと感じるのは男性作家さんの方が多いです。こればっかりは致し方ないです。

となると、これから女性で作家を目指す方はチャンスです。ジャンルにもよりますが、読者の気持ちや心情がわかるのは何よりの強みです。この優位性を活かさない手はありません。

新潮社さんの『女による女のR-18文学賞』なんか狙い目です。続々と人気女性作家さんを輩出しています。女性の作家志望者の方は、ぜひ公募先の検討候補に入れてください。

一方男性の作家志望者の方は厳しいです。今後男性作家でいけるのはミステリー作家だけになるんじゃないでしょうか。ミステリーは男性にも女性にも人気があるジャンルですからね。

それ以外のジャンルを書こうとなると、今までの作家以上の創意工夫と努力が求められます。

とはいえ男性にも女性にも刺さる作品を作るのが一番なので、作家としてそういうものを目指したいですね。

↓最高の感動作です。おすすめです。ぜひ読んでみてください。


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