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上手な文章とはどんな文章か

いつもお世話になっています。作家の浜口倫太郎(@rinntarou_hama)です。

今日は上手な文章の書き方について書かせてもらいます。

作家志望者は文学的表現や巧みな比喩を使いたがりますが、それって相当難易度が高いです。

あとそういう小難しい表現を好む人って、ほんとごくごく一部の方です。「文章が幼稚すぎる」みたいな批判をする人ですね。

困ったものでそういう人ほど声が大きくて目立つんです。だから「あっ、もっと凝った文章じゃないと読んでくれないのか」とごてごて装飾した文章を書く人もいるんですが、それはやめた方がいいです。

九割九分の人は、読みやすい文章を求めています。

これをリーダビリティーといいます。

とくに今のご時世は、字を読むことすら嫌がる人も多いんです。そんな中で難解な文章を書いて勝負しようなんてかなりの博打です。

僕は自分で言うのもなんですが、比較的リーダビリティーが高い文章が書けます。

どの編集者からもそう言われれるので、たぶんそれは当たっているんでしょう。

一応こういうnoteも読みやすさに留意して書いていますが、小説はそれ以上にリーダビリティーに気をつけています。

推敲をくり返すのも、どう読みやすくするかという目的が大半ですね。カンナで丸太を削るイメージで推敲するんですが、指で木をなぞってもなんのひっかかりもないほどツルツルにしたいんですよ。

1 読みやすい文章とは音読しやすい文章

これはどの文章読本でも書かれていることです。声に出して読めない文章は、黙読でも読めない文章なんですよね。

だから文章を書いたら、自分で読んでみてひっかかったり、口がもつれたりするような部分は書き直す必要があります。それは丸太でいえばトゲがある状態の文章です。

僕は放送作家の時にナレーションを書く仕事をしていました。ドキュメンタリーなどである、ナレーターさんが読む説明文です。

普通の文章以上にああいう台本は読みやすさが命です。ナレーターさんがなんのひっかりもなく読める文章が一番なんですよね。

だからテレビのナレーターが読む文を注意して聴いてみてください。非常に読みやすいので。

自分でナレーションを書いてみるのもいいですね。

小説を書いたらとにかく自分で口に出して読んでみてください。息継ぎができない文章だったら、文節を短くしたり、読点を入れるのも大事です。

あと読点は読みやすさのポイントです。多すぎても少なすぎてもだめなんですよね。

たまに、読点の多い、文章をみかけますが、これは非常に読みにくいのが、わかりますよね。

たまに読点の多い文章を見かけますが、これは非常に読みにくのがわかりますよね。

前後を比べると一目瞭然です。読点の数を変えるだけで、リーダビリティーがぐっと上がったりすることもあります。

2 難しい言葉を使うときは前後の文章に気をつける

基本的には誰にでもわかる言葉で書くのがベストなんですが、それだとどうしても文章が単調になりがちです。

『食べた』ばかりではなく、『咀嚼した』みたいな単語を入れると文にリズムが生まれます。

ただ咀嚼したのような日常あまり使わない言葉って、脳がそれを解釈するのに時間がかかるんです。

その時間調整をするイメージで、前後の言葉数を短くしたりすると、リーダビリティーがぐっと上がるんですよね。

この言葉ちょっと難しいかもと感じたら、そういう点も気をつけてみてください。

3 見た目が気持ちいい文字数

これって僕だけかもしれないんですが、読んで気持ちいい文字数っていうのがあると思うんですよ。

イメージはゲームのぷよぷよの連鎖です。「あっ、この文字数気持ちいい」というブロックが連鎖した文章がとてつもなく読みやすいし、書いていて快感なんですよね。

漢字の形とかでもこの文字数が微妙に変わるんですが、ぴしっとくる文字数って絶対にあるような気がするんです。

読みやすさに加えてこの気持ちいい文字数で文が書けると、最高にリーダビリティーが増すんですよ。

もしこの文字数気持ちいいみたいな感覚がある方ならば、それを意識するのもいいかもしれません。

4 結局は愛

最後になんだこれって感じですが、読みやすさって結局は、読んでくれる人のことをどこまで考えているかなんですよね。

俺の高度な文学的レトリックを見せつけてやる、みたいな文章ってなんか鼻について読みにくいじゃないですか。

読者の方にどう気持ちよく読んでもらえるか。それだけを考えていたら、自然と読みやすい文章になるんです。

だから結局、リーダビリティーとは愛なんですよね。

これが最強の文章術かもしれません。



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