落ちこぼれリーダーの話
リーダー、または管理職になると、必ず部下やメンバーとの面談が発生する。
面談にはやってはいけないことがある。それは
「何でもいいから話聞きますスタイル」である。
これは、僕自身の失敗談である。
7年程前、一般職からリーダー職になり、意気揚々とマネジメントを始めた。事業所からは、金銭的なインセンティブを与えられた訳ではないが、猛烈な改革をすすめた。
チーム内でのチューター制度の整備。
業務の細分化とメンバーのモチベーション管理。
その他にも毎月、チーム月報を出したり、これまで、明文化されてなかった経営職からの言葉を伝えたり、支援の専門的アドバイザーになったりと、これまでのリーダーたちがやったことのないマネジメントをドンドンやり続けた。
メンバーからの僕の評価は、上々であった。
「他のリーダーよりも、このままいたいです」
「初めてです。こんな風に仕事したの」
「来年度はチーム変わりたくないです」
年度も終わりに近づき、チームメンバー5人と面談の時間を作ることにした。
僕の意図としては、メンバーそれぞれのやりたいことや目標、ビジョンなどのヒアリングを目的にしていたが、失敗だったのは、これを丁寧に言語化せず「何でもいいから話聞きます面談」と銘打ったのだ。
僕のなかでは、「何でも話せるなら、きっとメンバーは夢ややりたいことを語るはず」と認識していた。
しかし面談を始めると、これを見誤ったことに気づき始めた。それは、メンバーが、他のメンバーや他のチームリーダーの不平不満を言い始めたのだ。
しかも5人全員。
しまった。気付いた時には、もう遅い。他責ばかりのコメントの荒らし。無視はできない。受け止めるのが精一杯であった。
結局、彼らの目標やビジョンすらもヒアリング出来ず、僕の心はボロボロになった。
リーダーになり、圧倒的に足りなかったこと。
それは、話を聴くこと。
猛烈な量のアウトプットと革新的な取り組みの推進。
結局、これしかしてなかった。
マネジメントが一切できていなかった。
チームのメンバーの安心、安全を保証し、モチベーション高く、ゴールに向かって、丁寧に導くプロセスが、マネジメントなはずなのに、もう爆死したも同然だった。
この経験をきっかけに、面談では必ず何のためなのか目的を共有するようにし、面談の最中は、やたら質問するようにしている。
「この半年間で、ここは自分でもよく頑張ったなと思うことは?」
「ここ足りないなと感じることは?」
「やってみたいこと、次こそ、ここは変えてみたいこととかある?」
彼らの答えの引き出しを一緒に見つけて、開けて、共有する。
そして、何より全ての答えに「いいね」「さすが」「すごい」「よくやったよね」などの承認の言葉を意図的に添えるようにしている。
マネジメントは難しい。
だからこそ、リーダーたるもの、実践していきながら、能力をアップデートしていく努力は当たり前にしていかなければならないと思う。
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