自作詩「ホンモノ」

何かを求め、行動し、求めた何かを手に入れる。
そしてまた新しい何かを求め、行動し、手に入れる。

求めたものを手に入れた先に何があるのか？
分からないまま、また求め続ける。
求める事を繰り返し、繰り返し、繰り返す。

何かを手に入れた先に本当に求めているモノがあるのではないか？
焦燥感にも似た感情を抱きつつ、今日もまた求め続ける。

求め続け、手に入れ続け、けれども手に入らない。
一体自分は何を求めているのだろうか？
それすら分からなくなる。

求めているモノが分からないまま求め続ける。
絶対的な何かを、
ホンモノを探して今日もさまよう。

亡霊のように
亡者のように
求め、さまよい続ける。

一体何が欲しいのか？
何を求めているのか？

答えはどこにあるのだろうか？

悲壮感のような感情を抱きつつ、
答えの出ない旅路を急ぐ。

求めて、探して、それでも見つからなくて、、
諦めかけた時、ふと思い出す。


何かを手に入れてなくても、
何者でもなくても、
それでも一瞬一瞬を全力で生きていたあの頃を。

本当の意味で後先考えない、
一瞬一瞬を生きる感覚。
今を生きて、
今を感じる感覚。

まだ幼い頃の感覚。
全力で生きて、全力で喜んで、全力で楽しんで、
時には全力で泣き叫んで、全力で怒って、全力で暴れ回って、、

全ての感情を発散し、味わい尽くす感覚。

大人になると忘れてしまう。
感情の味わい方を。
感情を感じ切る事を。

何かを手に入れても、何かを成し遂げても、
味わえなければ虚しいだけ。

だからこそ味わう事が大切なのだ。
急がず、ゆっくりと味わう。
その時その時の感情を味わう。

感情を味わった先に求めていたモノがある。
満足感が、そこにはある。

外側の世界じゃなく、内側の世界にホンモノはある。
近過ぎて、そばにあり過ぎて気が付かなかったけど、探し求めていたモノはいつだって自分の中にあった。

だから今日から、いや、今から味わい尽くそう。
自分の中にあるホンモノを...。