113.父からの全力「いいね!」
父が1度だけ、全力で私の行いに対して「いいね!」してくれたことがあります。
あの日は、東日本大震災(2011年3月11日)の2日後だったと思います。
当時、実家には母と兄が二人で生活していました。
父は東京で単身赴任中です。
(私は依存症治療4年目、社会復帰ほやほやの一人暮らし中でした。)
実家は、仙台市内の北の方(大きな観音様のふもとです)
市内ですが、車のない母にとって、買い物がとても不便なところでした。
母は、普段はイオンから出ている送迎バスを利用して買い物をしていたようですが、あの地震の直後です。
大きな余震が続くなか、どこにも出歩くことが出来なかったと思います。
ましてや兄がいます。
身動きがとれない、ライフラインはとまっている、父が東京から帰ってきたくても相当な時間がかかる…
そんななか、私はというと、
トイレ掃除のパートをしていた時期です。
体力と時間だけは有り余っていた時期です(^-^;
普段、距離をおいていた実家でしたが、ここは私が行くしかない!と燃えまして(;´∀`) 自転車に、食料と水を積み、結構な急こう配を越え、実家へと運搬しました。
その食料はというと、オフィスビルのトイレ掃除をしていると、テナントの企業さんが、「コレもっていきな!」と、大袋のチョコレートをくださったり、全国各地からの支援物資が、ひょんなかたちで与えられていたのです(∩´∀`)∩
支援物資プラス、近所のスーパーで並んでゲットしたものだったか・・
それらを母のもとへ届けたのですが、母はとても喜んでいる様子でした!
まだ、家にあがってゆっくりするような関係でもなかったので、渡すだけでサッと帰ってきましたが、ふと思ったのです。
「そうだ!お父さんに報告しよう」
なかなか通話も繋がりにくい頃だったと思いますが、父と話すことができました。
父は仙台へと向かう道中でした。
母のもとへ届け物をしてきた、顔を合わせてきた、その旨話した時、その時です。
「よくやった!!」
父からの全力いいね「よくやった!」
初めて聞く父の真正面、直球の私の行動を肯定する一言でした。
東北で起きている悲惨なニュースを聞きながら、どんなに家族が心配でも、なかなか進まない東京からの道すがら、娘からケロッと母と兄の無事と、食料を置いてきたことを聞き、父はたいそう安心したと思います。
この時ばかりは、父に褒められたくてやった訳でも、なんでもなく、自然に体が動いたからそうしたのですが・・
そんなものでしょうか?
どんなに褒められたくて、認められたくて、いい子にしていても、父から言葉で評価されたことなんかありませんでした。
『見返りを求めずに与えたら、与えられた』いい例かもしれません。
今日ふとそんなことを思い出しました(^_^)
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